政治•経済 中国にとって台湾有事は自衛権行使を意味する
中国にとって台湾有事は自衛権行使を意味する
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2025/12/09

近年の東アジア情勢において、台湾を巡る軍事的な緊張の高まりは、日本にとって極めて深刻な安全保障上の脅威となっている。特に、高市首相による「台湾有事は日本の存立危機事態」とする認識は、中国の強い反発を招き、日中関係の冷却化を決定的なものにしている。この「存立危機事態」という認定が持つ意味は、極めて重い。日本の安全保障関連法制に基づけば、この認定がなされた場合、自衛隊は集団的自衛権を行使し、密接な関係にある米軍への後方支援やその他の協力活動を行う法的根拠を得るからである。

しかしながら、この日本の行動こそが、中国に「自衛権行使の前提」を与えることになるという、看過し得ない重大な事実が存在する。中国の基本的な立場は一貫しており、台湾は歴史的、法的に不可分な自国領土である。したがって、台湾に対するいかなる軍事行動も、あくまで「国家の統一を達成するための国内問題」であり、「外部勢力の干渉を排除する自国の主権行使」であると主張している。

この論理を適用すれば、台湾有事の際に自衛隊が米軍に対して、燃料補給、弾薬提供、あるいは護衛といった支援活動を行った瞬間、中国から見れば、それは「外部勢力による武力介入」と解釈されることになる。中国の主権と国家の安全を脅かす敵対行為と見なされることは不可避である。国際法上の建前、そして国家の安全保障に関する中国の絶対的な主張に照らし、自衛隊による米軍支援は、中国の核心的利益を侵害するものとして扱われる。その結果、中国は自国の主権と領土の一体性を守るため、国際法上の「正当な自衛権の行使」という名目の下、介入してきた日本の軍事力を無力化する報復措置を講じることになる。

攻撃の第一の標的となるのは、当然ながら自衛隊と米軍が一体となって活動する拠点である。在日米軍が集中する沖縄県の基地群は、即座に攻撃の対象となるであろう。さらに、この軍事支援活動の生命線である主要な港湾施設や航空基地、そして自衛隊の中枢たる指揮・統制機能を持つ施設も、攻撃リストに組み込まれるのは確実である。

中国側が攻撃対象を限定するという保証はどこにもない。もし日本が本格的な軍事的な関与を深めたと判断されれば、その報復攻撃の範囲は、もはや沖縄という地理的な制約を超越し、日本本土全域へと拡大する危険性をはらんでいるのである。これは、中国の国家安全保障を守るための「防衛的措置」として、極めて冷徹に遂行されることになる。

日本が「存立危機事態」として集団的自衛権を行使することは、即ち中国に対する本格的な軍事的な敵対行為への参入を意味する。それは、日本の安全そのものを、かつてないほどの危険に晒す、極めて重大な外交・軍事判断となることを、我々は認識すべきである

(ジョワキン)

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