連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.62『芸人の夢』
連載•小説
2025/11/16
昔は、といっても十年ほど前の話だが、芸人は売れたらやりたいことができる、という時代であった。
だが、令和の今、俺の憧れだった世界は、夢を叶え、夢を与えている人の足が引っ張られることが多い。ネットでは誰もが自分の考えを発信でき、それが驚異的に恐ろしいことに気付かない。
そんな現状の中、俺はこれからどう活動してゆけばよいのだろうか。
芸人が世を動かすのではなく、世が芸人を動かしている、いや、動かされているようだ。
これが永遠に続くとは思えないが、しばらくは、こっそりしていた方がいい時代なのかもしれない。そう、俺のようにこっそり活動している位が丁度いい。いや、まて!もうちょい目立ちたい!金が欲しい!モテたい!いいもの食いたい!古いフォークソングの叫びのようになってしまったが、そこまで贅沢は言わないが、せめて芸事だけで飯が食える位にはなりたいものだ。トホホ。俺はまだ世の中を恐れるレベルにも達してなかった。
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