浜田聡氏の鋭いツッコミに座布団1枚

 立憲民主党と公明党が組んで中道改革連合という新団体を形成し参議院選挙に挑むという茶番が繰り広げられているが、昨年まで私が仕えてきた浜田聡前参議院議員の動向が気になるところ。YouTubeやXなどSNS以外は地味で寡黙でソロ活動が得意な孤高の秀才であるが、氏のXを辿ってみると珍しく渾身の皮肉を放っていた。   『「中道」とは「中国への道」を意味するのでは』   山田君、座布団一枚!That‘s right。おっしゃる通り。浜田聡氏のポストへの反応の中には中道改革って『「中革」派じゃないか』というリプライも。立憲民主党の創設者の枝野幸男衆議院議員は中核派ではないが革マル派の代表格であるJR東労組の支援を受けているし、弁護士でもある枝野氏は革マル派のメンバーが捕まると代理人弁護士を務めていた経緯がある。立憲民主党の野田佳彦代表は仕事始めの挨拶で「媚中派の最高顧問もいますし、態度の悪い幹事長もいる」と発言しバッシングを受けた後に自虐的に言っただけだとして発言を修正している。これは紛れもなく枝野氏と安住氏を指している。公明党も中国とは結党以来の深い関係がある。公明党の母体である創価学会の当時の会長池田大作氏は中華人民共和国の正式承認と中国との国交回復を活動方針に掲げていた。公明党はその意向を汲んで事あるごとに日中間に介在してきた。悪いことと決めつけはしないが、公明党が中国共産党と親密な関係にあることは間違いない。立憲民主党と公明党が「中国への道」と言われてしまうことは名誉を毀損するバッシングの類ではない。そういわれる一端があるのだから事実の適示のようなもの。批判的なひとつの意見に過ぎない。大喜利風の浜田聡氏のポストはネガティブな評価であっても糾弾を回避する柔軟でクレバーなポストであった。 さて、そんな浜田聡氏は衆院選に立候補するのだろうか。自身の政治団体として日本自由党を立ち上げ、予てから国政に復帰する準備を進めてきた浜田聡氏であるが、目下のターゲットは3月に告示される京都府知事選であった。浜田聡氏は京都府出身であるから不自然ではない。3選を目指して出馬を表明している西脇隆俊氏は自公立国相乗りの絶対的な本命。西脇氏は京都出身の建設官僚、復興庁で事務次官を経験しているスーパーエリートだ。浜田聡氏にとっては売名に適い供託金ラインを越えたら御の字だと言える。京都知事選が国政復帰の為の取り組みだとすると、困ったことに高市首相の衆議院の解散総選挙がその前に行われることになってしまった。ただ、従前の方針だと浜田聡氏の狙いは衆議院ではなく参議院。衆議院だとしても比例の近畿ブロック。小選挙区での勝負は想定していない。なので、浜田聡氏が衆院選で京都1区からの立候補を検討しているのは京都府知事選の前哨戦としても位置付け。選挙戦略としては古典的だが有効。心配するとしたら選挙疲れと軍資金。何はともあれ、浜田聡氏は実直な人物であるから更なる活躍を期待している。私は京都で自分の会社の本社を置いて20年以上も活動していたし、自宅も浜田聡氏が住んでいた山科区大宅の同じ町内にあった。京都での知人友人は多い。陰ながら密やかに声掛けに勤しんでいこうと思っている。 最後に私も大喜利を。   中道改革とかけてハニートラップととく、そのこころは、 ちょうどよい快楽でしょう   (坂本雅彦)   浜田聡X 引用ポスト https://x.com/satoshi_hamada/status/2011690688937906483  
政治•経済

2026/01/28

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深川、根津、赤坂…遊郭・吉原のライバル「岡場所」とは
深川、根津、赤坂…遊郭・吉原のライバル「岡場所」とは

