連載•小説 連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.54『半額につられて』
連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.54『半額につられて』
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2025/10/19

半額につられて、マグロの柵を買った。
だが、あれから二日、消費期限は過ぎている。焦る。一刻も早く食べれば解決するのだが、どうもその気が起こらない。そうなるように「消費期限切れマグロ柵の調理法」を調べればよいが、俺は48時間もマグロに悩んでいることに疲れてしまった。おい、なんなんだ俺の人生は!これほどまでマグロにふりまわされて生きていたら心が腐ってしまう。先に腐るのは、マグロか心か。
とっとと食え俺!ああ、この時間が、もう腐っている。
そういえば近所に野良猫がいて俺はよくエサをあげている。そうか、猫にプレゼントすればよいのだ。解決した俺はマグロをぶつ切りにして外へ出た。
いたいた!ニャアニャアと猫がやって来た。マグロをあげたが、新鮮ではなかったのか、一口も食わずにどこかへ行ってしまった。最近の猫は贅沢になったものだ。
結局、俺は家に帰って、ようやくマグロを食べた。半額につられて二日間いらぬ苦労をした。

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