国境の守りと空白の地:外国人による土地取得と離島国有化の急務
2026/03/31
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『万博会場は夢洲なのに万博記念公園に行く人』 万博の会場を『万博記念公園』と勘違いする人が多く、公園まで行ってしまう人がいるニュースを聞いた。 今回は『夢洲』という駅にあるのだが、なぜ間違いが起こるのか疑問に思って乗り換え検索を見たら、俺はあることに気付いた。それは『夢洲』の名を忘れた場合『万博』で検索すると公園が出て来るのだ。ぼんやりしていたらこのルートだと思い込む可能性はある。 また紛らわしいのは、茨城の『万博記念公園』もヒットする為、もっとぼんやりしている人はそっちに行ってしまうかもしれない。 ちなみに「夢洲駅から万博」で検索すると、夢洲から記念公園のルートが表示される為、結局、公園に行ってしまう!恐ろしいゲームのような展開が待っている。
2025.05.20
悪いジョーク?同性愛行為を死刑とする国UAEの首都に7番目のディズニー・テーマパークを造るとは (写真 アブダビ市のスカイライン Wikipediaより) ウォルト・ディズニー・カンパニー(以下:ディズニー)は、7番目のテーマパーク・リゾートをアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビに建設すると発表した。いつオープンするかは発表されていないが、ディズニーは現在、アナハイム、オーランド、パリ、東京、香港、上海に6つのテーマパークを展開している。このテーマパークは、アブダビを拠点とする開発会社ミラールによって建設・運営される。これは悪いジョークとしか思えない。よく言ってダブルスタンダードだ。ディズニーは世界でも特にジェンダー・イデオロギーやLGBTQに迎合する企業だが、UAEは、同性愛行為を死刑とする国である。 UAEでは、男女を含む「他人との不自然な性行為」を禁止する法律により、同性間の性行為を禁じている。性的少数派を支援する英慈善団体「ヒューマン・ディグニティー・トラスト(HDT)」によれば、この法律により最高で14年の刑罰が科されるが、シャリア(イスラム法)で裁かれると死刑もありうる。2022年には、UAEのメディア規制局がレズビアンのキャラクター2人がキスをするディズニーとピクサーのアニメ映画「ライトイヤー」を上映禁止にしたことがある。ディズニーは22年にフロリダ州で可決された「教育における親の権利」法案をめぐって、保守派のロン・デサンティス知事を訴えたことがある。この法案は「ゲイと言ってはいけない」法案と批判され、幼稚園から小学3年生までの子供への性自認と性的指向に関する指導を禁止するというものだった。保守系サイトは、「デサンティスを悪者扱いしたディズニーが、“ゲイと言ってはいけない”アブダビにパークを建設予定」と、都合のいいときだけ進歩的なアジェンダを推進する一方で、カネのためには、他の場所で価値観を変えるディズニーのブルスタンダードにダメ出しをした。ディズニーのプレスリリースは、≪このウォーターフロント・リゾートは、エンターテインメントとレジャーの世界的な目的地であるヤス島に位置し、中東、アフリカ、インド、アジア、欧州など世界各地からの旅行者をつなぐ。この7つ目のディズニー・テーマパーク・リゾートで、ディズニーの象徴的なストーリー、キャラクター、アトラクションは、アブダビの活気ある文化、素晴らしい海岸線、息をのむような建築物と融合される≫としている。 これに対し、ディズニーのファンサイト「インサイド・ザ・マジック」は、LGBTQだけでなくユダヤ人観光客のセキュリティーについても懸念を示した。昨年就任したディズニーのボブ・アイガーCEOは、政治から手を引くことを誓ったが、同社はその後もテーマパークでLGBTQのイベント「プライド・ナイト」を開催し続け、ヒューマン・ライツ・キャンペーン(米LGBTQのアドボカシー・グループ)の企業平等指数では満点を獲得している。
