連載•小説 連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.56『万博フィナーレ~その1』
連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.56『万博フィナーレ~その1』
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2025/10/26

母と万博の閉会式に行って来た。

と書こうと思っていたが、着いた時には終わっていた。

実は、俺と母は夕方からの入場券を取っており、閉会式が観られると思っていたのだが、実際には閉会式は昼間で終了し、ドローンショーで幕を閉じることになっていた。

しかし、そんな情報を全く知らない俺と母は、

「閉会式に行くんです~!」

と、数週間前からほうぼう、親戚、友人、知人、先祖の遺影、俺に至っては寄席の東洋館の客席にまで自慢していた。

そして当日、会場に向かう大正区の橋の上にて、スマホニュースで「閉会式終了。サプライズゲストに桜井翔」という事実を知って愕然となった。

「えー!」

俺は川にダイブしたい位恥ずかしかったが、母は笑って、

「まだ、会場に桜井くんがいるかもしれへんで!嵐、嵐、嵐~♪」

と盛り上がりはじめていた。

俺と母は、ウォーリーならぬ、『桜井くんをさがせ!』という新しい自慢の目的を見つけ、すぐに前向きになったのだった。

(つづく)

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