政治•経済 社会•事件 タレント起用や責任問われず居残り。依然問われる社外取締役の意味
タレント起用や責任問われず居残り。依然問われる社外取締役の意味
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2025/04/25

 たぶん好感度で物言わなければ誰でも良いのだろう。あるいは「馬主つながりか?」と言われているのが、靴小売りのABCマートの社外取締役だ。4月21日、同社は女優の榎本加奈子と畑野ひろ子をその候補者として発表したからだ。

 このところ社外取締役に、好感度女性を起用するケースが多発。21年には酒井美起の不二家、22年には女子マラソンの高橋尚子がスターツコーポレーションに、有名女子アナに関しては引っ張りだこなので敢えて書かない。そういった状況だ。

「馬主」に関しては、少し補足が必要だ。同社創業者の三木正浩は馬主としても有名で、榎本加奈子の旦那で元プロ野球投手の佐々木主浩も馬主で有名なためそのつながりかと詮索されたわけだ。いかにもSNSでは好まれそうなコメントだ。

 コーポレートガバナンスをどうするか。社外の立場から物言う社外取締役が重要だ。型通りの言説ではそうなっている。

 例えばつい最近、そのことが声高に叫ばれたのが、日産の場合だ。24年度上半期に純利益93.5%減、営業利益90.2%減という経営危機に陥って、年末にホンダとの電撃的な統合を表明するも、3カ月も経たない2月13日に白紙撤回。先が見えない中、居残ろうとした内田誠社長は、結局は退陣圧力に絶えられずに副社長3人と併せて3月11日に退陣を発表したが、その内田社長を監督する立場の社外取締役8人は留任することで相当な批判を浴びた。

 だが事情は会社の性質によるだろう。自動車のような激しい国際競争に晒され、さらにはEVや新エネ車などで業界の変革著しい企業にあっては社外取締役には経営監視が求められるが、ABCマートのように内需の小売りともなれば、企業の宣伝のための好感度狙いは意味があるし、もしろ経営には素人で消費者目線があった方が有効にもなる。また同社では三木は07年に会長を退任したが、そのまま会社が上手くいっていれば必要以上に組織や人事をイジる必要もないだろう。

 

外国企業も同じだった

 

 一方、社外取締役ではないが、大方の人が「それは無いだろう」と思わせたのが、大揺れのフジ・メディア・ホールディングスの約7%の株式を保有するアクティビストの米ダルトン・インベストメンツが行った株主提案での12人の取締役候補だ。

「その中、ボスキャラの北尾吉孝SBIホールディングス社長兼会長は、4月17日に会見を行いましたが、昔風の俺様ぶりで会見をし切りまくったものの、会見中に株価は下落。一時は8%を超えて下げ、最終的には5.7%下げで、自身とフジHDの株を下げたのは既に知られたところ。ただそもそもダルトンの12人の人選も大いに疑問符がつくもので、例えば元ジャパンディスプレイ社長兼CEOの菊岡稔氏は、13年の誕生時はセカイシェア1位の『日の丸液晶パネルメーカーの誕生』などと囃されながら、上場後に1度も黒字化したことなく散ったA級戦犯などと言われているし、旧ジャニーズ事務所を引き継いだSTART ENTERTAINMENTの福田淳さんは癒着を言われかねない。また企業家として師弟関係にある北尾さんが推したと思われるネクシーズの近藤太香巳氏は、元愛人との間であったとされる暴力沙汰でいわゆる『文春砲』を浴びた人。福田さんも今年1月にフライデーで2回り年下の女性との路チュー写真を掲載されたばかりで、女性問題があった会社の役員候補に、身体検査の配慮が感じられない辺りにも違和感を覚えます」(経済部記者)

 といった矢先の23日、ダルトンは取締役候補の1名を差し替えると発表。下りるのはダルトン最高投資責任者で、理由は放送法に抵触するから。やはりほとんど何も考えていなかったようにしか思えず、むしろ好感度タレントを起用する企業がよほど賢くも思える。

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