連載•小説 好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.35 『中村南スポーツ交流センター その5』
好評連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.35 『中村南スポーツ交流センター その5』
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2025/08/06

 25mプールを泳いでいると、何か柔らかいものが俺の足に当たった。最初は気のせいだ
と思ったが、すぐにまた柔らかいものが当たった。確認したいが、水中で振り返るのは困
難だ。その時、俺は息継ぎで顔を上げると、監視員がこちらに向かって何か呼びかけてい
た。だが、水中と息継ぎの交互によって言葉がブツ切りにしか聞こない。分かるのは、監
視員が少し慌てているということだ。これは絶対、俺の足に何か当たっていることに関係
があるはずだ。一瞬、頭の中で「後ろに鮫がいます!」に聞こえた。区民プールにジョー
ズがいる訳はないが、そう聞こえたせいで、一気にゴールへ泳ぎ着いた。
陸にあがると、泳ぎが遅い方は後ろに人がつかえている時は先に譲って下さいとのことだ
った。ここは完泳コース。俺にはまだ早かった。まずはフリーコースで練習する為、移動
した。フリーコースにいる子供たちは、突然現れたおっさんの姿に、ジョーズを見たよう
な顔になった。

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