国境の守りと空白の地:外国人による土地取得と離島国有化の急務

 日本の安全保障が多角的な脅威にさらされる中、とりわけ深刻な懸念として浮上しているのが、外国人や外国資本による重要土地の買収問題である。北海道の広大な森林、水源地、さらには自衛隊基地や米軍基地に隣接する土地が、不透明な背景を持つ資本によって次々と取得されている現実は、国家の主権と国民の安全に対する静かなる侵食と言わざるを得ない。2021年に成立した「重要土地利用規制法」は、注視区域や特別注視区域を指定することで一定の抑止力を期待させるものであったが、その適用範囲や実効性には未だ課題が多く、法の網目を縫うような買収工作が絶えないのが実情である。 この問題において、最も脆弱かつ緊急を要するフロントラインが「国境離島」である。日本は広大な排他的経済水域(EEZ)を保持しているが、その根拠となる離島の多くが管理不全の状態に置かれている。登記簿上の所有者が不明であったり、相続放棄によって実質的な管理者が不在となっていたりする土地は、外国資本による「点」の支配を許す絶好の隙となる。もし、国境付近の無人島や離島の一部が敵対的な意向を持つ主体に取得され、合法的な私有地として拠点化されれば、そこは日本の法的権限が及びにくい「安全保障上の空白地帯」へと変貌する恐れがある。  したがって、日本政府が最優先で取り組むべきは、所有者のいない、あるいは所有者が特定できない離島の迅速な国有化である。現行の民法や不動産登記法、あるいは所有者不明土地法に基づいた手続きでは、権利関係の整理に膨大な時間を要し、刻一刻と変化する地政学的リスクに対応しきれない。国境離島については特例を設け、一定期間の公告を経て所有者が名乗り出ない場合には、国家が強制的に収容・管理できる強力な法的枠組みを構築すべきである。これは私有財産権の尊重という民主主義の原則と、国家存立の基盤である領土保全という至高の命題をいかに調和させるかという問いに対する、現実的かつ断固とした回答でなければならない。 さらに、国有化は単なる手続きで終わってはならない。国有化した後の島々に海洋観測装置や通信設備を配備し、自衛隊や海上保安庁による監視・巡回を常態化させることで、名実ともに「実効支配」を強化する戦略が必要である。土地を守ることは、そこにある資源と海域を守ることに直結する。土地取得問題に対する防衛策を強化し、離島の管理を国家の手に取り戻すことは、次世代に平和な国土を引き継ぐための最低限の義務である。今、政治に求められているのは、法の不備を嘆くことではなく、主権の空白を埋めるための迅速かつ果断な執行力である。 (ジョワキン)
政治•経済

2026/03/31

最新記事

内閣発足時から 支持率低迷 2025年の石破政権を占う 異変政界(3)
内閣発足時から 支持率低迷 2025年の石破政権を占う 異変政界(3)