2025.05.20
ああ、中日ドラゴンズ、まさかまさかの歴代「弱小球団」になってしまったか(涙) (写真 高橋ユニオンズのユニフォーム タマリスポーツHPより) プロ野球ファンの間でよく話題に上るのは「史上最弱のチームはどこか?」だ。1936年のプロ野球創設以来から見ると、創設年の「大東京軍」は0勝13敗1分で1勝もできなかった。とはいえ当時は2シーズン制で試合数が少なかったから参考にはならない。1シーズン制になってからの最低勝率は、1958年の「近鉄パールス」で、130試合29勝97敗4分、率.238だった。しかし野球史研究家の間で「史上最弱ではないか」と言われているのが、1954年から56年までの3年間パ・リーグに存在した「高橋ユニオンズ」だ。 その戦績は以下の通りだ(カッコ内は監督) 1954年:140試53勝84敗3分 率.387 6位(浜崎真二) 1955年:141試42勝98敗1分 率.300 8位(浜崎真二→笠原和夫) 1956年:154試52勝98敗4分 率.351 8位(笠原和夫) そもそも「高橋」とは人名だ。高橋龍太郎(1875~1967年)というオーナーがポケットマネーで運営した。高橋はビール王とも言われる財界人である。プロ野球にもいろいろな運営形態があるが「個人運営」の球団は「高橋」だけだ。1957年、高橋ユニオンズは、形式上は大映スターズと合併し、大映ユニオンズとなったが、翌1958年には毎日オリオンズと合併して毎日大映オリオンズ(略称:大毎オリオンズ)となる。大毎オリオンズのオーナーは、映画王、永田ラッパで有名な永田雅一だったが、本業の映画会社大映が経営難となり、ロッテに譲渡されロッテオリオンズとなる。今の千葉ロッテマリーンズだ。つまり高橋ユニオンズは、千葉ロッテの「傍系の先祖」の一つということになる。 高橋の3割台の勝率に並ぶのが、横浜ベイスターズだ(カッコ内は監督) 2010年:144試48勝95敗 率.336 6位(尾花高夫) 2011年:144試47勝86敗 率.353 6位(尾花高夫) 2012年:144試46勝85敗 率.351 6位(中畑清) これがいわゆる「横浜ベイ暗黒時代」だ。 対する中日ドラゴンズの戦績は以下の通りだ 2022年:143試66勝75敗 率.468 6位(立浪和義) 2023年:143試56勝82敗 率.406 6位(立浪和義) 2024年:143試60勝75敗 率.444 6位(立浪和義) 高橋や横浜よりは勝率はマシだが、ベイスターズは昨年日本一になった。中日の場合03年(山田久志監督)から常勝・落合博満監督時代(04年~11年)を挟んで12年(高木守道監督)までAクラスの常連だった。が、一転13年からクライマックスシリーズのなかった20年(3位:与田剛監督)を除いて24年までオールBクラス。そして立浪政権時代の3年連続最下位は、球団記録となった。5月11日時点のチーム打撃成績は打率210で12球団中11位、本塁打11本は横浜と並び最下位、平均得点は2.03とこれも最下位だ。投手は0点に抑えても引き分け、1点に抑えても1-0で負ける。11日まで48イニング適時打なしだ。守護神マルチネス投手は「優勝したい」と昨年巨人に移籍。地元出身の福谷浩司(慶応大出身)は、球団にビジョンは?と問い質したところ「明確な答えがなかった」ことに呆れ、昨年FA権を行使し日ハムに移籍した。井上一樹新監督になった今季も、長年の悩みの種となっている得点力不足に喘いでいる。