 大河ドラマ『べらぼう』の舞台となった1700年代後半唯一の公的な遊女町だった吉原にはあちこちに競争相手がいた。非公認だから取締りの対象だった、というのはタテマエで、高額の遊興費がかかる吉原の得意客はもっぱら高位の武士階級や大手の商人など富裕層。一般の町民や中下級の武士には手が届かない。   加えて、現在の人形町から江東区千束という不便な場所に移った吉原は、営業も夜のみだったことも客を選んだ理由の一つだった。   実は、こうして吉原が取りこぼした需要の受け皿となる場所が、江戸にはいくつもあった。無論、非公認なので幕府は適度に取り締まりはするが、完全には潰さずに黙認し、場所代を徴収していたのだ。   まず、岡場所と呼ばれた非公認の遊女場である。特に盛んだったのは深川。運河が通って舟の便がよかったため、客は舟で出入りし、船頭がしばしば遊女の手配などを行っていた。ちょうど現在の永代橋から富岡八幡宮に至るあたりで、中町、土橋、あひる(佃新地)、新地、石場、櫓下(やぐらした)、裾継(すそつぎ)という深川七場所が知られていた。   客は妓楼ではなく料理屋に遊女を呼び出し、ひとしきり飲み食いした後でその奥座敷に入る。深川の料亭がよく知られているのはその名残であろう。   現在の文京区根津神社の門前(池之端から不忍通り沿い)は、「岡場第一の遊里」根津として栄えた。徳川家の菩提寺・寛永寺の門前で栄えた遊女場・上野山下は、現在のJR上野駅構内から駅前広場近辺だった。また音羽も護国寺の門前町として遊女たちが集まり、赤坂は当時ホタルで有名だった溜池の周辺に御茶屋が並んだという。(つづく)

連載•小説

2025.01.13

「アベノミクス」を総括できない  石破政権の錯誤と展望なき施策  政権交代もなく「脱安倍」も進められない日本の暗澹④  高野 孟 ●ジャーナリスト
「アベノミクス」を総括できない 石破政権の錯誤と展望なき施策 政権交代もなく「脱安倍」も進められない日本の暗澹④ 高野 孟 ●ジャーナリスト

「アジア版NATO構想」と核共有  3本柱の第3は、外交・安保政策に関わる分野である。この面での安倍政治の最大の遺産は、2015年の集団的自衛権の解禁を盛り込んだ新「安保法制」である。これは原理的に言うと、米国が自分の勝手な都合で戦争を始めたという場合でも、同盟国=日本はそれを我が事と受け止めて米軍と肩を並べて戦うことを義務化するということで、それを担いうる自衛隊とするための大軍拡路線も採用された。野党連合としてはこれに歯止めをかけようとするのは当然だが、石破であっても、防衛族の大物で軍事オタクとも言われるほどの専門知識も蓄えているはずで、それなりに合理的な再検討に着手するのではないかと期待された。しかしその気配はなく、彼が持ち出したのは「アジア版NATO構想」と「核共有」だけだった。  「核共有」は、ドイツなどNATO内の非核保有5カ国がすでに導入しているもので、米国の戦術核を各国領内に予め配備しておき、有事の際にそれを使用することになった場合は米国の指示と承認の下、各国の空軍機がそれを搭載して核攻撃任務に就くという制度。賛成論の立場からは、これによって米国の「核の傘」の信頼性が増し、敵に対する抑止力が強化されると主張されるが、欧州にも根強い反対論の立場からは、1950年代に米ソの核戦争危機が切迫していると考えられた頃の時代遅れの考え方で、核軍縮努力の一環として廃止すべきと主張されている。安倍が晩年にこれを検討すべきだと言ったのに対し、防衛研究所の新垣拓主任研究官は「NATO の抑止・防衛政策に沿ってテイラーメイドされた制度で……地政学的な条件や歴史的文脈が異なる別の地域にそのままのかたちで援用することは難しい」と結論付けている(同研究所コメンタリー第211号)。いずれにせよこの部分は、石破の安倍追随でしかない。  アジア版NATO構想は、安倍の「QUAD(米日豪印4カ国)」軍事同盟論をさらに膨らませたもので、要するに主として中国の台湾侵攻を念頭に置いてQUADだけでなく東南アジア諸国も結集して「米英同盟並みに強化された日米同盟」を中核とした壮大な軍事同盟を築こうという考え方である。これは1950〜60年代前半頃に米国の軍幹部やシンクタンクの学者などから盛んに提唱された「PATO(太平洋アジア条約機構)」構想の焼き直しで、当時すでに米国自身の中から「多様な利害と発展段階の国々を1つにまとめて米国が率いるなど到底無理」という判断があり、「アジアは欧州とは違って、米韓、米日、米比、米豪NZなど個別条約の束で守るのが合理的」と結論が出た話で、なぜ石破がこんな古色蒼然たる冷戦時代の遺物を今頃弄ぼうとするのかはほとんど謎である。実際、この考え方が9月27日に米ハドソン研究所のサイトに発表されるとすぐにインドのジャインシャンカル外相が「インドは日本とは異なり、他国と条約による同盟関係を結んだことがなく、そのような戦略的な枠組みは考えていない」と明言した。あるいは、シンガポールのシンクタンクISEASが今年4月に発表したASEAN10ヵ国の識者を対象とした調査では、ASEANが中国か米国のどちらかと同盟を結ぶことを余儀なくされた場合、「中国を選ぶ」とした人が50・5%で、昨年の38・9%から大幅に増えて初めて5割を超えた。石破は軍事オタクかもしれないが外交オンチで、このようなアジアの国々の心情などさっぱり理解できていないことが分かる。こうして、この得意とされる分野でも、石破は安倍政治の弊害を乗り越えていくだけの知力・見識に欠けていることを早くも証明してしまった。  すでに気の早い週刊誌は、「石破では来夏参院選は戦えない」という声が党内に充満し年内か年明けにも政変が起きると予測するが、その時にも我々は「ならば誰が『脱安倍化』を完遂できるのか」という座標軸で事態を見ていく必要がある。

