社会•事件
2025.11.08
今夏の参議院議員選挙では野党が挙って賃上げ、もしくは減税、またはその両方を主張 して国民の支持を得ようと躍起になっていた。少なくとも国民民主党は消費税減税と居特 税控除の引上げ、ガソリン暫定税率の廃止などを公約に掲げ昨年の衆院選に続いて躍進を 遂げた。電機連合、電力総連、自動車総連、UAゼンセンなど大手の労働組合を支持母体と する国民民主党は昨年の衆院選以前は変わらず賃上げ一辺倒の公約を掲げてきたのだが国 民の反応はイマイチだった。それもそのはず、賃上げは政治家の努力だけでは進まない、 どちらかというと経営者側に負担をお願いしないといけない政策である。一方、減税によ る可処分所得の拡大は政治家の立法によって可能である。政党が掲げる公約や政治家の力 によって実現可能なものでなければならないと気付くのに国民民主党は5年以上かかって いる。それでも自助努力に拘る公約に切り替えた直後に躍進が始まったのだから遅ればせ ながらビンゴであった。 一方、与党自民党は2029年までに最低賃金1500円にする方針を示している。最低賃金の 引き上げによる賃上げは労働組合が目指す賃上げとは違う。労使で協調するのではなく強 権的に使用者側の負担を増大させる政治的行為である。最低賃金は最低であるのだから労 働市場の賃上げをリードするべきではない。あくまで下支えであるべきだ。石破内閣の意 向を汲んで厚労省審議会は8月4日に最低賃金の過去最大幅となる63円を引き上げる方針を 決めた。これによってすべての都道府県で最低賃金が1000円以上となる。自民党は「賃上 げこそが成長戦略の要という基本的な理念」などというが国民民主党はそうではなく国民 負担の軽減こそが経済活性化に繋がることに開眼し一気に支持を広げた。つまり、自民党 は国民ニーズを掴み切れないどころか逆進的な政策を打ち進めてしまっている。 企業経営にとって売り上げに見合った人件費率でしか採算を確保できない。飛躍的な売 上の向上が見られない場合は最低賃金が上昇した場合は労働者数を減らされるか労働時間 を絞られることが予想される。効率性や生産性を向上させて労力負担を減らすようになる 。労働者にとって働く機会が減少することによって労働環境が不安定になる。賃上げと引 き換えに働くチャンスを失っては本末転倒だ。今、政府がするべきことは企業が十分な収 益を確保すするためのバックアップを強化すること。設備投資などの後押しも欠かせない 。そして、地域間格差の解消に関しても最低賃金ランク区分の見直しなどで対応するべき だ。 頭ごなしに最低賃金の引き上げを否定するつもりはないが、減税による経済成長を優先 する方がわかりやすいしモチベーションもアップしやすい。少数与党による政権運営であ るからこそ、お互いの公約の良いところをバランスさせて欲しい。 (坂本雅彦)
自民、日本維新の会、公明、立憲民主、国民民主、共産の6党で遂にガソリンの暫定税 率の廃止について合意した。ガソリン減税は地方在住者にとって大きな恩恵である。多く の国民が与野党の合意を歓迎しているが合意書の中には釈然としない文言も明記されてい る。 まず、「ガソリン・軽油の暫定税率廃止のための安定財源確保については、以下の方針 に基づいて検討し、結論を得る。」と明記されており減税のための財源確保の必要性が盛 り込まれている。財政出動のための財源を唱えるならば理解できないこともないが、減税 のための財源を唱えるとは理解不能だ。政府の支出に対する回収が税であるが、その回収 を減らだけのことであり財源とは関係ない。 それにも関わらず合意書には次のような増税を匂わす文章を盛り込んでいる。 「国際競争力の確保、実質賃金の動向等を見極めながら、法人税関係租税特別措置の見 直し、極めて高い所得の負担の見直し等の税制措置を検討し、令和7年末までに結論を得 る。」 これは金融所得課税の強化を意味するのだろうか、人数が少なく税単価が良い高所得者に 対する増税を意図することが察せられる。