2025.05.20
勢いづく蔦重は1783(天明3)年、日本橋通油町(現・日本橋大伝馬町)の地本問屋の建物を買い取って吉原の店舗は残しつつ新たな拠点とした。当時34歳。日本橋は江戸と地方をつなぐ物流の中心地であり、それゆえ老舗版元が軒を連ねる場所でもあった。 天明期の当時、江戸で大流行していたのが「狂歌」だった。いわば短歌のパロディであり、俳句に対する川柳に近い存在。黄表紙、洒落本という一般庶民向けの書物との類似性もあって、蔦重はここを新たな出版の市場として開拓してゆく。 その狂歌のキーマンが大田南畝だった。江戸中・後期を代表する文人・狂歌師・戯作者・学者。すでに触れた出版物の格付け『菊寿草』の評者の中心人物であり、実は幕府の官僚でもあった。もっとも年齢は蔦重の1つ上。大河『べらぼう』では桐谷健太が演じる。 19歳で平賀源内の本にインスパイアされた狂詩(漢詩の‶パロディ″)集『寝惚先生文集』を出す早熟ぶり。20歳で「四方(よも)連」という狂歌のサークルを立ち上げている。 流行に後れまいとする人々の間に狂歌は爆発的に広まった。そのブームの高まりとともに、この「連」は南畝のそれに限らず江戸のあちこちで立ち上がった。 いずれも武士や町人、作家、絵師、落語家、本屋など身分や職業の貴賤に関係なく、適当な狂名を名乗って「連」に集まり、テーマを決めて狂歌を詠む「題詠」や、即興で詠む「付け句」などを楽しんだ。酒も入るし、重い思いのコスプレ姿で行った絵画や記録も残っている。平安貴族の歌会の生真面目さとは程遠かったのは、言うまでもない。 蔦重はこの狂歌ブームを、どうビジネスに繋げていったのか。(つづく)
2025.05.19
カネが尽きたウクライナ、戦争している場合じゃなくなっているぞ! (写真 ウクライナ セルゲイ・マルチェンコ大蔵大臣(右) 財務省HPより) 日本が4月にウクライナに貸し付けた30億ドルが溶解するかもしれない。5月8日、ウクライナのセルゲイ・マルチェンコ大蔵大臣は、「今後30年以内に外国の債権者に我々が借りたお金を返済することはできないだろう。ウクライナの債務は3年で倍増となりGDPの100%に迫っている」と述べた。借金を踏み倒す気満々である。ウクライナは米国、EU(欧州連合)、その他の援助国から数十億ドル規模の軍事支援、財政支援、人道支援、融資を受けている。キエフの国家債務は7兆1000億フリヴニャ(1710億ドル)に迫り、債務履行能力への懸念が高まっていた。2024年の8月30日には、米格付け大手S&Pグローバル・レーティングが、ウクライナの外貨建て信用格付けについて、部分的なデフォルト(債務不履行)に当たる「選択的デフォルト(SD)」を据え置いているが、ロシアの侵略前までウクライナの対GDP債務比率は55%だった。西側のロシア制裁により凍結中のロシア中央銀行の資産から得られる利息がウクライナの債務返済に充てられている。ロシアはこの西側の身勝手な措置を「窃盗」とし、必ず報復すると警告している。 ところで債務を対GDP比較で指標とするのは、実態を示すインデックスとは言えないのではないか。たとえば日本の公的債務は1300兆円を超えるが、国民の金融資産は2000兆円である。これが無言の担保であり、日本はまだ借金しても大丈夫という根拠になっている。アメリカは赤字国債が36兆ドルで、ビル・ゲーツ1人だけの資産が2000億ドル。同氏は、これから20年で、この全資産を慈善事業に寄付すると言明している。このように大富豪の資産が担保と考えれば、アメリカの債務もそれほど深刻な問題ではないという見方も成り立つ。 だがウクライナには勤勉な日本人もいなければ、ビル・ゲーツもいない。カネがなくては戦争に勝てない。
2025.05.19
