連載•小説 連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.69『鼻芸』
連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.69『鼻芸』
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2025/12/10

今年48歳の俺は昔から鼻炎である。8歳の頃に耳鼻科へ行ってから40年の大ベテラン。当然、その辺の鼻炎持ちよりも技術があり、どんな紙でも、とても優雅にかむことができる。まさに、プロの鼻かみである。

そんな俺だが、本気で困っていることがある。それは、落語中に鼻が出てしまうのだ。さっとかめばよいかもしれないが、お客さんから見るといい気分ではない。

これまで様々な耳鼻科へ行ったが、喋ると鼻が出る病気は聞いたことがないと言われた。そして、レーザー治療するほどではないとも。

解決策がなく悩んでいるのだが、先日、凄い映像を観た。それは、名人の圓生が落語中に、ちり紙に痰を吐いたのだ。鼻よりもハードルが高い!しかし名人にかかれば演目の一部のように自然で不快感なく、見事な「痰芸」になっていた。

よし、俺も「鼻芸」だ!と思ったのだが、その前に名人級の落語の腕が必要だ。

本気で治したいので、誰か名医を紹介してほしいものだ。

 

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