政治•経済

2025.01.10

遊郭・吉原は風俗+社交サロン+流行発信地
遊郭・吉原は風俗+社交サロン+流行発信地

 江戸の大遊郭・吉原は、今では妓楼で夜ごと開かれる饗宴や遊女たちの華やかさと、それとは裏腹な彼女たちの境遇の悲惨さの対比に注目が集まるが、実際の吉原は、現在の新宿・歌舞伎町のような風俗の街であったと同時に、渋谷・原宿のような流行の発信元でもあり、銀座・六本木のようなあらゆる身分の人々が出入りする社交場でもあった。 江戸人は性愛に対しては寛容であり、吉原に通う男性は独身・妻帯者を問わず、よほど入れ込んで家財を食いつぶさぬ限り、「ある程度は仕方ない」と世間は許したという。 負債を背負うなどの遊女の遊郭勤めの過酷さは周知の事実であり、「貧しい家族を救うため」の立派な孝行というのが一般的だったという。しかも幼少から遊郭で育った女性でも、遊郭の外の男性とはごく普通に結婚できた。来日したオランダ人が記した記録(『日本誌』1727年)の中で、多くの遊女が一般市民とごく普通に結婚し、教育を受けていれば後ろ指を指されることなく一般家庭に入っていることへの驚きを記している。 一方で遊女たちは、現在の芸能人と同様に江戸市民に知られる存在であり、特にその容姿・教養を兼ね備えたトップスターである花魁が大勢の従者とともに水茶屋に客を迎えに行く様は「花魁道中」と呼ばれ、見物人も多かった。その折の髪型や華麗な服装、アクセサリーが流行の先端として江戸の婦人たちに真似されたり、出身地を隠すための「ありんす言葉」が市中で流行ったりした。 もっとも、蔦重がまだ20歳そこそこの若僧だった頃、実は吉原は危機的状況に陥っていたという。(つづく) ✴︎主な参考文献: 松木寛著『蔦屋重三郎 江戸芸術の演出者』日本経済新聞社 安藤優一郎監修『江戸の色町 遊女と吉原の歴史』カンゼン

連載•小説

2025.01.09

「アベノミクス」を総括できない  石破政権の錯誤と展望なき施策  政権交代もなく「脱安倍」も進められない日本の暗澹③  高野 孟 ●ジャーナリスト
「アベノミクス」を総括できない 石破政権の錯誤と展望なき施策 政権交代もなく「脱安倍」も進められない日本の暗澹③ 高野 孟 ●ジャーナリスト

