政治•経済 高市・李会談の脆弱性:保守と反日の間にある「未来志向」の砂上の楼閣
高市・李会談の脆弱性:保守と反日の間にある「未来志向」の砂上の楼閣
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2025/11/08

10月30日に実現した高市早苗首相と李在明大統領による日韓首脳会談は、両国関係を「未来志向で安定的に発展させていく」ことで一致し、「シャトル外交」の継続を確認するなど、表面上は極めて良好なスタートを切ったように見える。しかし、その実態は、両首脳の政治的背景と過去の言動から、極めて脆弱な関係の上に成り立っていると言わざるを得ない。

高市首相は、日本の保守派の論客として知られ、歴史認識や安全保障に関する発言は、韓国世論からたびたび強い警戒感を持たれてきた経緯がある。特に、靖国神社への参拝姿勢など、日本の戦後レジームからの脱却を志向する保守的な言動は、韓国では歴史修正主義として受け取られがちである。

一方、李大統領は、文在寅前政権の「親北・反日」路線を継承する勢力の中心人物であり、かつては日本の植民地支配や歴史問題について厳しい批判を展開してきた反日の急先鋒とも評されてきた。李氏の過去の発言や政策提言には、強硬な対日姿勢が散見され、その本質的な対日観が短期間で軟化したとは考えにくい。

今回の日韓首脳会談で良好な関係が演出された背景には、地政学的な緊迫感と内政上の必要性がある。北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威が高まるなか、日米韓の安全保障協力を維持・強化する必要性は、両国にとって共通の喫緊の課題である。この戦略環境の変化が、互いの思想的・歴史的対立を一旦棚上げし、未来志向の協力という大義名分の下で協調する動機を生み出している。また、高市首相にとっては政権発足直後の外交的な得点を稼ぎたい思惑があり、李大統領にとっても、停滞する国内経済や支持率回復のため、外交を通じて安定感をアピールしたい狙いがある。つまり、今回の会談は、両首脳の「一時的な利害の一致」によるものであり、本質的な相互理解に基づくものではない可能性が高い。

日韓関係の根底にある歴史問題、特に元徴用工や元慰安婦の問題は、依然として未解決の懸案として横たわっている。日本の保守派の象徴ともいえる高市氏と、かつての反日的な言動で知られる李氏が、これらのデリケートな問題に対して具体的な妥協点を見出すことは、極めて困難である。李大統領が国内の強硬派の支持を得るためには、日本の「誠意ある措置」を強く求めざるを得ない局面が必ず来る。その時、高市首相が保守派としての自らの基盤を崩してまで譲歩することは考えにくい。

結論として、高市首相と李大統領による良好な日韓関係の合意は、国際情勢の要請という外的要因と、両首脳の内政上の必要性によってのみ支えられている。根本的な思想の対立を抱える両者が築く関係は、政治的な思惑や歴史問題に関する些細な出来事一つで容易に崩壊しうる、極めて脆弱なものであると言える。日韓関係の真の安定には、表面的な外交以上の、両国の国民感情と歴史認識の深い溝を埋める真の対話が必要である。

(ジョワキン)

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