社会•事件
2024.11.09
2024.11.09
2024.11.08
2024.11.08
リニア新幹線では静岡県が揺れたが、今度はお隣、山梨県大揺れという話 富士山五合目までを道路だけではなく鉄道でも行くことができるようにするというのが富士山登山鉄道構想である。最大の推進者は山梨県だが、この構想にいの一番に乗ってきたのは御手洗富士夫経団連名誉会長であるとか山東昭子元参議院議長などである。まあ、そのようなことはほんの彩に過ぎない。構想そのものは雑駁に言えば、かなり以前からある五合目までの自動車道、富士スバルライン上に路面電車を走らせるというものである。要するに新しく鉄道路線を建設するというような壮大なものものではない。そういうわけだけでもないだろうが山梨県全体としてはこの構想は、ほぼコンセンサスが取れてはいる。県としてもこの構想推進については問題なく進行できると考えていた。静岡県のように知事が反対の旗振りをするようなことはなく現職知事含めおおむね構想推進の立場である。 ところがこの構想に妙な形で反対してきた勢力が出てきて県が揺れはじめる。反対を唱える勢力を奇妙だというつもりはさらさらない。反対の仕方が誠に奇妙なのである。 反対勢力は4月26日に満を持して団体を立ち上げた。それが「富士山登山鉄道に反対する会」というもので代表は富士山麓の富士吉田市にある浅間神社宮司である。反対勢力の急先鋒は富士吉田市堀内茂市長である。堀内市長は団体の顧問に就いている。この団体の言い分はこうなる。 「登山鉄道が信仰の対象と芸術の源泉である世界文化遺産の富士山を冒とくしている」 新しく鉄道を敷設することによって富士山の自然を破壊する、であるとか、環境にもよくない、などという点から反対を唱えるというのならば、なるほどそうかもしれないな、と思わせるのだが、そういうことは二の次、三の次で彼らの反対の冒頭が、“富士山の冒涜”と来られては、ん?、冒涜?、とならざるを得ない。鉄道の敷設が富士山をどのように冒涜するのだろうか?これまで五合目までは道路はあるのだ。車やバスならば富士山は冒涜されないのだろうか。また、今回の構想は既存の道路上に鉄路を敷くというもので地形や環境の破壊はあまりなさそうである。反対団体の代表が浅間神社の宮司ということもあってことさら鉄道の富士山への冒涜が目につくのだろうか、などとあらぬことまで想像してしまうのだ。何をどのように冒涜するのかがはっきりしていないだけにこの反対提唱には説得力が伴わないのだ。この奇妙奇天烈なる反対表明を取材してみるとなんとも意外な実態が顔を出してくる。事態は佳境に入ってくる。
2024.11.07
〝潰し〟ありきで乗り込んできた地元銀行 事業再生を大義名分にして入り込んできた銀行がやったことといえば、過酷な債権回収はじめ、再生どころか〝潰し〟だった。かりそめにも銀行がそんな蛮行に出たのである。これはニュースにならざるを得ない。しかも、県の指定金融機関なのである。その銀行が、このようなことを堂々と展開するとは当事者のみならず知る者は誰もが目を瞠るのだ。まさしく前代未聞の異常事態というしかない。 その銀行とは、沖縄銀行である。 なにが起きているのか。時系列で丁寧に綴っていこう。 10年ほど前にさかのぼる。 平成20年前後、泡盛の老舗メーカである久米仙酒造株式会社は、沖縄のある名士にこんな依頼をする。 「久米仙酒造は経営面で困窮している。この伝統的会社の火を消したくない。出資の調達ができませんか」││。 名士は、「我が故郷の振興、再建になるなら」、と、二つ返事でこの申し出に応じ、久米仙酒造の全株を引き受けた。 その上、久米仙正造の窮状を凌ぐために沖縄銀行を紹介、同社のメーンバンクに据えた。この名士は、従前、沖縄銀行の頭取案件を見事解決した経緯があるのだ。同行に対して絶大なる信頼がこの名士にはあったのである。そんな名士からの依頼を沖縄銀行は断れるはずもない。ましてや、沖縄の地場産業の革新にある会社の窮状救援、そして再建なのである。 「会長(名士のこと)が全株お持ちの老舗、私たちが100%応援させて戴きましょう!」。胸の一つも叩きかねな勢いで久米仙酒造に乗り込んできた。当然、当初の目的だった融資も実行される。いうまでもないことだが、銀行はそれが主業なのである。 ここまでは、確かに順調だった。 『破産しろ!』、突然声を荒げはじめた ところが、である。 