デフレ脱却とアベノミクスの誤謬  3本柱の第2は、「アベノミクス」の徹底総括である。私は自慢するわけではないが、アベノミクスの一番初期からの批判者の1人で、2012年秋の総選挙で安倍がそれを言い出した時から「何それ? おかしいんじゃないの」と言い続けてきた。  第1に、当時の日本経済の状況を「デフレ」と捉え、そこからの「脱却」が中心課題だとした認識自体がとんでもない大間違いだった。 モノやサービスの供給が増大しているのに対して需要が減少し、その結果としてモノやサービスの価格が継続的に下落することを「デフレ」と言う。モノやサービスの値段が下がるとそれらを供給している企業の業績が悪化し、従業員の賃金が下がり、そうすると彼らが行う消費が減り、さらに物価が下落するという錐揉み状態に突入しかねないというのが「デフレスパイラル」論。あの当時は、「不況」のことを「デフレ」と言う人がおり、その「デフレ」を「デフレスパイラル」の恐怖に直結して語る人もいたりして、用語の定義不明のまま飛び交った。ところが日本経済は本当のところ、世界のどこよりも急速に「人口減少社会」に突入しつつあるために歴史的・構造的な需要減を覚悟しなければならないところに差し掛かっていたのであり、それを安倍はデフレというモノとカネのバランス問題と錯覚したのである。  第2に、当時の課題を「デフレ脱却」とすること自体が誤っていたけれども、そこから脱却するための手段として「異次元金融緩和」と称し、日銀が際限もなく国債や株式(ETF)を購入することで世の中にマネーを溢れ返らせれば経済が回り始めるだろうという設定がなおさら間違っていた。アベノミクスが始動した2913年3月に135兆円だったマネタリーベース(世の中に出回っている現金と全銀行が日銀構内に置いている「日銀当座預金」残高の合計)は、2024年9月現在、687兆円に達している。日銀は印刷局が刷り増したお札を空から撒くわけにもいかないので、各銀行が保有する国債を買い上げ、その代金をその銀行の日銀当座預金口座に振り込む。そうすると、各銀行はそこから現金を引き出して融資や投資に回し始めるだろうと想定されていたのだが、そうはならなかった。13年3月に47兆円だった各銀行の日銀当座預金の残高合計は24年3月で561億円で、まあ荒っぽく言えば、日銀が買った国債の代金のほとんどは日銀の構内に滞留して世の中に出回ることはなく、日銀構内で自家中毒を起こしていた。アベノミクスの失敗の核心は、まさにここに存する。  そのことを徹底総括してアベノミクスの害毒を一掃しなければならないというのに、石破は総裁選直後から突如「デフレ脱却」と言い始めた。朝日新聞の原真人編集委員が10月19日付「多事奏論」で解説したところによると、総裁選の1回目投票で高市が1位になると円安ドル高が進み、決選投票で石破が逆転すると円高ドル安に転じ、週明け30日の平均株価は一時2000円超も下げて「石破ショック」と言われた。この市場の「高市は買い、石破は売り」という反応を見て、石破は慌てて節を曲げてアベノミクス追随の姿勢を示そうとしたのだという。ここでも石破の安直なコロコロぶりが露呈したわけである。さらに原は述べている。「デフレは物価下落が続くことで、そこから脱却するとは物価を上げることだ。この物価高の下でさらに物価をあげようとはかなり倒錯した問題意識である。……石破がこれを持ち出したのはやや意外だった。石破は7年前、日本記者クラブでの講演でアベノミクスや異次元金融緩和を批判していたからだ。『こんな政策をいつまでもできるわけがない』『おかしくないかと誰も言わない自民党は怖い。大東亜戦争の時がそうだった』とも」こうして石破は、彼ならばアベノミクスの出鱈目からキッパリと卒業させてくれるのではないかという期待を早々に裏切ったのだった。そうなると、本来なら野党が進み出て、「石破さんでもアベノミクス清算は無理でしたね。では我々が引き受けましょう」と根源的な批判を繰り出すべきところだが、総選挙を通じてそのような言論を聞くことはなかった。

政治•経済

2025.01.09

「アベノミクス」を総括できない  石破政権の錯誤と展望なき施策  政権交代もなく「脱安倍」も進められない日本の暗澹②   高野 孟 ●ジャーナリスト
「アベノミクス」を総括できない 石破政権の錯誤と展望なき施策 政権交代もなく「脱安倍」も進められない日本の暗澹② 高野 孟 ●ジャーナリスト

