政治•経済 存立危機事態なんて存在しない!
存立危機事態なんて存在しない!
政治•経済

2025/12/18

 高市早苗総理の一連の発言に対する習近平政権の反応で、日中の対立が激化しているように見える。

 だが、日中間に深刻な利害の対立など本来なかったのだ。前政権の石破政権の時は、全く何の問題も起きていないし、中国側も石破政権を評価していた。従って、これは高市総理のパーソナリティーが引き起こしている不必要な摩擦と言えよう。

 もともとアメリカのトランプ政権の無茶な関税政策で、日中を含めてアジア諸国には連携する機運があった。

ところが、高市総理の台湾有事・存立危機答弁が全てをぶち壊した。平和な関係を維持するには努力が必要だが、壊すのは比較的容易なのだ。

台湾有事など作られた幻想に過ぎない。テレビのコメンテーターとして出演する元自衛隊OBには、元同僚や先輩・後輩が、軍事関連企業の顧問になっていたり、再就職している。彼らは、軍事産業のスポークスマンと見るべきだ。

ある元自衛隊OBは、台湾海峡やバシー海峡(台湾とフィリピン間)が封鎖されたら、中東の石油・天然ガスが輸入できなくなり、日本の生命線は絶たれると言っていた。世界地図をみればわかるが、日本からはフィリピンの東側を通ってもペルシャ湾に行けるし、太平洋を東進してパナマ運河や南アメリカの南端を通ることだってできる。

専門家でさえ、このレベルだから、他は推して知るべしなのだ。

 

 西側諸国と中国には、武力による現状変更をしない限り、西側諸国は一つの中国を尊重して台湾独立を支持しない。中国も、西側が台湾独立を企てない限り、平和統一を目指すという暗黙の了解があった。

 ところが、高市総理の国会答弁は、中国が武力で台湾を併合することを前提に発言したから、中国が怒ったのだ。

 問題となった国会答弁で「中国政府が『江八点』(1995年1月30日に江沢民が台湾問題の平和的統一に向けて発表した8つの政策提案)や、『習五項目』(2019年1月2日に発表された習近平の五項目からなる包括的対台湾政策)が示した従来の方針に則り、平和統一を目指す限り、政府は、台湾独立を支持しないし、存立危機事態など起きません」とでも言っておけば、問題にはならないし、武力による現状変更は認められないとのメッセージも伝わった。モノは言いようであり、政治家、特に一国の指導者は、言葉選びが大切だ。

 ところが、高市総理の周囲には、台湾独立支持者がいる。また中国との対決を望んでいるかのごとき右派も多い。だが、彼らとて戦争の覚悟があるわけではない。アメリカ頼みなのだ。ナチスドイツの勝利を前提に戦略を立てていた戦前の軍国主義者と変わらない徒輩だと言えよう。

 

 外務官僚は戦々恐々としている。高市総理が台湾独立の可能性や、国家承認について国会答弁や記者会見で、うっかり言及したりしないだろうか、とハラハラしている。高市総理だって、そこまでアホではないと思いたいが、何しろ受け狙いの発言が多い人物なので油断がならない。

 

 それに台湾有事は、もはや高市総理個人の資質の問題でなくなりつつある。中国政府が対日批判をトーンダウンしたのも、この懸念があったからだ。

(青山みつお)

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            

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