平成二二年以降、久米仙酒造に対する沖縄銀行の態度は一変する。 同社の担当となった(その時すでに短刀は何代目かになっていた)G、S、Kという3人の法人部担当者らは、口を揃えて、自分の担当顧客に向かって、 『破産しろ!』、『オーナーの株をみんな売ってしまえ!』、『こうなったらもう潰れるぞ!』などと、銀行の担当者として信じられないようなことを口にし始めたのだ。挙げ句、あれほど敬意を表していた、先の名士に対しても、 「(久米仙酒造の)社主として、株主責任がある!」、 などと、それまでの敬意などどこかに置き忘れてしまったかのような信じがたい暴言を吐く始末。同じ組織から出たものとは思えないような発言、言動のオンパレードとなるのだ。わけだが、 久米仙酒造側は、この沖縄銀行のコペルニクス的変貌になすすべもなくむしろ呆れて傍観するしかなかったという。それはそうだろう。 沖縄銀行は、なぜこのような豹変となったのか。 「考えられることはひとつしかありません。さいけんの回収とともに当社に盛んにM&Aを勧誘してきていたのです。しかし、当社は、老舗という自負も抱いていますし、そうそう安直に同業他社に身を売るようなまねはできない。だから、この話はきっぱりと断ってきたのです。ええ、沖縄銀行からは、M&Aの勧誘は一切ではありませんでした。この断りが、どうも彼ら(沖縄銀行)の琴線に触れてしまったのではないか、と思うのです」(久米仙酒造関係者)。 久米仙酒造にだって老舗だけに大いなる矜持という、ものがある。M&Aなどというと聞こえはいいが、要は、債権債務の関係性を強調して、同社を思いのままに銀行の傘下に入れてしまおうと企んでいたとしかいいようがない。債権者特有の上から目線というやつだ。 銀行からの〝いじめ〟がエスカレート ところがその企みは久米仙酒造の矜持が受け付けなかった。それはそうであろう。自分たちには、沖縄特有の泡盛造りという最高の地場産業に担い手であるという思いがある。いかに債務があろうと、金融機関の拝金主義の企みになど乗るものか。 こんな見上げた意地があるのだ。これは、まさに、東映フライヤーズ(巨人軍ではない)の張本勲ばりの天晴れ、というほかはない。金じゃないんだ!、M&Aがなんだ、冗談じゃない。久米仙酒造は、沖縄銀行からの黒い誘惑をきっぱりはねつける。 「これが、沖縄銀行のプライドを傷つけたに違いありません」(同)。 それからは、沖縄銀行からの〝いじめ〟はそれこそ底なし沼のように続いていく。 「債務は、きちんと返済していっているのです。にもかかわらず、ひどい仕打ちが続くのです」(同)。 沖縄銀行は、まず最初の暴挙を打ってくる。 それまでは、美ら島サービサーが窓口となって沖縄県信用保証協会ならびに沖縄振興開発金融公庫との連携により銀行メインでの返済を続けていたわけだが(つまり、債務者としてのオブリゲーションは間違いなく果たしていたということである)、それを突然、返済の中止を宣言し、それまでの枠組みを解体してしまったのだ。 これを暴挙といわずしてなんというべきであろうか。 久米仙酒造としては、戸惑いしか残らない。 追い打ちをかけるように、沖縄銀行は、追い打ちをかけてくる。なんと、前年に設備投資で建設した工場設備を競売にかけてきたのである。 「久米仙酒造という法人に対する死刑宣告としかいいようがない無茶な行為です。沖縄銀行は、私たちが何を言っても聞き入れる余地はありません」(同)。 久米仙酒造側は、あらゆる考えられる手を尽くして、美ら海サービサー~沖縄銀行にアプローチするものの、一切それが取り上げられるような場面にはならない。(後編に続く)
2024.11.06
2024.11.06
明々白々な詐欺事件 その連中は、昨年7月12日に警視庁捜査二課に詐欺容疑で逮捕された。 新聞では事件を次のように報じている。 仮想通貨発行巡り詐欺容疑 全日本プロレスの元オーナーら逮捕 新規の暗号資産(仮想通貨)発行への出資名目で、美術品販売会社から1億5000万円を詐取したとして、警視庁捜査2課は12日、詐欺容疑で、職業不詳野崎勝弘容疑者(59)=東京都港区=と、職業不詳白石伸生容疑者(50)=東京都千代田区=ら男3人を逮捕した。捜査関係者らによると、白石容疑者は、全日本プロレスの元オーナー。他に逮捕されたのは、職業不詳竹本誠容疑者(57)=横浜市磯子区。