五郎丸(2015年ラグビーワールドカップ日本代表)その1 クルリクルリ手の中で感触確かめてボールを立てる 静寂の中 球を立て数歩下がって身を低く ラグビー場は息を止める 満場の視線をすべて従えて キッカーすでに哲学者の顔 いつも通り球の軌跡をイメージせよ 男ひとつの視線となって 男たちの希求をのせて楕円球 ポストを越えてどこまでも行け 幾万の視線一斉に突き刺さる レフリーの右手高々と上がる この連載の3、4回目で少し触れたように、高校時代はラグビー部だった。五郎丸は2015年のラグビーワールドカップで、ゴールキックを狙う時の独特の “ルーティン”が人気になった。そこで詠んでみた。ラグビーを知らない人でも、なんとか男の緊張が伝わってほしい。 これらの一連の歌は、自分では悪くないと思っていたが、ある歌人のラグビーの歌に出会って、打ちのめされた。彼我の才能の差を嫌というほど見せつけられた。 その歌と歌人(T)の話は、紙幅が尽きたので、来週に。
2025.05.19
野球評論家の佐野慈紀氏が巨人・秋広優人内野手、大江竜聖投手とソフトバンク・砂川リチャード内野手の2対1交換トレードについて語った。 秋広とリチャードはともに一発のある〝大型ロマン砲〟野手として期待されていたが、両チームの首脳陣が望む成績を出せずに低迷していた。 佐野氏は「びっくりしたけどやっぱりですよ」と切り出し、秋広については「おそらく阿部監督が秋広に求めていたイメージはかつての駒田さん。左の長身野手で、一発もあり、広角にも打てるタイプです。ただ、本人は器用貧乏というか、ボールに対して合わせにいってる部分があるので投手からすると、怖さがないんですよ」と指摘。リチャードについては「若いというのか、性格的なものなんですかね。打棒も荒い部分がある。それが悪いほうに出てしまったかのかな」と話した。 電撃トレードについては「あまりにも急でしたね。まだまだ両選手とものびしろはあった。ただ、巨人は岡本選手がけがをしてしまったということもあり、一発のある内野手の補強は急務でした。トレードは一気にまとまったと思います」と推測した。 最後には「環境が変わることでチャンスになると思います。リチャード選手も移籍を口にしたこともありましたから、両選手の奮起に期待したいですね」とエールを送った。
2025.05.18
同性婚を認めない民法と戸籍法の規定が憲法違反だとして、複数の同性婚カップルが国に損害賠償を求めた訴訟を巡り、東京や福岡など5つの高裁がそろって「違憲」の判決を出している。いずれの高裁も請求自体は棄却したものの、同性カップルが被る社会保障上などの不利益は看過できないとの判断を示した形だ。最高裁が今後どういった見解を示すのかに注目が集まる。 同性婚については、2019年以降、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5地裁に計6件の訴訟が起こされた。1審の各地裁判決は合憲1件、違憲状態3件、違憲2件と判断が分かれたが、2024年3月~25年3月にあった5件の高裁判決は、すべて違憲と結論付けた。東京高裁ではまだ1件の審理が継続中だ。 各高裁が現行法上の規定を巡って問題視したのは、同性カップルが受ける不利益で、法律婚ではない場合は社会生活上の制度保障がない点などについてだ。具体的な高裁判決の指摘内容は、「異性カップルと比べ、差別的な取り扱いだ」(福岡高裁)、「アイデンティティーの喪失感も招き、個人の尊厳をなす人格が損なわれる事態になっている」(札幌高裁)などで、いずれの高裁もこうした不利益について言及した。 一方で、国が同性婚を認める立法措置を講じていない点は違法とまでは言えないとして、「違憲」との判断にとどめ、原告側の賠償請求を棄却した。