丸川珠代元オリパラ担当大臣だけが、はずされた  34人の中で唯一外されたのは丸川珠代元オリパラ担当大臣で、パーティー券の販売代金を自分の口座に入れていたのが公明党の支持母体に「理解」されなかったのかもしれない。アナウンサー出身で野心たっぷりの丸川氏は、参院議員の地位をなげうって、10増10減で新設された衆院東京7区に鞍替えした。港区と渋谷区を含む東京7区は希望者が多かったが、丸川氏はコロナ時にオリパラ大臣を引き受けたことで、森喜朗元首相に便宜を図ってもらったといわれる。だがそんな運も尽き果てたのかもしれない――。16日に安倍昭恵夫人を応援に迎えた街頭演説会では「小選挙区1本です。どうかお助け下さい」と有権者に向かって号泣した。 こうして自民党の中で“振るい”がかけられ、「安倍ブランド」の高下駄を履いていた人たちが落とされていった。そもそも彼らの多くは、もっと早く落とされても良かった。にもかかわらず、彼らがしぶとく生き残れたのは、対立する野党がいまいち強くなかったせいでもある。しかし彼らとて、いつまでも呑気な立場に甘んじられるはずがない。そしてかねてから日曜赤旗で報道されていた「裏金問題」について、昨年12月に一般紙が報道。これが大問題になったのだ。 「リクルート疑惑」を「裏金疑惑」に置き換えてみると  「裏金問題」とは、政治の永遠のテーマである「政治とカネ」問題に含まれる。自民党は1989年5月に「政治改革大綱」を策定したが、その冒頭で次のように記されている。「いま、日本の政治はおおきな岐路に立たされている。リクルート疑惑をきっかけに、国民の政治に対する不信は頂点に達し、わが国議会政治史上、例をみない深刻な事態を迎えている」この文章の中の「リクルート疑惑」を「裏金疑惑」に置き換えると、そのまま現在の状況に当てはまる。35年を経て懲りもせずに繰り返される過ちに対して、国民はすっかり呆れ返ってしまっている。  もっとも15年前の2009年の衆院選で、「自民党にお灸をすえよう」を合言葉に、政権交代劇は実現した。そこには自民党への期待や愛情も存在し、自民党の政権復帰も可能だった。しかし今回はそのような感傷もドラスティックな変化もなく、国民はただ淡々と自民党から離れていくだけだ。当初から石破政権は短命政権と見なされている。なんとか衆院選を潜り抜けたものの、来年7月に予定される参院選までもたないとされているからだ。「衆院選が終わるとすぐさま、壮絶な政局が始まるだろう」と、大手メディアの記者は予言する。混沌と渦巻く政治の中で、我々は「終わりの始まり」を目にすることになるのだろうか。

政治•経済

2024.12.30

武者ルーツは将門・純友の乱
武者ルーツは将門・純友の乱

 大宰権帥・藤原隆家とともに京から派遣され、刀伊を撃退した「無止(やんごとなき)武者」の面々。『光る君へ』の劇中では一見、源平争乱を連想させる鎧兜を身につけて奮戦していたが、オンエア中のSNS上では、詳しい人から「鎧の下に、中世風の直垂(ひたたれ)ではなく水干(すいかん、普段着)を着用している」「袴が長い、脛当てがない」との指摘があった。   さらに警固所に詰めている兵士たちが、律令時代を連想させる埴輪のような鎧を着用していることも話題に上った。後の鎌倉期とは異なるこの時代のリアリティを追求するNHK大河製作陣の本気度が伺える。   「無止武者」の面々について詳しく見てみよう。隆家の子とも言われる太宰少弐・藤原蔵規(まさのり)のほか、平為賢(ためかた)という名が見える。為賢は平将門の乱(935(承平5)~941(天慶4)年)で将門を倒した功労者、平貞盛の血筋(弟・繁盛の孫)である。   もう一人、前少監・大蔵種材(たねき)は、将門の乱と時を同じくして瀬戸内でぼっ発した藤原純友の乱を鎮圧した大蔵春実(はるざね)の孫。さらに一人、平致行(むねみつ)も将門の乱を鎮めた一人、平公雅(きみまさ)の一族と言われている。   このように、将門と純友という朝廷を震撼させた2つの乱で戦功を立てた面々の子孫がそのまま朝廷の‶用心棒″となっていたことがわかる。   実は、そんな彼らの拠点はもともと京ではなかった。例えば平為賢の先祖・高望の拠点が上総国(現・茨城県)であるように、当時混乱の極みにあった地方から集められた存在だった。(つづく)   ✴︎主な参考文献 桃崎有一郎『武士の起源を解きあかす』ちくま新書   〃  『平安王朝と源平武士』   〃  

連載•小説

2024.12.30

内閣発足時から 支持率低迷 2025年の石破政権を占う 異変政界(2)
内閣発足時から 支持率低迷 2025年の石破政権を占う 異変政界(2)