もう一つは、 「道路関連インフラ保全の重要性、物価動向等やCO2削減目標との関係にも留意しつつ、 安定財源を確保するための具体的な方策を引き続き検討し、今後1年程度を目途に結論を 得る。」 環境保全を大義とする自動車関連税の創設を予告するような一文である。自動車関連税を 減税して自動車関連税を新設することを目論むとは国民も舐められたものである。 この紛れ込まされたトラップを令和8年税制大綱に盛り込まないように与野党6党合意 に参加していない参政党、日本保守党、れいわ新選組は監視を強めて増税を阻止してもら いたい。それにしても自民党税調や財務省は往生際が悪い。1.5兆円のガソリン減税なんど GDPのコンマ以下の微々たるもの。恐るるに足らずである。(坂本 雅彦)
2025.11.01
2025.10.30
2025.10.29
政治と金の問題で選挙に大敗したにも関わらず、2025年9月の自由民主党総裁選挙に際し、高市早苗総理は「決着済み」の認識を示してきた。 新総理の抱えるもう一つの不安材料が安倍晋三元総理の射殺事件のきっかけとなった自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係。総裁選挙の前に、お笑いタレント・中田敦彦の『YouTube大学』に出演した際の総理の言動が物議を呼んでいる。旧統一教会の教義について「初めて聞いた」と答え、教祖の文鮮明をご存知ですか? と聞かれると、「すみません」としか言わなかった。 愛国保守は統一教会を許せるか?裏金、消費税、国民の怒りとの向き合い方とは 高市総理が主張してきたスパイ防止法の制定を、「国民が国家への忠誠を誓う法律」として統一教会は強力に推進。旧統一教会系の政治団体『国際勝共連合』は、1984年に中曽根政権がスパイ防止法を議員提案する前から、『スパイ防止法制定促進国民会議』の発起人に名を連ねている。 反日教義を持ちながら、政治家を支援してきたカルト教団の教義や教祖について聞かれ、答えることができない総理に不安を感じる国民もいる。 2022年8月に第2次岸田改造内閣で経済安全保障担当大臣に就任した際の記者会見で高市総理は、旧統一教会の世界日報社が発行する月刊誌『ビューポイント』2001年4月号で対談した事実を認め、「親しい評論家の細川隆一郎氏の誘いだったため参加した。『ビューポイント』と旧統一教会との関係は知らなかった」と釈明したが、『しんぶん赤旗 日曜版』2023年3月19日号は、高市総理が、『世界日報』1994年4月24日付、1995年1月1日付、1996年1月1日付、1997年3月17日付、2001年1月5日、6日付の計6回、登場していると報じた。 『しんぶん赤旗 日曜版』2023年3月19日号 新たに旧統一教会との関係が出てくれば、高市総理にとって致命的スキャンダルになる。もし仮に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が、そうした証拠を握っていれば、高市総理は、教団に弱みを握られているも同然なのだ。 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の取材を続けてきたジャーナリストは、高市政権が3月に解散命令を下した裁判所に圧力をかけるのではないか、と不安がっていた。 日本は建前上三権分立だから、行政権が司法権に介入することは許されていない。憲法第76条第3項は「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」と規定しており、裁判官の独立性を保障している。 だが、実際は10月23日投稿『高市新政権の発足でカルト教団が復権?』で指摘したように、裁判所にも裏金が存在し、裏金を使える身分に出世するのを生涯の目標とする判事がおり、そのことが裁判所の公平・公正性を損なっていると指摘する元判事もいる。 https://timessha.jp/society-incident/takaichi251023/ 検察の裏金隠しが、検察と政権の癒着を産み、森友・加計問題をはじめ、数々の不祥事や疑惑が報道されながら、安倍長期政権を担保してきた。