連載•小説 連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.74『ハットしてグー』
連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.74『ハットしてグー』
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2026/01/02

 ハットが欲しくてずっと探していた。元々、俺は帽子を被る習慣はないのだが、この先、髪が薄くなる前に被っておけば「ハゲ隠しじゃないよ」と言い訳できるだろうと早めに帽子キャラのイメージを計画した。そして、どうせなら年寄になっても自然なハットがよいのではないかと帽子屋へ行った。

ところが、困ったことに合うサイズがない。大抵が58。それ以上はキングサイズしかないのだ。この世にいる人の頭はそんなに極端なのか?58とキングの間にいる俺は宇宙人なのか?

そんな中、先日、浅草を歩いていると仏具屋の前にハットが売っていた。葬式用ハットなど聞いたことがないが、とりあえず被ってみたら、なんとピッタリだった。しかも三千円でグーな価格。『ハッとしてグー』となぜか急にトシちゃんの歌を思い出した俺は迷わずレジへ向かった。

帰り道、念願のハットを手に入れて被った俺は『抱きしめてトゥナイト』を浅草で踊ろうと思ったくらい嬉しかった。

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