公認と非公認 付け焼刃的な措置  これで2012年から自民党を支えてきた岩盤保守層が解消した。その一方で、石破首相の支持層は決して厚くない。だから衆院選に際して石破首相は当初、自民党から出馬する候補の「原則公認」を表明したのだろう。だがそれでは「裏金問題」に怒り心頭の国民にとって不十分なことこの上ない。慌てた小泉進次郎選対委員長が「不記載議員らの非公認」を提唱した。その結果、西村康稔氏や萩生田光一氏ら12人を公認せず、34人が比例重複しないことを決定。上杉健太郎氏や杉田水脈氏、尾身朝子氏の比例単独の3人についても、比例名簿に登載しないことにした。そして非公認となった越智隆夫氏と今村洋史氏は出馬を諦め、上杉氏は無所属で福島3区に出馬した。  “粛清”されたのはほぼ旧安倍派の前職だが、旧安倍派は安倍元首相の下で拡大し、安倍元首相が政権を降りるまでは「総裁派閥」として君臨した。その後も拡大を続け、ついには100人を突破した。「寄らば大樹の陰」ということわざは、政治の世界こそ最も当てはまるものだろう。有力な政治家に近づくことができるなら、選挙なども有利になるからだ。こうして2012年12月の衆院選で誕生した「安倍チルドレン」は、その多くが生き残った。2005年9月に誕生した83人の「小泉チルドレン」が2009年8月の衆院選では10人しか生き残れなかったのとは、全く対照的だといえるだろう。  そもそも強力な安倍自民党に属し、公明党の支援も得られるならば、選挙で負けるはずがなかった。そして仮に小選挙区で負けたとしても、比例ブロックで復活当選できるはずだった。ところが今回、34人もの前職が自民党の公認を得たものの、比例救済の道を断たれてしまった。最後の助け舟は公明党で、そのうち33人に対しては「地元組織の理解を得たかどうか」という基準で公明党は「推薦」した。((3)に続く)

政治•経済

2024.12.29

New Comers File 関秀斗(TOKYO TIGER) 【前編】
New Comers File 関秀斗(TOKYO TIGER) 【前編】

関秀斗 【前編】 氏名/関秀斗(せき・しゅうと) 生年月日/2002年7月7日 出身/埼玉県 趣味/読書、人間観察 特技/野球 座右の銘/止めない決断・続ける努力 デビュー/2023年5月  俳優を目指してデビューした人たちの中からピックアップして、ネクストブレイクが必至な新人にフォーカスを当てる「New Comers File」。  デビューしてすぐに人気の恋愛リアリティショー「シャッフルアイランド Season4」や数々の舞台に出演するなどデビュー以来の活躍が目覚ましい俳優の関秀斗さんにお話を伺った。 ーーデビューのきっかけは? 関 SNSを使って個人的に色々な活動をしている時に、現在のマネージャーさんからSNSを通じてメッセージを頂いたことがきっかけになりました。 ーーデビューしてから周りの反応はどうですか? 関 学校で友人たちに「観たよ」とか声を掛けられたり、地元の旧友たちからは「すごいな」だなんて言われました。「街で見掛けました」とかSNSでメッセージを頂くこともあって、それがメチャメチャ嬉しかったです(笑) ーーご家族の反応は? 関 僕が出演した番組を観てくれたり、家族で舞台を観に来てくれたりと、すごく応援してくれていますね。 ーーそもそも、なぜ俳優になろうと思ったんですか? 関 元々は、シャイボーイで人前に立つのが苦手だったんです。坦々と日常を過ごすだけ、取り得が野球しかなくて野球だけに夢中になっている坊主野郎でした。そんな中で、高校の文化祭で有志活動の一環として全校生徒の前で一発芸を披露する機会がありました。その時に、観客から喝采と拍手を浴びる喜びを初めて経験しました。 ーー俳優を目指した動機として他に何かありましたか? 関 テレビドラマで「トドメの接吻(※1)」を観たことも俳優になりたいと思った理由の一つです。演技で多くの人の心を動かすことができる俳優って素敵だな、お芝居(演技)って素晴らしいな、って思いました。それと、「天国と地獄~サイコな2人~(※2)」っていうドラマがあって、登場人物2人の人格がそれぞれ入れ替わるっていう設定なんですが、一目で人格が入れ替わった瞬間が分かる演技がすごいなって思いました。その辺りから、自分も俳優になりたいと考えるようになりました。 ※1/トドメの接吻(キス) 2018年の1月から日本テレビ系列で放送されたドラマ。出演は山崎賢人、門脇麦、新田真剣佑、他。キスをされた男は死に、7日前に遡って蘇るというタイムリープが起こるというストーリー。 ※2/天国と地獄~サイコな2人~ 2021年の1月からTBS系列で放送されたドラマ。出演は綾瀬はるか、高橋一生、柄本佑、溝端淳平、他。刑事と殺人事件の容疑者の人格が入れ替わるというストーリー。 ≪後編に続く≫ Tiger編集部    