捜査2課は、野崎容疑者と白石容疑者が主導し、白石容疑者が実質的に経営する仮想通貨交換業者が事業を担うとうそを言って、出資を持ちかけたとみている。 捜査2課によると、事業は実体がなく、金は借金の返済などに使われたとみられる。野崎容疑者らは「300億円規模の資金調達をする。流通すれば利益が出る」などと説明していたという。 逮捕容疑は2018年3~4月ごろ、共謀して東京都中央区の美術品販売会社に新規の仮想通貨を発行すると持ちかけ、現金を詐取した疑い。捜査2課は認否を明らかにしていない。 事業に進展がなく、野崎容疑者らと連絡が取れなくなったため、美術品販売会社が20年5月に告訴していた。(サンケイスポーツ2023年7月12日付記事) 容疑者の中に全日本プロレスの元オーナーがいたことでスポーツ紙がいの一番に採り上げたのだろう。実際一般紙ではこの事件の扱いはいわゆるベタ扱いだった。 同事件の告訴状がここにある。そこではきわめて精緻に事件の全容が綴られている。ここにその一部始終を記しはしないが、Ⅰ億5千万円を首尾よく詐取した経緯は正に手慣れたもので事件の白眉だけにざっと引用しよう。これはとりもなおさず被疑者らの明白な犯意を証明するものなのだ。 例えばこんなくだり。いよいよウソの仮想通貨交換業者に両者(告訴人と被告訴人)が等分に出資を実行しようとする場面。詐欺漢にとっては実際に金を引っ張る最も重要なシーンである。 『~前略~告訴人側と被告訴人野崎らとで面談を行った際、告訴人側から被告訴人に対し、告訴人、被告訴人側それぞれ半額ずつ出資する方法を提案した。 これは、告訴人において、事業立ち上げん移載しての出資金を告訴人が全額負担するとなると、告訴人が単独で事業を行うに等しいこと、被告訴人側それぞれ半額ずつイン側が何らのリスクも負わないのは不安であったことによる。 具体的には、告訴人から被告訴人野崎に対し、告訴人が7500万円、BMI Japan社(※被告訴人側の会社)が7500万円をそれぞれ出資し、出資金の合計額をⅠ億5000万円とするのはどうかと提案したものである。 そうしたところ、被告人野崎より、出資額をⅠ億5000万円に拡大し、それぞれⅠ億5000万円を出資し、出資金の合計を3億円とする旨の提案を受けた。~後略~』。 元々出資する気もない、いや、実際に出資する原資も持たない〝詐欺漢〟たちにとってここは一世一代のパフォーマンスを演じなければならないシーンなのである。相互の出資額をドーンと引き上げる提案をすることで相手(告訴人)の不安を解消しようとしているのである。告訴人にしてみれば、『よもやこの連中(被告訴人)は(出資する)カネがないのでは?。すると共同出資といいながらすべて私(告訴人)が出資する羽目になるのでは?』、という不安に戦いているところ、いきなり倍額などと提示されたらすっかり安心するのである。 このあたりの巧みな展開などを見ても被疑者どもの犯意は明確である。 ちなみに告訴状は令和2年の5月に出されている。捜査に3年あまりが費やされたのだ。それでも告訴を受けた警視庁は捜査を投げ出さなかった。それだけ被疑者の悪意を捜査員らが如実に感じられたのだろう。ついに逮捕にこぎ着けた。 この時の警視庁捜査二課の達成感というのは察して余りある。天晴れと言うしかない。 警視庁は自信を持って送検した。しかし… 告訴人はいう。 「長い時間がかかりましたが、それでも詐欺漢どもが逮捕されて、ああ、ようやく報われた、と思ったものです。警視庁の捜査官たちには思わずねぎらいの言葉を掛けたくなったほどです」。 これは詐欺の被害者としてまったく正直な思いであろう。Ⅰ億5千万円もの大金を詐取されたのである。長きに渡って喪心せずがんばってくれた捜査員一人一人の肩でも叩きたくなったというのは人として真意そのものといっていい。 ここで終わってしまったらまあ凡庸なストーリーに過ぎないが、ことはそうそう単純じゃない。本題はここからにある。 送検された被疑者どものは半年近い(!)時間を経過してある処分となった。 なんと不起訴処分なのである。 送検後半年という時間をかけたというのも異例だが、東京地検刑事部が出した結論が不起訴処分とは誰もが予想だにしなかったまさしく奇想天外な結末である。 「絶句しました」(被害者)。 当然であろう。 まさしく前代未聞の顛末となった詐欺事件。本誌ではこの経緯をこれから深掘りしていく。 東京地検刑事部で何があったのか。
2024.11.05




