政治•経済 NASAから大量の職員逃げ出し。トランプ政権下で先が見えない宇宙開発
NASAから大量の職員逃げ出し。トランプ政権下で先が見えない宇宙開発
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2025/08/06

 

 吹き荒れるトランプ・ストームで日本との相互関税は15%で落ち着いたが、次はいつ防衛予算の嵩上げを要求してくるやもしれず、トランプの言行が相変わらず台風の目であることには変わらない。そしてアメリカ国内では、「大きく美しい1つの法案」とトランプが自画自賛する減税案を先日成立させたが、そこに至るには様々な予算が削減され、国の未来を怪しいものにしている。「宇宙」もその1つだ。

「7月3日に可決された大型減税法案では、NASAに約100億ドル(約1兆4500億円)が充てられていますが、トランプ政権では来年度予算は24%を削減するとしていて、有人月探査の『アルテミス計画』や国際宇宙ステーション(ISS)の運用に陰を落とすのではないかと見られています。それと同時に、やはりトランプ政権が押し進める連邦政府職員削減で、NASA全体の約2割りに相当する4000人近い職員が、早期希望退職の求めに応じたとされています」(外報部記者)

 もっともアメリカではかつてのような国主導の宇宙開発からは手を引き、民間活力を導入。イーロン・マスクのスペースⅩなどが盛んに宇宙船の打ち上げを行い、成功していることは、実験映像で広く知られているところ。だが民間は所詮は営利目的で、パイオニアたるべき分野はやはり国が先行しないと開拓は遅れる。だが自らの手柄を誇示して政権維持を図ることしか頭の中にないトランプ政権下では、そんなことはおかまいなし。そこで太陽系の惑星探査の行く末が、現在、心配されているという。

 

冥王星探査も危機に直面

 

「NASAは06年に惑星探査機のニュー・ホライズンを打ち上げ、ちょうど10年前の15年7月には冥王星にまで達しましたが、トランプ政権の予算案では、このエンジンもストップしようというものでした。結局は上下両院が反対したため、前年度と同等の100億ドルの予算が確保されましたが、果たしてどうなるか。アルテミス計画はもたらされるであろう成果が目に見えて分かりやすい一方、冥王星や太陽系外縁となれば、トランプのおつむでは想像だにつかないでしょうから、エンジン停止はいったん先延ばしにされただけで、危機は去ったわけではありません」(同)

 インターネットが軍事技術から生まれたという話はあまりに有名。そうした利害を度外視した科学的挑戦が失われれば、あっという間に中国に追い抜かれかねないのだが、先のことなどおかまいなしのトランプにはなかなか聞き入れられないだろう。

 

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