沖縄県民の憲法13条が本土の13条の犠牲に  辺野古抗議行動デマ中傷の悲痛  『社外取締役島耕作』のお詫びは誰に対するものなのか 弁護士 内田雅敏 2回
沖縄県民の憲法13条が本土の13条の犠牲に 辺野古抗議行動デマ中傷の悲痛 『社外取締役島耕作』のお詫びは誰に対するものなのか 弁護士 内田雅敏 2回

「抗議行動に日当」がデマなことは決着済み  10年間にわたり、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設工事に対する座り込みの抗議活動を続けてきた沖縄平和運動センターの顧問、 山城博治氏は「使い古されたデマだ。影響力のある有名な作家がそんなにも軽い意識なのかと衝撃を受けている。怒りを通り越して悲しいと無念さを隠さない。長く反対運動が続くことに「県民の心に深く根差した運動だからだ。手当を10年も出していたら巨額の資金がいる。県民感情を理解し、状況をもっと調べて発信してほしい」と訴える(10月22日東京新聞)。  「抗議行動に日当」がデマなことはすでに東京MⅩテレビ番組【ニュース女子】裁判等ですでに決着済みである。にもかかわらず、辺野古 での抗議行動を中傷する悪質なデマは後を絶たない。筆者は数年前から2ヵ月に1度くらいの割合で辺野古での抗議行動に参加している。火曜日の最終便で那覇に行き、翌水曜日から金曜日まで辺野古での抗議行動に参加し、金曜日夜帰京するというスケジュールだ。  那覇空港からホテルに向かうタクシーの運転手から「観光ですか」と声を掛けられ、辺野古の抗議行動に参加と答えたところ、「あそこ ではお金がもらえるでしょう」と言われたことがあった。もちろん即座に否定したが、こういうデマを流す輩がいるようだ。(つづく)

社会•事件

2024.12.29

内閣発足時から 支持率低迷 2025年の石破政権を占う 異変政界(1)
内閣発足時から 支持率低迷 2025年の石破政権を占う 異変政界(1)

