政治•経済 北朝鮮、遅咲きの「3高ブーム」
北朝鮮、遅咲きの「3高ブーム」
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2025/08/14

6月24日、北朝鮮の金正恩総書記は、国家を挙げての大プロジェクト元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区の竣工式に出席した。

「この竣工式には、公式の場に1年半ぶりに姿を現した正恩氏の妻・李雪主(リ・ソルジュ)氏と正恩氏の娘で、金主愛(キム・ジュエ)と呼ばれる若い女性がいたのですが、驚いたのは主愛氏の身長でした。白のツーピースにヒールのサンダルを履いた彼女は、身長約170㌢と推定されている正恩氏と並ぶとほぼ同じか、やや高いぐらい。主愛氏は2022年11月に北朝鮮メディアに初めて登場した際は、正恩氏の肩ぐらいまでの身長しかありませんでした。それが、たった2年半の間に20㌢ほども伸びたのです。この主愛氏の高身長が、現在北朝鮮社会にある神話をもたらしているのです」(北朝鮮ウオッチャー)

 主愛氏は2013年生まれで、年齢は13歳前後と推定される。北朝鮮の20代の女性でも平均身長は154㌢程度とされるから、主愛氏は平均を大きく上回っている。

「主愛氏の父親や祖父の正日氏は身長が高くないので、母方の遺伝かもしれませんが、庶民とは異なる『特別な存在』の証であり、高い教養と特権がもたらす高収入の象徴であることを示しています。ですから主愛氏の影響を受け、庶民の間で、“背が高くなる薬”への関心が急上昇しているのです。韓国製の栄養剤『テンテン』が闇で高値で取引される一方、国内生産品である“成長促進薬”も登場し、子どもの身体能力向上をめぐる競争が党幹部や富裕層の間で加速しているのです」(同)

こうした現象の背景には北朝鮮社会でも少子化が進み、一人っ子家庭が多くなっている現状がある。高位層の親たちの関心は、子どもに高身長や高学歴を身に付けさせ、社会で上昇気流に乗せることに熱中しているのだ。

 だが、いまだに食糧不足問題を抱える北朝鮮で、こうした高価な栄養剤は一部の特権層が主で一般庶民には高嶺の花だ。主愛氏の映像が流れるたびに反感を覚える北朝鮮住民も少なくないにちがいない。

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