連載•小説 第35回 椎野礼仁のTANKA de 爺さん 弄ばれる人生
第35回 椎野礼仁のTANKA de 爺さん 弄ばれる人生
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2025/12/08

吸いこめず息が苦しい この先に死はあるんだと夜具をはねたり

七日目に「肺炎ですね」と医師の言 こんなにたやすくなるものなのか

そしてまた次の七日で「全快」と 遊ばれてるのか俺の人生

肺炎がリヴィングの中に立っていた 一週間でどこかへ消えた

一瞬のあの苦しさの真実を どこにどうして生きていくのか

文学者っぽい病名が素敵だと思った矢先にお前は早いと

 

先週、気負ったが、残念ながらスマッシュヒットにはなってないな。

肺炎騒ぎで(あえて騒ぎという)で感じたのは、「俺が肺炎、そんな大病に?」というキツネにつままれた思いと、でもあの瞬間の苦しさは尋常ならざるものだったという感覚。こういう時に人は死に至るんだという不随意感と言おうか。

難しいな、人生に立ち向かう短歌って。

知らない方もいると思うので蛇足を。四首目は渡辺白泉の絶唱「戦争が廊下の奥に立つてゐた」のパクリです。

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