社会•事件

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ゴミのポイ捨てに2000円の罰則(渋谷区)
ゴミのポイ捨てに2000円の罰則(渋谷区)

 2001年にニューヨークで起きた9.11同時多発テロ以降、公園や道路、駅など公共の場に設置されていたゴミ箱の多くが姿を消した。少なからず残っていたのは飲料用の自販機に付属したゴミ箱くらい。テロが起きたニューヨークよりも東京の方が、ゴミ箱が少ないという状況となっている。インバウンドが急激に増加しゴミのポイ捨て問題が深刻化するのは自明の理である。 東京都渋谷区議会は「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」を成立させた。本条例でコンビニエンスストアやテークアウト可の飲食店、自販機の設置者などにゴミ箱の設置や適正管理を義務づける。怠った場合は5万円以下の過料を科し、ポイ捨てした人へも新たに過料2万円以下の罰則(実際の運用は2000円の罰金を徴収)を定められている。2026年4月1日から施行される。取締りや周知にはこれまで路上喫煙やたばこのポイ捨てを指導してきた分煙対策指導員を増員してゴミのポイ捨てへの指導や過料徴収を行う。 本条例の施行に併せて渋谷区が行政として設置するゴミ箱を増やすことは予定されていない。あくまでも事業者に設置を促すことになる。多くのゴミはコンビニやカフェでの購入物であるがほとんどのコンビニのゴミ箱が店内にあることから本条例が飛躍的な改善に繋がるかどうかは疑問である。 2025年4月に大分県の由布院で同様の条例が施行されたが、事業者への義務付けと罰則規定は同じだが、行政も新たな喫煙所やゴミ箱を設置して環境美化に予算を投じている。併せて「おたがい箱」というものも設置し、自分の店で出たゴミだけでなく来街者が出したゴミの回収できる方策を取り入れた。おたがい箱の設置にかかる費用は行政によって予算されており全面的に支援している。 政府はインバウンドを増やすことにばかりに力を入れるのではなく、受け入れる為の設備投資にも目を向けなければならない。インバウンド対策を民間に強いるばかりでは、観光立国は成立しない。官民のバランスが大切であろう。(坂本雅彦)

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2025.12.21

独走スクープ連載 『我が国の砲身はどこに向けられているのか』~知られざる防衛前線を追う~ 第5回
独走スクープ連載 『我が国の砲身はどこに向けられているのか』~知られざる防衛前線を追う~ 第5回

高市政権になって〝防衛〟は最重要キーワードとなった。補正予算では防衛費増強だけが主眼となっている。そんな状況の中、猿ヶ森では防衛省による土地買い占めの動きが人知れず進行している。このことは文字通り水面下でひっそりと進行している。何のために。その答えは本連載第4回の中で出ている。地元地権者の一人、蟹ヶ谷久一の証言である。 ここ猿ヶ森に曰く、『すっげえ拠点を造る』のである。この渺茫とした砂丘に〝拠点〟を造る。前の対戦中日本軍(海軍)は鎮守府なる根拠地をこしらえ連合軍に対峙した。横須賀や呉、佐世保、舞鶴である。蟹ヶ谷のいう『すっげえ拠点』なる表現はまさにかつてあった鎮守府を連想させる。それも直ちに、だ。ここ猿ヶ森は鎮守府になるのか。そうとでも解釈しない限り、今、猿ヶ森の土地を求めて防衛省が地元地権者のもとを訪れている行動の意図が理解できないのだ。何の意味もなく、余っているとしても大事な予算を費消するその意図は見いだせない。 この事態だけでも慄然とせざるを得ないのにさらなる異常な動きが出てきた。猿ヶ森の古い地権者である宮崎作蔵(81仮名 漁業)がいう。 「わしんとこも(わたしのところにも)わしの持っとる地べた(土地)を買いに来たもんがおるんだ。防衛省?ちがうだ。防衛省のもんとは違うんじゃ。買いに来たもんは日本人ではないだべ。どこのもんかて(どこに人ですかだって)?それがの中国だべさ(※宮崎はその中国人の名前をハッキリ筆者に明かした)。ちゃんとした通訳の人と一緒にやって来ただべ。中国からやってきて猿ヶ森の土地を買うんじゃと。おら、ぶったまげた。なんてことじゃ、はじめは冗談かとおもったが、そりゃ熱心に(土地を)買いたい、買いたいというんだ。今の土地代(地価)の倍、いやあ最後は三倍だすて言ってきた。おら、怖くなって帰ってもらっただ。最後はわしが追い出しただよ」。 宮崎の話はまさしく瞠目に値する。防衛省が買い占めに入っていると見られる土地をまるで防衛省を追いかけるようにして中国人が買おうとしている。 この事態の意味はどういうことか。よもや防衛省の秘密裏の買い占めを中国人が支援しようとしているわけではあるまい。 ここ一世紀は何事もなく静かだった猿ヶ森だが、この一年そこそこで大きな動きが勃発してきた。その動きの先には暗い予感しか見いだせない。ただ猿ヶ森の砂丘を噛む太平洋の波は今日も穏やかに見える。(連載終 敬称略)フリーランスライター 廣田玉紀

12歳少女の人身取引 厳格対処が必須 少女の勇気を無駄にするな
12歳少女の人身取引 厳格対処が必須 少女の勇気を無駄にするな

タイ国籍の12歳の少女が性的サービスを強いられる悪質な事件が発覚した。東京都文京区の個室マッサージ店で少女を働かせたとして、警視庁が経営者の男を労働基準法違反容疑で逮捕し、母親についても児童福祉法違反容疑で逮捕状を取った。少女は6月に短期滞在の在留資格で母親と来日後、店に置き去りにされ、33日間で男性客60人に性的サービスを強いられていたという。深刻な人身取引であり、捜査当局には、店側の厳しい刑事処分は当然だが、利用した客側に対しても児童ポルノ禁止法違反(児童買春罪)の適用も視野に、厳格な対処が求められる。 ■自ら助け求める タイ人少女が9月、店から逃げ出して出入国在留管理局に助けを求めたことで、事件が判明した。日本で言えばまだ中学生になったばかりの少女を支配下に置き、性的搾取に利用した店側の悪質性は極めて高い。母親からも裏切られたような形で異国に置き去りにされた少女が負った心の傷は相当なものだろう。。警察当局は徹底的な捜査によって事件の全容解明するのはもちろん、少女の心的ケアにも努めることが不可欠だ。 2000年に採択された国連の議定書によると、性的搾取や強制労働を目的に、不当な手段で人を引き渡す行為などが人身取引にあたる。被害者が18歳未満の場合は、手段を問わずに人身取引にあたるという。 ■人身売買罪の適用難しく ただ、日本でも2005年に人の売買を直接処罰する人身売買罪は制定されたものの、立証のハードルが高いこともあり、今回のタイ人少女のように他の罪を適用せざるをえないケースがほとんどだ。本来は売買を手引きする組織も含めて、人身売買に関与した関係者を厳しく罰するには、人身売買罪の積極的な適用が欠かせない。 警察当局や検察当局は、改めて人身売買罪の立証方法を見直すなど、積極的な摘発につなげられるような運用に努めるべきだ。幼い少女への買春という愚行に走った客側への処罰も検討が必要だろう。 異国の地から突然、犯罪組織に引き渡され、性的サービスを強いられたタイ人少女が勇気を出して助けを求めたからこそ発覚した今回の事件。捜査機関は、少女の「勇気」を決して無駄にしてはならない。(桜田亮)

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2025.12.10

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