安倍政権とその後継の膿を出しきれ  そういう観点からして、仮に野党第一党である立憲が事前の政党連合を組もうとした場合、どういう内容になっただろうか。いろいろな考え方があると思うが、私のスタンスは「リベラル左派」なので、「安倍政権とその亜流に過ぎなかった菅義偉、岸田文雄政権の12年間に溜まりに溜まった塵や膿や毒を完膚なきまでに綺麗に清掃することなしにはこの国は一歩も前に進めない」ということを次期政権の中心テーマに設定しただろう。  そのテーマを、どこから手を付けてどのように達成していくか。肝心なのは次の3本柱である。  3本柱の第1は、安倍政治において顕著だったお友達同士の「身贔屓主義(クローニズム)」、「縁故主義(ネポティズム)」、「世襲主義(ヘレディテリズム)」など、発展途上国ないし第3世界の独裁政権も顔負けの内輪でベタベタ舐め合うような政治体質の究明と克服である。実は派閥の論理に従った裏金づくりというのも、あるいはまた統一教会の活動家を事務所の中枢スタッフにまで呼び込んでしまうという驚くべき警戒心の欠如という問題も、全てこの政治体質の現れに過ぎない。異例のスピードで選挙を乗り切ってしまおうとする日程を設営した森山裕幹事長としては、過熱報道の対象となった「裏金」問題を他から切り離して迅速に処理し、「非公認」「公認はしても比例重複なし」などと尤もらしくランク分けして、それで落選する者は落選して「はい、禊は済みました」ということで政権のスタートに弾みをつけられると思ったのだろう。しかしそれは浅知恵というもので、有権者の「裏金」への不快感を通り越した怒りの激しさ、そしてそれが安倍時代から散々繰り返されてきた、身内で利権を貪り合い、露見しても嘘や言い逃れで誤魔化して真相解明に応じようとしない卑劣さへの嫌悪感とも深々と連動していることを余りに軽視していた。統一教会の問題1つをとっても、韓国発祥の邪教というだけでなく、かつての植民者である日本からはいくらカネを搾り取っても構わないと公言してきた反日団体であり、さらにはKCIAの手先となって米国や日本の議会にロビー工作を行ってきた謀略機関でさえあるものを、なぜ岸信介、安倍晋太郎・晋三の3代にわたってこれほどまでに熱心に日本の政界に導き入れてきたのかは、未だに正しく解明されていない。あるいは、モリカケ問題と言われた「森友学園」への国有地払い下げの不正疑惑では、財務省末端の真面目な職員の赤木俊夫が命を絶ってまで断罪したにも関わらず、それに深く加担した安倍昭恵も当時の理財局長の佐川宣寿も何ら問い糺されることなく、安穏に暮らしているのが不思議である。   モリカケの「カケ」の方で言えば、安倍晋三のお友達が経営する加計学園が銚子市に作った「千葉科学大学」が定員の半分も学生が集まらずに経営が行き詰まり、これを銚子市に押し付けて逃げ出そうとしていて顰蹙を買っている(このことは余り知られていないかもしれないが、私は千葉県民なのでローカルニュースで詳しく読んでいる)。この学校には、今回何とか当選を果たした萩生田光一が2009年に落選した後の3年間「名誉客員教授」に就任して月10万円とかの給料を貰い、そのお陰で浪人時代を乗り切ることができて「助かった」と本人も言っているような、つまりは安倍のお友達の相互扶助組織なのだが、そんなものを銚子市民の負担に押し付けてどうするというのか。こういうことの一つ一つがすべて安倍政治の悪魔の遺産であり、きちんと始末をつけなければならないというのに、石破は裏金問題一つをとっても中途半端に終わった。

政治•経済

2025.01.08

「アベノミクス」を総括できない  石破政権の錯誤と展望なき施策  政権交代もなく「脱安倍」も進められない日本の暗澹①   高野 孟 ●ジャーナリスト
「アベノミクス」を総括できない 石破政権の錯誤と展望なき施策 政権交代もなく「脱安倍」も進められない日本の暗澹① 高野 孟 ●ジャーナリスト

政権交代のチャンスを逃した野党  総選挙の結果は、自民党が単独過半数を42も割り込む191議席、自公合わせても215議席でまだ過半数に18も届かないという歴史的惨敗に終わった。来年に結党70周年を迎える自民党が、その長い歴史の中で政権を手放したことは2度あって、1993〜94年の細川・羽田両政権の10ヵ月間と2009〜12年の鳩山・菅直人・野田の旧民主党政権の3年3ヵ月間だけ。93年の時は、衆院定数511、過半数256に対して自民は33足りない223議席にとどまった。09年の時は、定数480、過半数241に対して自民は122も足りない119議席のまさに大惨敗に陥った。それぞれ定数が異なるので、定数に対する自民の獲得議席の占有率で比較すると、09年の24・8%、93年の43・6%に対して今回は41・1%で、前者には遥かに及ばないが、後者を下回っている。つまり、今回もし野党が予め結束を準備していれば政権交代が起きてもおかしくなかったのである。    逆に言うと、立憲民主党の野田佳彦代表は、選挙戦を通じて口先では盛んに「政権交代」を訴えたものの、単独過半数を獲得できるだけの候補者を用意できている訳ではなく、そうかといって他の野党と協力して候補者の一本化を図るのでもなく、どちらでもない中途半端に流れ、野党第一党としての責任を果たさなかった。仮に今回、立憲が右に翼を広げて維新、国民民主と「中道右派連合」を組んで臨んでいれば、小選挙区の得票率で自公合計の39・1%に対し立維国の合計は44・5%で、これにさらに候補者一本化の効果が加わるので、圧倒的な政権交代が起きていただろう。あるいは、立憲が左に手を伸ばして共産、れいわ、社民と「中道左派連合」を成した場合でも、立共れ社合計は37・1%で、ここでも一本化効果が強く働くので、やはり政権交代が起きておかしくなかった。 「政権交代ある政治風土」の再考  多くの国民が石破茂首相の指導力のなさ、言動のコロコロ・ヨタヨタぶりを指摘しており、私も、この人はもう少し骨があるというか、それなりの覚悟と考え深さを持ってこの機会に挑んでいるものと思っていたので、余りのことに唖然としている一人ではあるけれども、それと同時に、野田が口先で政権交代を唱えるばかりで実際にはそのための準備を何もしてこなかった無責任さにも呆れ返っているのである。イタリア政治研究家の後房雄名古屋大学名誉教授は、日本とほぼ同時期に同様の選挙制度を導入したイタリアでは、保守・リベラル両陣営が共に徹底的な選挙協力・政党連合を追求することで2大勢力による「政権交代ある政治風土」を耕してきた歴史があることを紹介しつつ、次のように言い切っている。「小選挙区制に相応しい選挙戦略は何かといえば、核心は2大勢力が政党連合によってすべての小選挙区で候補者を統一することである。……日本やイタリアのように、中選挙区制や完全比例代表制の時代が長く多党制が定着していた国が小選挙区制に転換した場合においては、ただちに2大政党制が確立することは困難であり、また不自然でもある。しかし、事前の政党連合によって、首相候補とマニフェストを統一したうえで全小選挙区で候補者を統一できれば、機能的には2大政党制と同様の役割を果たすことができ、有権者の政権選択を可能にすることができる。〔この〕イタリアの政党の戦略的行動様式は、日本の政党、特に野党に最も欠けて いるものとして注目に値する」(『政権交代への軌跡』、花伝社、2009年刊)。  こういう国際的な連立政治についての常識が日本では全く通用しないということが残念極まりない。さらに奇妙なのは、その協力を組もうという場合に必ず出てくるのが「基本政策で一致しなければ一緒にやれない」というセリフである。政党同士が理念や基本政策を異にするのは当たり前で、異にしないのであれば1つの党になればいい。このように全てで一致できない限り一緒にやれないと言って協力関係をブチ壊すことを辞さないという頑な態度を、昔の左翼用語では「最大限綱領主義」と呼んでバカにした。選挙協力を組もうという場合は、イタリアでは5年、日本では4年の下院任期の間にどうしてもこれとこれだけは実現したいという「最小限綱領」で合意して、「だからこの1期、我々に政権を任せてくれ」と課題も期間も限定して有権者に訴えかけるのでなければならない。まあ、この国の野党業界には国際標準から見て非常識ばかりが罷り通っているのである。

