連載•小説 籠城して朝倉軍の進撃を防いだ藤吉郎・小一郎
籠城して朝倉軍の進撃を防いだ藤吉郎・小一郎
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2026/04/09

 信長はいち早く10人程度の少人数を引き連れて突っ走り、柴田勝家、佐久間信盛、丹羽長秀
……最後に松平元信の部隊が金ヶ崎城にこもる秀吉らの目の前を通り過ぎていく。
藤吉郎は1500の手勢のうち1200程度を城の入り口の左右に伏せておき、蜂須賀小六、前野長康
、木村重茲、加藤光泰、生駒親正ら主に川並衆の精鋭を含む300人弱を小一郎に与えて金ヶ崎城
内に残した。敵軍が城内に入ろうとしたら、両側から襲い掛かって妨害するためである。
「信長公が駆け出されてから二刻(約4時間)程度支えろ。ムダな戦いはするな。頃合いを見て
兵を引き、オレの陣につけ」が小一郎に対する藤吉郎の指示だったという。
小一郎軍はひと晩籠城し、のぼりや旗指物、篝火で撤退を気取られぬように偽装。朝日が昇ると
手勢とともに城外に出て先行する藤吉郎軍の後を追った。撤退にようやく気付いて追撃してきた
朝倉軍には、最後尾の鉄砲隊が発砲しながら距離を詰めさせなかった。
その間にわずかな供を連れた信長は、朽木谷を通って何とか京へと戻ることができた。被害は
最小限で済んだという評価もなされているが、藤吉郎が投入した600人中、約300人弱が討死。
小一郎の手勢300は半数以上が何とか生き残ったと伝えられている。(つづく)
西川修一

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