ただ、いずれの原告も上告しているため、最高裁がさらに踏み込んで「違憲」と判断すれば、国会は同性婚を認めるための法制度設計に向けた具体的な検討を迫られる可能性が高い。最高裁の統一判断は、係争中の東京高裁の判決も踏まえ、来年中には出る見通しだ。 だが、日本において同性カップルの法的保護に関する議論が深まっているとは言い難い。最高裁の今崎幸彦長官も5月3日の憲法記念日を前にした記者会見で同性婚などについて、「背景にある社会の実態への理解が欠かせない。裁判官には自立的に識見を高めることが求められる」と述べるにとどまっており、最高裁は慎重に判断するとみられる。家族のあり方に関する重要な問題だけに、社会全体で広く考える必要がある。
2025.05.18
違法なオンラインカジノに手を染めたとして、プロ野球巨人のオコエ瑠偉選手(27)と増田大輝選手(31)が賭博容疑で警視庁から書類送検された。いずれも行為時には違法性を認識しておらず、警視庁に自首したとして送検時は起訴を求める意見を付けられなかったが、2選手の容疑は巨人軍が自主的に公表したわけではなく、各報道機関が警視庁からの「リーク」をきっかけに報じたことで明らかになった。読売の対応は適切だったのか。 ◆山口オーナーが判断!?危機管理対応に疑問 「今回は形式犯とはいえ、賭博という重大な違法行為に手を染めたケースで、球団自ら選手名も含めて公表すべきだった。危機管理能力に優れた山口オーナーが決めた方針だとすれば、読売グループのコンプライアンスは大丈夫かと心配してしまう」。 あるNPB関係者はこう疑問を呈する。山口オーナーは、球界の暴力団排除活動を引っ張り続けている第一人者で、球界全体のコンプライアンス強化に向けた取り組みを推進してきた、いわば「危機管理のスペシャリスト」ともいえる存在だ。読売グループにとどまらず、日本相撲協会の社外取締役を務めるなど外部でもその危機管理能力を発揮していることは、広く知られている事実といっても差し支えないだろう。 ◆他社に報じられても2選手の氏名を伏せる 2選手の容疑は、オコエ選手が2022年7月と23年5月、増田選手は24年秋頃、海外のカジノサイトに国内から接続し、賭博した疑い。オコエ選手は約700万円を賭けて約450万円のマイナス、増田選手は約300万円を賭けて約230万円のマイナスだったという。スポーツ賭博は確認されなかったが、金額が一般社会からみて高額なのは明白だ。 巨人軍から今年に入って相談を受けた警視庁が任意で捜査を進め、いずれも容疑を認めている。ただ、この2人の賭博容疑は、テレビなど各報道機関が5月8日に警視庁による送検の事実を一斉に報じるまで、一切公にはされなかった。 巨人軍で不祥事が起きた場合、読売新聞社のグループ本社法務部も参戦するなど、新聞社一体となって対応することは業界では有名だ。一方で、読売新聞は様々な政官財に埋もれた不正を暴くなどスクープに強い新聞社として知られ、事件の容疑者や不祥事を起こした大企業などをもちろん「実名」で報じてきた。社会の木鐸たる新聞社が、今回のようなケースで匿名発表を許すはずはない。 だが、巨人軍はこれまで事実を発表しなかっただけではなく、各報道機関が2選手の実名を挙げて詳細な賭博容疑の内容を報じたこの期に及んでも、「所属の2選手」と氏名を伏せた匿名でのコメントしか出していない。 不祥事対応の原則は、詳細な事実関係をしっかりと認めた上で再発防止策を打ち出すことだ。危機管理業界では基本中の基本ともいえる。各社に選手の実名を報じられながらも、氏名を伏せた上で「検察庁の判断等を踏まえつつ、適切に対処する所存です」などと杓子定規なコメントを出した巨人軍、読売グループの姿勢には唖然とされる。
2025.05.18