政治•経済

2025.01.07

“江戸のメディア王”蔦屋重三郎の原点は大遊郭・吉原
“江戸のメディア王”蔦屋重三郎の原点は大遊郭・吉原

 2025年のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺』の初回が1月5日㈰に総合テレビ地上波でオンエアされた。平安時代中期の貴族を扱った2024年『光る君へ』に続き、歴史上の大きな戦とは無縁の江戸中期から後期、治世者が老中・田沼意次から老中筆頭・松平定信へと入れ替わる前後の時代を扱っている。 主人公は戯作・狂歌・浮世絵などの様々なヒット作のプロデュースで名を成した‶江戸の出版王″蔦屋重三郎(以下、蔦重)。過去の大河ドラマの主役級のような誰もが知る英雄・武将ではないが、その墓碑銘に「士気英邁にして、細節を修めず、人と接するに信を以てす」とある。細部にこだわらぬ器の大きな人物だったことが推察できる。 このドラマの主要な舞台の一つが江戸の大遊郭・吉原だ。1750(寛延3)年に吉原で生まれた蔦重(本名・柯理(からまる))は幼くして両親が離婚、7歳のとき吉原の商家・喜多川氏に養子入りする(その屋号が「蔦屋」。現在、蔦屋書店を経営するCCC=カルチャーコンビニエンスクラブ創業者との血縁関係はない)。 この特殊な環境下で育った蔦重は、20歳を過ぎた頃に吉原大門の入り口付近に耕書堂という書店を出店する。そこで販売したのが『吉原細見』。妓楼や揚屋(ともに置屋に属する遊女たちを呼んで遊ぶ場所)、引手茶屋(遊女を呼ぶ客が待機する場)、遊女の名を詳しく記した小冊子。要はガイドブックだった。これが出版ビジネスにおける蔦重のスタートラインである。 『細見』の版元は、江戸ナンバーワンの地本問屋・鱗形屋孫兵衛。蔦重はやがて孫兵衛の下で『細見』の編集にも携わるようになり、出版ビジネスを学んでゆく。(つづく) ✴︎主な参考文献: 松木寛著『蔦屋重三郎 江戸芸術の演出者』日本経済新聞社 安藤優一郎監修『江戸の色町 遊女と吉原の歴史』カンゼン

