連載•小説 大阪ロマンボーズ その12 大阪ロマンボーイズが大阪で見たロマン③
大阪ロマンボーズ その12 大阪ロマンボーイズが大阪で見たロマン③
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2025/12/10

俺たち以外の出演者のリハーサルも順調に進んでいった。出演者全組のリハーサルが終わり、もう一度、全員がステージ上に呼ばれた。閉会式の段取りが説明されるようだ。その時に事件が起こった。

「皆さんの演奏が終わりますとゲストのCCBさんによるミニライブが行われます。ミニライブ中に皆さんは出演順に下手でスタンバイしておいて下さい。CCBさんがはけましたら舞台監督のキューで順番にステージに進んでください。そして、ザ・スナフキンの名前が呼ばれましたらメンバーの方は前方に出てハイヒールさんのインタビューに答えてください。その間にもう一度、バンドのセッティングを行いますので。ザ・スナフキンさん以外の皆さんは下手の方からセッティング中にはけてください。そのまま、御開きとさせて頂きます」

 なんと、本番前に優勝者が決まっていた。そして、結果発表の結果内容までリハーサルしてしまっている。俺たち、今日は何しに来たのだろう。酔っぱらっている藤原さんはこの衝撃的な事態に気が付いていないようだ。こんちゃんはいちいちスタッフの方の説明に大きく頷いている。こんちゃんは取り乱したりしない優等生である。俺は頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになっていた。他の出演者もびっくりした顔はしていたものの誰も文句を言わずに聞いていた。そして、本番は粛々と進行した。みんな大人だ。素晴らしい。俺たちの出番も難なく終えた。司会者とのやり取り以外は・・・。

りんごさん「なんで大阪ロマンボーイズなん?二人は神戸なんでしょ」

藤原さん「・・・多数決で決まったんでぇ」

モモコさん「多数決やったら神戸やろ」

藤原さん「こんちゃんがあとから入って来たから神戸は後出しですねん」

りんごさん、ももこさん「それでもあいこやん!」

藤原さん「やめてロマンティック、とめてロマンティック、胸が胸が苦しくなる(CCBの曲を小声で歌い出す)」

りんごさん、ももこさん「以上、大阪ロマンボーイズでしたぁ」

音楽コンテストにも大阪ロマンボーイズにもロマンを見出すことは出来なかった。ちなみにこの時の優勝者のザ・フナスキンは後にテレ東のイカ天に出演しジッタリンジンとしてデビューして「プレゼント」や「夏祭り」や「にちようび」でブレイクした。要するに誰も文句のつけようもない出来レースであったことは間違いない。出来レースであることはこの世の宿命だ。そんなことで文句を言っちゃいけないと教えられたような気がした。

(つづく、坂本雅彦)

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