2025/04/24
こども家庭庁が虐待に関する愚策で大恥をかいている。虐待が疑われる子どもの一時保護を巡り、同庁は2021年度から人工知能(AI)による判定システムの導入に向けて約10億円の税金を投入して開発を進めてきたが、試行段階で判定ミスが目立ち、導入見送りを決めた。AIで子どもの虐待の度合いを判定するという発想自体に疑問を抱かざるをえず、導入断念は当然の判断だ。
こども家庭庁は、全国の児童相談所が慢性的な人手不足に悩んでいることから、児相職員の補助的な役割として、AIによる判定システムを2024年度中には導入する予定だった。しかし、一部の自治体の児相に協力してもらい、過去の虐待事例100件のリスクを判定させる検証・試行を進めたところ、6割以上で判断に疑義が生じたという。
今回は、5000件事例をAIに学習させた上で試行してきたが、事例数が少なかったことも、判断ミスの大きな要因とみられている。
ただ、そもそも虐待は、加害者が実の親だったり義理の親だったり様々で、さらに虐待に至った経緯や加害行為の態様なども千差万別だ。たった5000件程度で判断しようというのが、根本的に無理があったのではないだろうか。
一時保護は、児童福祉法に基づき、虐待などが疑われる18歳未満の子どもについて、各地の児童相談所の判断で家庭から引き離す措置で、2022年度の一時保護件数は約3万件。全国の児相が同年度に虐待の相談を受けて対応した件数は過去最多の21万件超にも上っている。1年間だけみた規模からしても、過去事例の5000件がいかに少ないかは明白だ。
AIは確かに業務の効率化などにつながり、人手不足が深刻化するこの世の中において、様々な分野で大きな力を発揮している。ただ、子どもの虐待は、「生身の人」による対応が重要なのは言うまでもないだろう。政府は、対応に秀でたエキスパート人材の養成などに向け、効果的な施策を講じる必要がある。
TIMES
政治•経済 社会•事件