なにがあったか?不気味極まる金正恩総書記、ロシア対独戦勝80年記念日の不在 (写真 対独戦勝80年記念日の様子 Wikipediaより) 5月9日、中国の習近平国家主席は旧ソ連の「対独戦勝80年記念日」に合わせて、主賓としてロシアを訪問し、プーチン大統領と首脳会談を行った。両首脳の対面会談は第2次トランプ米政権発足後初めてのことだ。返礼としてプーチン氏は、9月に中国で開催される「抗日戦争勝利記念日」の式典への出席を約束した。一方、習氏はトランプ政権を批判し、プーチン氏も「一国主義と制裁の乱用に共に反対していく」と応じ、反米で中国と足並みを揃える姿勢を明確にした。中露両首脳は強固な関係と反米連携での結束を誇示したが、内実は微妙なものがある。また当初、予想された超反米派の北朝鮮・金正恩総書記の訪ロはなかった。その理由は空路を利用すれば、いまやウクライナの交戦国である北朝鮮のトップであるためドローンに命を狙われること。ウラジオストックからモスクワまで通じるシベリア鉄道を使えば6泊7日はかかる。10日ほど祖国を空けることになり、クーデターなどの懸念があること。そして最大の理由は後述する。 ロシアはウクライナとの戦いで不足する弾薬や兵士の確保を北朝鮮に頼っており、北朝鮮も見返りとしてロシアからの軍事技術の提供を望み、急速に両国の関係強化が進んでいる。だが長年北朝鮮の後ろ盾を自認してきた中国は、ロ朝接近に不快感を抱いている。さらに新たな天然ガスパイプライン「シベリアの力2」の建設に関しても、中ロの協議は難航しているもようだ。 中ロの関係は決して一枚岩ではない。 さて正恩氏が「対独戦勝記念日」にモスクワを訪問しなかった最大の理由は、第2次世界大戦の戦勝80周年を慶祝すると国家の正統性を損ねるからだ。北朝鮮憲法序文には、朝鮮半島の解放は、日本が米国など連合国に敗れた結果ではなく、正恩氏の祖父である金日成氏率いる抗日パルチザンが日本軍を駆逐した成果だと記されている。曰く≪金日成同志は抗日革命闘争を組織・指導して祖国解放を成し遂げ、朝鮮民主主義人民共和国を創建した≫とある。金日成氏は、ソ連の朝鮮人パルチザンである「極東軍第88独立狙撃旅団」の第1大隊長を務めるが、対日戦に参加することなく終戦を迎えている。33歳になった同氏は、1945年9月にソ連の占領政策を補佐する政治工作員としてソ連軍大尉の軍服を着て日本軍のいなくなった朝鮮半島に帰還した。つまり金日成氏は中国軍とソ連軍の一員として活動していただけで、対日戦といえるものは、北朝鮮正史で、「普天堡の戦い」(旧満州)と大げさに伝えられているが、駐在所を襲撃して2人を殺害したにすぎない。金日成氏の同志(その後毛沢東軍に合流)も「日本軍に1度も勝ったことがない」と証言している。金日成氏は、駐在所の襲撃後は、日本軍の掃討作戦を受けてソ連に逃げ帰っている。もし正恩氏がモスクワを訪問した場合、ロシアのメディアは、来賓の経歴を大々的に報じるだろう。その流れで、「現在の北朝鮮は、金日成氏を傀儡としてソ連が建国した」と説明されれば、北朝鮮の正当性は瓦解してしまう。 ロシアに赴かなかった正恩氏は 5月9日在北朝鮮ロシア大使館を娘のジュエ氏とともに訪問し「記念日」を慶賀した。だが、ソ連による日ソ不可侵条約を破っての対日参戦やソ連による祖国解放への感謝には一切触れていない。先頃北朝鮮を訪れたロシアのショイグ安全保障会議書記は、正恩氏のロシア訪問を要請している。タイミングとしては、来月のプーチン大統領による平壌訪問1周年への返礼や、6月25日の朝鮮戦争開戦75周年、9月のウラジオストクでの東方経済フォーラムなどが挙げられるだろう。 ロシア軍と朝鮮人民軍(北朝鮮軍)による本格的なウクライナ本土進攻作戦が動き出し、朝ロ双方の利害が一致すれば、特定の記念日を介さずとも首脳会談が実施される可能性は十分にある。
2025.05.17












