第31回 椎野礼仁のTANKA de 爺さん 吊革のブルース
連載•小説
2025/11/10
同規格のはずに吊革てんでんに跳ねたり揺れたり それでいいのだ
ネイルの手のぬくもり残る吊革をあわててはなす罪でもないのに
目の前の吊革に美女ぶらさがり いえブラウスしか見えないんだけど
右手一本、吊革掴みグラグラと揺れても起きない酔っぱらい見事
男たちの体重のせてギュギュギュッと悲鳴をあげて吊革 終電
だまって掴み急ブレーキにはみな転び それでも倦まずに毎日乗って
組織せよ、その諦念を反乱に! なあんちゃって右手は吊革
いまだに通勤しているので、吊革にはなじみが深い。
素直に歌ってみた。最後の2首は、多少、反抗的な含みを持たせたつもり。
最後の歌は、かつてロシアにいた僕と似たような名前の男がアジった、「内乱を革命に」を下敷きにしたのだが、どこまで通じるか……
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