石破首相の不人気  執筆段階ではまだ衆院選の真っ最中。よって多少の“誤差”はご了承いただきたいが、石破茂首相が大ピンチに陥っていることは間違いない。衆議院を解散した10月9日夜の会見で勝敗ラインを記者から聞かれ、これまで通りに「自公で過半数」と自信たっぷりに述べた石破首相だが、それすらも怪しくなっている。  理由は3つ。まずはそもそもの石破首相の不人気だ。時事通信は10月17日、石破内閣の発足時の支持率は28%で、低支持率で知られる森喜朗内閣より低かったと公表した。しかも調査期間は11日から14日で、政権発足から10日から2週間程度しかたっていないのに、内閣不支持率は30.2%で支持率を上回っている。  その主な原因は、石破首相が安倍晋三政権時から自民党の支持基盤となった「岩盤保守層」に敬遠されている点だ。とりわけ第1次安倍政権時の2007年7月、参院選での自民党敗北を受けて、石破首相が安倍元首相に退陣を求めたことが恨みの根源となっている。  そもそも2人の背景は対照的だ。岸信介の孫である安倍元首相に対し、石破首相は田中角栄系だ。安倍元首相が衆院選に当選した1993年、石破首相は政治改革を叫んで自民党を離党した。しかしその夢が破れて、石破首相は1997年3月に自民党復党。2008年9月の総裁選に出馬したが、5人中最下位に甘んじている。その後に成立した麻生政権では農水大臣に任じたが、衆院選が近づくと今度は、麻生降ろしの色を鮮明にした。石破首相本人にすれば「正論を言って何が悪いのか」ということになるだろうが、自民党内ではそれは通じなかった。そして第一次政権での安倍降ろしとともに、麻生降ろしでも先陣を切ったことで、「背中から刺す石破は信用ならない」との評価が定まってしまったのだ。 なくなった「安倍バブル」  第2に、自民党が地盤沈下している点だ。自民党は安倍元首相を顔として、2012年12月の衆院選で480議席中294議席を獲得し、2017年12月の衆院選でも475議席中291議席を確保した。そして2017年10月の衆院選では465議席中284議席を確保したが、岸田文雄政権の2021年10月の衆院選に獲得したのは、465議席中261議席と、23議席も少なかった。これは「安倍バブル」がなくなったことが原因だろう。しかしなんとか単独過半数を維持したことで、岸田政権はたいしたダメージを受けなかったが、岸田首相の続投は果たせず、岸田首相は8月14 日に次期自民党総裁選には出馬しないことを表明した。  2024年9月27日に投開票された自民党総裁選は、裏金問題で派閥が事実上解消されたため、9人もの候補が出馬した。決選に残ったのは高市早苗前経済安全保障担当大臣と石破首相で、いわば「安倍」対「反安倍」の構図。最終的に勝利したのは、「反安倍」を体現する石破首相だった。((2)に続く)

政治•経済

2024.12.28

沖縄県民の憲法13条が本土の13条の犠牲に  辺野古抗議行動デマ中傷の悲痛  『社外取締役島耕作』のお詫びは誰に対するものなのか 弁護士 内田雅敏
沖縄県民の憲法13条が本土の13条の犠牲に 辺野古抗議行動デマ中傷の悲痛 『社外取締役島耕作』のお詫びは誰に対するものなのか 弁護士 内田雅敏

 2024年10月21日講談社発行の成年漫画週刊誌『モーニング』の編集部と作家弘兼憲史の連名で「モーニング46号 (2024年10月17日発売)『社外取締役 島耕作』に関するお詫びとお知らせ」と題して以下のようなお詫び記事が発表された。 はじめに  【「モーニング」46号掲載の『社外取締役島耕作』(作:弘兼憲史)におきまして、米軍新基地建設に関連し「抗議する側もアルバイトでやっている人がたくさんいますよ 。私も一日いくらの日当で雇われたことがありました」という登場人物のセリフがありました。本作執筆にあたり作者・担当編集者が沖縄へ赴き、ストーリー制作上必要な観光業を中心とした取材活動をいたしました。その過程で、「新基地建設反対派のアルバイトがある」という話を複数の県民の方から聞き作品に反映させました。しかし、あくまでこれは当事者からは確認の取れていない伝間でした。にもかかわらず断定的な描写で描いたこと、登場キャラクターのセリフとして言わせたこと、編集部としてそれをそのまま掲載したことは、フィクション作品とはいえ軽率な判断だったと言わざるを得ません。読者の皆さまにお詫びするとともに、編集部と作者の協議の上、単行本掲載時には内容の修正をいたします。モーニング編集部、弘兼憲史】  件の漫画「社外取締役 島耕作」は1983年から連載が始まった「島耕作」シリーズの人気作品だ。大手電機メーカーに勤務する島耕作が課長から社長、会長と出世する物語で、タイトルも肩書に合わせて変化し、現在の島耕作は社外取締役という設定となっている。 (次回に続く)