旧統一教会の教祖や反日教義について聞かれ、「すみません。はじめて聞きました」とカマトトぶっていた高市総理も、この政治的教訓だけは、しっかり記憶しているかも知れない。 検察の裏金隠しと政権との黒い癒着(三井環著) アメリカのトランプ政権は、三権分立なんか”クソ食らえ”とばかりに、「単一行政理論(UET)」を掲げ、司法権に介入している。トランプ大統領も安倍元総理とともに、ビデオメッセージを旧統一教会に送っていた。 今崎幸彦・第21代最高裁判所長官や会計検査院は、政治家から裁判所の裏金疑惑を追及する圧力を受けても、筋を通せるのか。
10月3日に開業したばかりのTOYOTA ARENA TOKYOに行って来た。有明エリアに既に多数のスポーツ施設があるのにこんなに増やして大丈夫だろうかという多少の危惧を抱いてしまう。有明アリーナ、有明体操競技場、有明アーバンスポーツパーク、有明テニスの森、青海アーバンスポーツパーク、東京アクアティクスセンター、東京辰巳国際水泳場、IHIステージアラウンド、アクアシティお台場、有明コロシアム、ZEPPダイバーシティ東京などその他にも多数の大小の会場施設がお台場周辺には林立している。既にオリンピックも終わっているし少し心配になる。 TOYOTA ARENA TOKYOはゆりかもめの青海駅とりんかい線の東京テレポート駅からすぐの好立地。パレットタウンの跡地である。世界都市博覧会が中止となり、その予定地を三井不動産や森ビルが賃貸して開発されたのがパレットタウン。中世欧州風のVenusFort、MEGA WEB、パレットタウン大観覧車、Zepp Tokyoなど多様な施設が集積しており、国内外から延べ4億人が訪れていたとされる。東京都と三井不動産や森ビルとの賃貸契約の終了を受けてパレットタウンは営業を修了した。その跡地を東京都は814億円で森ビルとトヨタ自動車に売却した。リーマンショックの影響などもあり再整備は遅れてきたがトヨタ自動車、森ビル、東和不動産(トヨタ系列)、東京都が協議してコンベンション施設を建設することで合意していた。これまで東京国際クルーズターミナルや有明ガーデンなどが開業しており東京都はお台場を副都心として開発に力を入れてきた。テレビ朝日もSGCホール有明やEXホール有明などを含む東京ドリームパークの開業を2026年春に予定している。コナミホールディングスが建設中の大型複合施設コナミクリエイティブフロント東京ベイも開業が迫っている。 このように一気に再整備と開発が進むお台場エリアに登場したTOYOTA ARENA TOKYOだがまずは順調なスタートを切ったと言っても良いだろう。TOYOTA ARENA TOKYOを本拠地として活動するバスケットボールのB1リーグに所属するアルバルク東京の前身はトヨタ自動車バスケットボール部。アルバルク東京がTOYOTA ARENA TOKYOを本拠地するのは当然と言えるが、2026年シーズンからは前身は日立製作所バスケットボール部のサンロッカーズ渋谷もTOYOTA ARENA TOKYOを本拠地とすることが決まっている。この2チームによって年間60試合程度の利用が見込まれる。 TOYOTA ARENA TOKYOで観戦しての感想は最新式の設備だけあって音響や照明が抜群に良い。センター頭上の箱型のビジョンも微妙に傾斜をつけてあり見やすい。オーバル形状による没入感も味わえる。椅子の感覚も広くクッションも厚め、メタボな拙者には実にありがたい。収容人数は11000人、この日の来場数は約7千人。3年連続の地区2位が続いておりファンの優勝への期待も大きいことから来場数が1万人を超える日はそう遠くないだろう。欲を言えばビールの売り子だけでなくハイボールの売り子もいたらありがたい。長―い階段の上がり降りを繰り返すことは酔っ払いには危険である。 (坂本 雅彦)
2025.10.26
2025.10.25






