医療•健康 社会•事件 味覚の頂上戦 キリンの「カトラリー」vs味の素の「ウエアラブル型デバイス」
味覚の頂上戦 キリンの「カトラリー」vs味の素の「ウエアラブル型デバイス」
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2026/01/10

 飲料メーカーのキリンが手掛ける味覚を操る魔法のスプーンが大人気だ。商品名は「エレキソルト」。その名の通り微弱な電気を流し、食べ物の塩味を感じさせやすくする技術「電気味覚」搭載のカトラリーだ。

価格は2万5000円と高額だが、第一弾のスプーンは2024年5月の発売開始から7カ月で予定の7倍を上回る注文が殺到した。

「味」と付けば元祖の味の素も参戦だ。キリンが電気味覚の研究を始めた19年から2年後に同様の研究を始めたが、同社はカトラリー型ではなく、フェイスラインに装着するタイプや肩にかけるタイプなど複数のウエアラブル型デバイスを開発した。

原理上は、カトラリー型は口元から離れると塩味の増強効果が切れてしまうと考えられるが、味の素製品を同社は、噛んでいる間も電気を流し続ければ効果が持続すると説明している。

「じゃああんたが作ってみろよ」と告げられた女房の料理に不満なアナタ、ぜひ購入してみては。

ところで味の素はすでに「味」の企業ではない。

同社は25年5月8日、26年3月期の連結純利益(国際会計基準)を発表しているが、それは前期比70%増の1200億円になる見通しで3年ぶりに過去最高益を更新する見込みである。

増益の主な牽引役は、半導体材料や医薬品を扱う事業で、全体の増益要因である約200億円のうち170億円余をこの事業が占めている。

医薬品分野では、バイオや遺伝子治療などの先進医療で大幅な成長が見込まれている。半導体材料も絶好調で、味の素ファインテクノが手掛ける層間絶縁材料(ABF)は、AI半導体向けとしてほぼ100%のシェアを誇る。

生成AIサーバーやAI搭載PCの心臓部である高性能半導体(CPU)の絶縁材に世界中のメーカーが使っており、追い風が吹きまくっている状況だ。(梛野順三)

 

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