政治•経済 社会•事件 トランプ政権のイラン核施設空爆:中東情勢緊迫と第5次中東戦争の懸念
トランプ政権のイラン核施設空爆:中東情勢緊迫と第5次中東戦争の懸念
政治•経済 社会•事件

2025/06/28

 6月、トランプ政権下がイランの核施設に対して大規模な空爆を実施した。この軍事行動は、イランの核開発プログラムが進展し、イランが国際的な監視を拒否する姿勢を強めたことへの懲罰的な対応となった。しかし、この攻撃は中東地域に深刻な波紋を広げ、湾岸諸国の米軍基地や米国大使館への攻撃リスクを高め、さらには第5次中東戦争の引き金となる可能性も排除はできない。

 

空爆の背景と即時的影響

 米国によるイラン核施設への空爆は、トランプ政権が掲げる「最大限の圧力」政策の一環として実行された。イランの核開発がレッドラインを超えたと判断したトランプ政権は、イスラエルからの支持を受けつつ、精密誘導ミサイルを用いて主要な核施設を破壊した。イラン側は報復を宣言し、最高指導者ハメネイ師は、米国の侵略に断固対抗すると表明した。

 空爆直後、イランはホルムズ海峡付近での軍事演習を強化し、原油輸送の要衝である同海峡の封鎖を示唆。世界の原油価格は急騰し、ブレント原油は一時1バレル120ドルを突破した。サウジアラビアやUAEなど、湾岸協力会議(GCC)諸国は米国との有効な関係を維持しつつ、イランとの緊張激化を懸念している。

 

湾岸諸国への波及と米軍基地への脅威

 イランの報復の矛先は、湾岸諸国に駐留する米軍基地に向かう可能性がある。バーレーンに駐留する米第5艦隊や、カタールのアル・ウデイド空軍基地、UAEのジェベル・アリ基地などは、親イラン武装勢力による攻撃の標的となるリスクが上昇している。特に、イランが支援するイエメンのフーシ派やイラクのシーア派民兵組織、レバノンのヒズボラなどが、ドローンやミサイルを用いた攻撃を仕掛ける可能性があろう。

 UAEやバーレーン、カタールなどは、イランとの経済関係を維持しつつ米国との良好な関係を続ける微妙な立場にあり、国内の安定が脅かされる懸念が浮上している。サウジアラビアでは、2019年のアラムコ施設攻撃のような、親イラン勢力によるエネルギー施設への大規模攻撃の再来が警戒されている。

 

米国大使館への攻撃リスクと地域の不安定化

 イランは、直接的な軍事衝突に加え、親イラン勢力による米国大使館への攻撃を扇動する可能性がある。イラクの首都バグダッドにある米国大使館は、過去にも親イラン民兵によるロケット攻撃を受けた前例があり、警備が強化されている。レバノンやシリアでも、ヒズボラやその関連組織が米国の外交施設を標的にするシナリオが考えられよう。しかし、これらの攻撃は中東全域での緊張を一気に高める要因となる。

 

第5次中東戦争の可能性

 一方、今回の空爆が、最愛の場合、第5次中東戦争の引き金となる恐れすらある。過去の中東戦争(1948年、1967年、1973年、1982年など)と異なり、今回の紛争は国家間戦争にとどまらず、非国家主体である武装勢力やテロ組織が深く関与するハイブリッド戦争の様相を呈する可能性が高い。イランの報復がホルムズ海峡の封鎖やエネルギー施設への攻撃に及べば、グローバル経済への影響は計り知れない。米国は、空爆後の対応として、湾岸諸国への追加の軍事支援を表明。パトリオットミサイル防衛システムの配備や、F-35戦闘機の増派が進められている。一方、ロシアや中国はイランを支持する姿勢を強めており、国連安全保障理事会での議論は膠着状態に陥っている。

 

今後の展望

 イラン核施設への空爆は、中東情勢を一層不安定化させ、湾岸諸国や米国の同盟国に深刻な影響を及ぼしている。国際社会は、緊張緩和のための外交努力を急ぐ必要があるが、米国とイランの対立が根深い中、効果的な仲介が難しい状況だ。欧州連合(EU)は、2015年のイラン核合意(JCPOA)復活に向けた交渉再開を提案しているが、トランプ政権の強硬姿勢が障害となっている。今後、親イラン勢力による米軍基地や大使館への攻撃が現実化すれば、紛争のエスカレーションは避けられない。ホルムズ海峡の安全確保や、原油価格の安定化に向けた国際的な協力が急務である。地域の安定とグローバル経済への影響を最小限に抑えるため、冷静な外交的対応が求められている。

TIMES

政治•経済 社会•事件