政治•経済 イランへの攻撃でダメージを受けた中国の切り口とトランプ大統領のジレンマ
イランへの攻撃でダメージを受けた中国の切り口とトランプ大統領のジレンマ
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2026/03/28

 ベネズエラのマドゥロ大統領夫妻がアメリカの特殊部隊による攻撃によって逮捕された。このことによってダメージを受けたのは中国である。なぜなら中国との関係が良好で、石油の供給拠点でもあったからだ。このマドゥロ大統領の逮捕劇により、ベネズエラの石油供給利権がアメリカに移行していった。中国がアメリカの許可を得る立場に転落。中国とベネズエラは数十年にわたって緊密な関係を維持してきていたが、一瞬にして崩れ去った。

 さらに事態が悪化したのが、イランへのアメリカーイスラエルの軍事作戦だ。中国は、アメリカに次ぐ世界第2位の石油消費国で、その1日あたりの消費量は推定1500万~1600万バレルだと言われている。湾岸諸国は中国にとって、石油の主要な輸入元だ。サウジアラビアとイランからの石油は、それぞれ中国の輸入量の1割超を占めている。ベネズエラとイランという友好国を失っている現状は非常に厳しい。

 しかし、ここでホルムズ海峡封鎖に出たイランの政策が思いもかけぬ方向に来ている。なんとイラン政府は中東以外の8カ国との間で、中国人民元で取引される石油の安全なホルムズ海峡通過を認めるイランの提案について協議していることが判明。つまり石油と交換するのが米ドルだったのを人民元に変えるというのだ。こうなってくると米ドルが暴落し、人民元が安定することになる。中国はこれまで新しいデジタル通貨の開発に資金を投入し、デジタル人民元をつくってきた。ここにきて通貨をめぐる利権争いで中国に有利に働く可能性が出てきたのである。

トランプ大統領は3月23日のSNSで、アメリカとイランが2日間にわたって対話したと投稿。イランの発電所やエネルギーインフラへの攻撃を5日間延期するよう指示したと明かした。エプスタイン文書に引き続き、トランプ大統領の窮地はまだ続いているのが現状だ。(早見慶子)

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