連載•小説 藤吉郎・小一郎兄弟が歩む、血生臭い出世街道
藤吉郎・小一郎兄弟が歩む、血生臭い出世街道
連載•小説

2026/01/08

1月4日に始まった大河ドラマ『豊臣兄弟!』。初回では登場人物のパーソナリティと関係性を効率よくまとめていたが、敵の間者を斬って返り血を浴びる藤吉郎――恐らく大河史上初の‶秀吉の人斬り″シーンだろう――に象徴されるような、リアルで血生臭い出世街道の物語となりそうだ。

 

尾張という小国で家督争いを征した信長は、東の三河・遠江・駿河の三国(現静岡県・愛知県の一部)を領土とした今川義元を尾張国内の桶狭間で降して日本史デビュー(永禄3(1560)年)。さらに美濃(現岐阜県)の斉藤龍興を倒し(永禄10(1567)年)、室町幕府の15代将軍・足利義昭を奉じて上洛(永禄11(1568)年)する。

 

その信長の下で、藤吉郎は雑用や下働きを行う小者として配下入り。桶狭間では足軽として参戦し、美濃攻めの突破口となった墨俣での一夜城築城(史実か否か不明)と龍興の居城・稲葉山城攻略の功績を足掛かりにのし上がっていく。

 

決裂した足利義昭の号令に呼応した戦国大名や寺社勢力に「包囲網」を敷かれた信長は、その一角である朝倉義景と浅井長政の軍に挟撃されかける(元亀元(1570)年)。「金ヶ崎の退き口」として知られるその退却時に、藤吉郎が小一郎とともに危険な殿(しんがり)役を買って出たのはよく知られている。

 

こうした藤吉郎の躍進の傍らには、常に小一郎がいた。詳細は後述するが、兄をサポートしながら実戦経験を積んでいく小一郎もまた、自ら軍を率いる地位に上っていく。(つづく)

 

(西川修一)

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