政治•経済 警察官僚へのアメリカの憤懣を、軽視してはいけない
警察官僚へのアメリカの憤懣を、軽視してはいけない
政治•経済

2025/12/08

 共同通信社が、米国と英国が10月に制裁を科し、アメリカ合衆国司法省(連邦検察)が刑事訴追をしたカンボジア国籍の中国人チェン・ジー(陳志)会長(38)が率いる華人系企業『プリンス・ホールディング・グループ』が、国内で活動していると報道した。 

とりわけ安藤隆春元警察長官(理事)や高村正彦元衆議院議員(名誉会長)らが名を連ねる『日本カンボジア協会』と、プリンスグループの関係に焦点があてられた内容だった。プリンスグループは、オンライン詐欺や資金洗浄、人身売買や臓器売買まで、多岐にわたる犯罪に関わっているとされる中国系マフィアであり、永田町の議員会館で、しばしば講習会を開く『日本カンボジア協会』と深い関係があったことは、意外に思われたはずである。

https://news.jp/i/1364162597930893443?c=39546741839462401#

 

 共同通信社が、中国系マフィアの日本国内における活動を報道するまでには伏線があった。今年5月に、カンボジアで特殊詐欺拠点に拘束されていた日本人が、カンボジア当局によって保護された事件を覚えておられるだろうか。同事件に対する日本の警察の動きが鈍かったのである。帰国した日本人たちを特殊詐欺に関わっていたというので、逮捕しただけで幕引きにしようとした。

国内における中国系マフィアの活動に対する捜査には及び腰だったのだ。

 

アメリカ政府が、中国系犯罪組織への摘発に躍起なのは、米国内の麻薬禍が理由だ。アメリカでは、年間8万人以上が薬物の過剰摂取で死亡。特にオピオイド系鎮痛剤の一つであるフェンニンタルだけで年間7万人のアメリカ人が死んでおり、年間4万人の交通事故死や銃による死亡事故よりも多い。

特にフェンニンタルによる死亡者には、医者に処方して貰いやすい白人系の若者が多いと言われる。

 

トランプ政権は、現代のアヘン戦争と位置づけており、大統領就任直後から麻薬の通過国のメキシコやカナダを関税で脅し、とりわけ原料供給国の中国に対しては、厳しい措置を取ろうとしたが、習近平からレアアースで反撃され、いったんは引っ込めている。

 6月25日には、日本経済新聞が「米国へのフェンタニル密輸、日本経由か―中国組織が名古屋に拠点」という記事を掲載している。

ジョージ・グラス駐日米国大使が、6月26日、7月7日、8月22日と、たて続けに日本経由のフェンタニルの原料の米国への密輸取り締まりに対し、日本側の協力を呼びかける投稿をXに行ったのには、この問題に対する関心の高さと、日本の捜査当局の動きの鈍さに対する不満があったからと言われる。

トランプ大統領とグラス駐日米大使

 

筆者は、月刊タイムスオンラインに、『日本発祥の特殊詐欺と警察の裏金問題』を8月28日に投稿した。警察組織が特殊詐欺グループを、裏ガネ作りに利用してきたという内容の記事である。

https://timessha.jp/society-incident/tokusyusagi250828/

それ故、今回のプリンスグループと、日本カンボジア協会に関する報道には、アメリカ政府の日本の警察に対する怒りが背景にある、と言えるのではないか。

(高田欽一)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

TIMES

政治•経済