連載•小説

2025.01.06

日本の外国人労働者 就職・転職でハローワーク利用は4%と低調
日本の外国人労働者 就職・転職でハローワーク利用は4%と低調

 外国人労働者が日本で就職・転職する際にハローワークによる職業紹介を利用しているのは、わずか4%にとどまることが、厚生労働省の初の実態調査でわかった。国内で働く外国人の43%は、SNSを含む「知人、友人」を介して職を得ているが、トラブルも増えており、厚労省は外国人に対してハローワークの存在を周知するとともに、相談支援態勢の強化を図ることが求められる。 ■初の実態調査 厚労省は2024年12月26日、国内の外国人労働者の就職・転職状況や賃金水準など労働実態に関する初の調査結果を公表した。この調査は、日本で働く外国人が増加し続ける中で、その労働実態を広範に把握し、政策立案などに生かすのが狙いだ。 2023年10~11月に実施され、外国人を雇用する3534事業所と外国人労働者1万1629人が回答しており、こうした外国人労働者の実態を反映した統計は史上初めてのものとなった。  日本に住む外国人の就職・転職の方法では、SNSを含む「知人、友人」の43%が最多で、求人広告が19・3%、民間紹介会社が9・9%で続いた。ハローワークを利用したのは、3・9%だった。  技能実習制度に代わり、2027年までに新たに始まる外国人材受け入れのための「育成就労制度」では、それまでは禁じられていた国内での転職が認められる。このため、悪質なブローカー排除に向け、就職・転職手続きの仲介はハローワークなど公的機関に限定されることになる。そうした事態が迫っているにもかかわらず、外国人のハローワークの利用が極端に低い現状は深刻な問題だ。厚労省は今後、各地の自治体との連携も強め、周知を徹底する必要がある。 ■トラブルは14%  今回の初の調査では、外国人労働者で就労上のトラブルを抱えている人は14・4%に上った。トラブルの内容別(複数回答)では「紹介会社(送り出し機関含む)の費用が高い」が19・6%で最多。 「説明以上に高い日本語能力を求められた」(13・6%)、「仕事内容について説明がなかった」(7・3%)など、事業所側の説明の不備が理由の回答も目立った。  事業所が外国人を雇う理由(複数回答)は「労働力不足の解消・緩和」が64・8%と最も多く、雇用上の課題では、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が44・8%と突出していた。  外国人労働者を巡っては、在留資格別の人数を把握できる統計などはこれまでにもあったが、サンプル数も少なく、労働実態が適切に把握できていないとして、今回の初調査が行われた。厚労省は今後も毎年1回、調査を続ける方針だ。 ただ、調査結果を政策にしっかりと反映させ、外国人労働者を手厚く保護しなければ、「お飾り調査」に終わってしまいかねない。新たな「育成就労制度」が始まる際、海外から「選ばれる国」にはなるためにも、政府の今後の政策が注目される。

北九州小倉の中学生殺傷事件 平原容疑者逮捕も精神鑑定で実態解明は長期化か
北九州小倉の中学生殺傷事件 平原容疑者逮捕も精神鑑定で実態解明は長期化か

 北九州小倉南区のファーストフード店で中学生の男女2人が殺傷された事件で、男子生徒への殺人未遂容疑で無職平原政徳容疑者(43)が逮捕されてから10日が過ぎた。同容疑者は「その行為をした」と容疑を認めているものの、2人との接点は見つかっておらず、動機は明らかになっていない。県警は2025年の新年早々、20日勾留満期をめどに女子生徒への殺人容疑で再逮捕に踏み切る方針だが、起訴に向けては鑑定留置の実施が濃厚とみられ、動機や犯行経緯の解明は長期化の様相を呈している。 ▼騒音で苦情  2024年12月14日夜、平穏なはずのファーストフード店で女子生徒の命が絶たれ、男子生徒が重傷を負った前代未聞の凶悪事件。 平原容疑者は現場近くの一軒家に住んでおり、近隣住民が騒音などで警察に複数回にわたり苦情を訴えていたことや、大量の刃物を所持していたことが判明している。奇行も発覚し、これだけの刃物を所持していたのだから、本来は警察が自傷や他害行為の恐れがあるとして、精神保健福祉法に基づき、保健所に通報していてもおかしくはないレベルだ。 福岡県警小倉南署に設置された捜査本部の発表などによると、平原容疑者が騒音トラブルなどで警察に通報されたのは、同年5月と10月と2回あった。平原容疑者の大声を注意した住民が怒鳴り返されるなどしており、警察の当時の対応が適切だったかの検証も今後は必要になるだろう。 ▼取り調べで激昂  福岡県警は防犯カメラの追跡捜査などを重ね、事件発生から5日後の19日に平原容疑者の逮捕に踏み切った。捜査関係者らによると、調べに対し、犯行自体は認めているものの、動機や経緯に関する追及には激昂するなど、膠着状態が続いているという。  捜査本部は現時点では無差別殺傷事件とみているが、過去に無差別殺傷事件で逮捕・起訴された犯罪者のケースを考えると、精神鑑定を行うために鑑定留置となる可能性が高い。  鑑定留置は3か月から1年近い期間を要する恐れもあるため、起訴して公開の法廷で裁かれるまでには、年単位の期間がかかるとみられる。裁判員裁判で裁かれることもあり、検察も慎重な対応を取らざるをえないため、鑑定留置の実施はやむをえないだろう。 ▼被害者遺族に寄り添って ただ、何の落ち度もないのに、突如明るい未来が絶たれた女子生徒や重傷を負った男子生徒を思うと、実態解明や厳罰が下される時期は早いに越したことはないはずだ。さらに、起訴にこぎつけたとしても、平原容疑者側が裁判で心神耗弱や心神喪失を訴え、減刑や無罪を主張する可能性もある。警察・検察には、厳格な姿勢で捜査や裁判に臨み、被害者遺族にも寄り添った対応が必至となる。