社会•事件

2024.12.28

今年2回目の政治資金規正法の改正法が成立  政治とカネを追う その2
今年2回目の政治資金規正法の改正法が成立  政治とカネを追う その2

政治資金監査委員会の設置  3本目は国民民主党と公明党が提出した「政治資金監視委員会等の設置その他の政治資金の透明性を確保するための措置等に関する法律案」である。この法案には共産党、れいわ新選組、日本保守党の3党が反対した。委員会は国会議員関係政治団体の収支報告書の記載の正確性に関する監視を行うこと、政治資金の制度に関する提言を行うこと、それらの事務を行うため必要な調査及び研究を行うことを目的としている。両院合同協議会の推薦に基づき両議院の議長が両議院の承認を得て任命することになる。共産党は監視委員会の設置は国民の監視を妨害するものだとし、「政治資金を国民の不断の監視と批判の下に置く」ことが趣旨に正しく沿っているとして反対している。れいわ新選組は泥棒(自民)に泥棒(自民)を監視させる人を選ばせる制度だとして反対し、国家行政組織法第3条に基づく委員会の設置を求めている。いわゆる3条委員会とは国家意思を決定し、外部に表示する行政機関であり、具体的には、紛争にかかる裁定やあっせん、民間団体に対する規制を行う権限等を付与されている機関である。日本保守党の反対理由は不明である。未だに政治資金の抜け道を作る自公政権の悪あがき公職の候補者がその選挙区に政党支部を設置する場合、支部代表者からの当該選挙区の候補者の政治活動に寄付する場合は寄付控除や特別控除の対象とはならない。  以下は筆者の不明点。外国法人からの政治資金パーティ券の対価の受け取りを禁止する際に、日本法人で5年以上上場している外資系企業を除外したのは理解に苦しむ。現在、過去を問わず禁止とすればシンプルでわかりやすいはずだ。政治資金パーティを行った場合、パーティ券の売上から必要経費をさし引いて残った収益には課税するべきではないか。政党がグッズ販売を行った場合には課税の対象となることと整合性が取れていない。収支報告書のオンラインでの提出とデータベースを用いた公表について、「政党」と「政治資金団体」、「国会議員関係政治団体」についてのみとしたのは抜け道を残すことになる。全ての政治団体のほんの一部をデータベース化して公表しても意味を為さないのではないか。国政政党、政治資金団体、国会議員関係政治団体はすべての政治団体に対して本僅かである。本法案によってデータベース化をできるのは全体の5%に過ぎない。なぜすべての政治団体を対象としないのだろうか。  企業・団体献金を禁止を求める国民の声も多い。企業・団体献金を禁止しないと企業ぐるみ、団体ぐるみの政治活動の温床となる。本法案に企業・団体献金の禁止を盛り込まなかった何故か。政治活動が企業や団体ぐるみになるとその企業の従業員や団体の職員の思想信条の自由を妨げる可能性もある。 (紅 良作 現役国会議員秘書)

政治•経済

2024.12.27

外食業界に訪れた選別の嵐   コロナ禍で客足離れ価格見直しで生き残りを模索 その3
外食業界に訪れた選別の嵐  コロナ禍で客足離れ価格見直しで生き残りを模索 その3

