連載•小説 大好評連載 椎野礼仁の『TANKA de 爺さん』   第6回
大好評連載 椎野礼仁の『TANKA de 爺さん』   第6回
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2025/05/05

母 その2

 

留置所

「あなたの好きなお肉を焼いておくからね まっすぐ帰って来て頂戴」

タクシーは遠いところで降りたっけ 留置所帰りの俺と母親

 

 この二首は、前回にも掲出。意味は通りやすいと思うが、どうでしょう。

 一首目は、警察に面会に来た母親の言葉をそのまま書いた。この時点では食べ物で釣ってただけだが、実際は二首目のように、警察から釈放されたら入り口で母が待っていて、すぐタクシーに載せられ、大田区から府中までロングドライブになった。

 留置場とは、逮捕された時に入れられる警察の中の施設。ブタ箱なんて俗称もある。留置所は逮捕されただけで、まだ起訴されてない。起訴されると検察の管轄になって「拘置所」に収容される場合が多い(全国に8か所)。「東京拘置所」は今は小菅(足立区)にあるが、戦後は今の池袋サンシャインの場所にあった。その頃は巣鴨プリズンと呼ばれていた。同じ場所なのに刑務所の時は巣鴨で、商業施設になったら池袋となる。なんだかなぁ。

 拘置所に入れられてるのは裁判中の被告なので、有罪か無罪か決まってない。裁判で有罪、そして執行猶予で保釈されない限り、「刑務所」送りとなる。下獄といい、落ちるともいう(何の原稿だかわからなくなった)。

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