社会•事件

2025.01.05

現役国会議員秘書 紅良作の2025政経国内展望
現役国会議員秘書 紅良作の2025政経国内展望

明けましておめでとうございます。 令和7年が皆さまにとって希望に溢れる1年となりますように願っております。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 インフレ、利下げ、賃上げ、エネルギー  さて、今年は諸外国では過度なインフレが一旦落ち着いて高金利から利下げが始まるだろう。だが、我が国においては今更ながら利上げが進み上半期には0.75%に、長期金利は1%に、その後は利上げの影響を見極めつつ様子見とするだろう。日銀による大胆な金融緩和は2013年から実施され、「2%の物価安定」を「2年程度の期間」を念頭におきながらできるだけ早期に実現することを想定していた。結果はどうだったか。マクロモデルで実質GDPを1.3%から1.8%、消費者物価の上昇率を0.5%から0.7%分、それぞれ押し上げに留まっている。想定していた効果とは程遠い結果であった。効果と副作用を慎重に検証することなく例外的な金融政策を濫発してきたことには反省が必要である。2%の物価安定目標を長期間にわたって達成できなかったのは2014年に消費税が8%に、2019年に10%に引き上げられたことよるのは一目瞭然である。金融政策と財政政策の協調がうまくいかない場合、デフレ脱却は難しく金融政策にばかりに負荷がかかってしまう。金融と財政の政策議論を深める必要がある。  賃上げについては一層に順調に進み4%から5%の間をターゲットとして高い水準を維持すると目される。企業の業績好調のみならず人材不足は深刻で賃金の高騰は避けられない。所得向上により消費は持ち直す。利上げによって日米の金利差は縮小し円高傾向で推移する。賃金上昇による価格転嫁は進むが円高を受けて2025年から2026年にかけて物価指数は2%を割り込む可能性がある。  エネルギーに関しては随分と高騰が緩和されてきた。12月の電気料金は関西電力以外の9社は軒並み値下げしている。1月からは電気・ガスに対して昨年の夏と同様に補助金を出すことを政府が11月に閣議決定していることから小売価格は少しだけ更に下がる。ただ、天然ガスはウクライナ情勢から世界中で売切れ状態が続いておりロシア以外からの調達が容易ではない。よって、天然ガスの高騰は2025年も続くだろう。 2025年問題  最後にかねてから言われてきた「2025年問題」というものがある。介護・医療業界での労働力不足による現場の体制崩壊が危惧されること指す。2025年には団塊の世代にあたる約800万人が一斉に75歳以上となる。それによって人口の約30%が65歳以上の高齢者となる。20歳から64歳の現役世代は人口の55%しかいない。2025年以降、社会保障費が爆発的に増大することは避けられない。財政の問題より更に深刻なのは高齢者の生活や健康に及ぼす影響である。医療や介護の需要の急増に対応する施設や人材が圧倒的に不足している。このことが医療や介護の質の低下や施設利用までの待機時間の増加を招く可能性がある。現役の労働力が家庭内での介護にたくさんの時間と大きな労力を費やすようになると生産性が下がり経済全体の成長を妨げることに繋がる。このことは医療や介護の業界だけではない。物流業界、IT・通信業界、建設業界、製造業界にも言えることである。  これらの問題を踏まえて生産性の向上のためのDX推進の強化、働く環境整備の推進、人材の多様化、地域ぐるみの社会形成、企業の社会的責任の見直しなど今以上に迅速に対応し整備を進めないといけません。行政や企業は将来への格段の投資が必要であり、政府は惜しむことなく後押しなければ国家の存続の危機に陥ります。DX化への投資を進め業務効率化や自動化を国を挙げて後押しし推進し人材不足の解消と競争力強化に取り組まなければなりません。今年も輝かしい未来の為の一日一生を歩みたいと思います。(紅 良作)

政治•経済

2025.01.03

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