逆境に商機を見出す試みも  つい先日、エンゲル係数が急上昇、家計支出の28%を占め、1982年以来の高水準になっているというニュースが驚きをもって迎えられた。8月だけでなんと30・1%。22年の数字を見ても、日本は年平均で26%超え。エンゲル係数の高さは貧困度合いを示すので、20%を超えることのないアメリカ、ドイツと比較すれば、日本が先進国の中でもかなりの貧困国家であることが分かる。  体力に余力のある企業はこれを商機とばかりに、サイゼリヤに倣えというわけではないが、逆張りの値下げに踏み込もうとしている。イオンは10月末まで約100品目を価格据え置きで増量するほか、11月からは一部商品の値下げまで行うとしている。吉田昭夫社長はこれを、「円安、インフレ下で原価が上昇する中での価格競争という環境」とした。企業としては、一部では利益を失うかもしれないが、さりとて商品訴求力を落とすことなく価格設定を行うという、かなりギリギリの選択を迫られているのではないだろうか。  同じ小売りでは、セブン&アイ・ホールディングスでは、「うれしい値!」と銘打った低価格商品の拡充を行い、もちろん外食でも、ファミレスや牛丼各社が9月以降には低価格キャンペーンを展開している。一方で、日高屋を展開するハイデイ日高では、5月から約80商品の10~60円の値上げを行ったものの(中華そば390円は死守)、全体のコスパの良さから、ファンの支持を失うどころか、24年3~8月期の単独決算で累計売上高プラス13%と、過去最高を記録。サイゼリヤでもそうだが、ちょい呑みでつまみを数品頼んでも1000円行くか行かないかのお得感がやはり人気。つい最近にはワタミがサンドウィッチの日本サブウェイを買収したとのニュースがもたらされたが、居酒屋が漂流する中、代わりにサイゼリヤや日高屋が、かつての居酒屋需要を取り込んで庶民的な支持を集める辺りに、現下の強さの理由があるのだろう。

社会•事件

2024.12.27

京の都で集団騒乱を繰り返す‶やんごとなき″貴族たち
京の都で集団騒乱を繰り返す‶やんごとなき″貴族たち

そもそも当時の貴族は、京の都で頻繁に徒党を組んでは騒乱事件を起こしており、些細なことをきっかけにヒートアップして人を殺すことも珍しくなかった。NHK大河ドラマ『光る君へ』では穏健に描かれた藤原道長も例外ではなく、官僚の採用試験で便宜を図った友人が不合格となったことに怒り、従者に命じて拉致した試験官を縛ったまま都を歩かせてさらし者にしたという。 刀伊撃退の立役者・藤原隆家もそんな貴族の一人だった。979(天元2)年に生まれ、常に行動を共にした兄・伊周(これちか)とともに関白・藤原道隆を父とする名門出身。しかし道隆が早逝したため、その弟(兼家の三男、異母兄弟を入れて五男)・藤原道長と伊周は最高権力者の座を巡って激しく争う。隆家も含めたお互いの従者たちがしばしば衝突、死者が出る騒ぎもあった。 そんな権力闘争のさなか、この兄弟は996(長徳2)年、花山法皇とその周辺との間で乱闘を起こし、法皇の従者2人を斬首しただけでなく、隆家が法皇本人の袖を矢で射抜く大事件を起こす(長徳の変)。二人は失脚し、地方に左遷された。その後恩赦で中央に復帰するも、1010(寛弘7)年に伊周は病死。道長との権力闘争はほぼ勝負がついた。 その後眼病を患った隆家は、眼病の名医がいるという筑前国大宰府に、その長官である大宰権帥として赴任することを希望。1014(長和3)年11月に念願かなって筑前国に下り、大宰権帥の座に就いた後は打って変わって善政を敷き、地元・九州の豪族たちも心服したほどだという。1019(寛仁3)年の刀伊入寇は、そんなときに起こった大事件だった。 もっとも、この隆家という武闘派貴族が武士の始まりというわけではもちろんない。「武士」という階級の始まりに関わってくるのは、隆家本人よりもむしろ隆家と行動を共にした「武者」たちだった。(つづく)   ※主な参考文献 関幸彦『刀伊の入寇』中公新書

連載•小説

2024.12.26

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