社会•事件
2025.11.29
2025.11.29
商品を製造することも販売することもなく、大したサービスも提供しない、付加価値はほぼ皆無なのに否応なく収入は入ってくると言う事業体がある。お察しの通り、税務署である。税務署は政府の徴税権を担い日本に住まう個人や法人から一手に税の収納を任されている。よほど過大な人員配置や経費の無駄遣いがなければ税務署が赤字になることはありえないと考えるのが普通。ところが不思議なことに全国には赤字の税務署が結構存在する。 愛知県豊田税務署は5075億円の赤字、神奈川税務署は1419億円の赤字、広島県海田税務署は1303億円の赤字、京都府右京税務署は678億円の赤字、大阪府浪速税務署は325億円の赤字、愛知県刈谷税務署は252億円の赤字、等々赤字の税務署は多数存在し枚挙に暇がない。 それではなぜ多くの税務署が赤字になってしまっているのか。それは輸出企業に対する消費税の還付金が高額であるからだ。豊田税務署はトヨタ自動車に6102億円、神奈川税務署は日産自動車に2283億円、海田税務署はマツダに1714億円、右京税務署は村田製作所に762億円、浪速税務署はクボタに566億円、刈谷税務署はデンソーに1058億円の消費税を還付している。収納した税収よりも消費税の還付金の方が高額であるために税務署の収支がマイナスになっているのだ。(2023年データ元・全国商工新聞2024年9月23日より) 収めた消費税を返すだけなのになぜ赤字になるのかと疑問に思う人いるだろう。輸出業者に対する消費税は0%だからそもそも輸出商品に対してトヨタや日産などは消費税を支払うことはない。しかし、トヨタや日産などには多額の消費税が還付されている。では還付されている消費税はどこから徴収した消費税なのか。実はトヨタや日産が商品を製造するにあたって必要とする経費や仕入れなどが発生するバリューチェーン全体に係る消費税が輸出者であるトヨタや日産に一括して還付されている。つまり、輸出商品に対して消費税を1円も負担していないトヨタや日産に下請けや仕入れ先など背後で関わったすべての企業が支払った消費税が全額還付されているという仕組みである。国全体で事業者が収めた2022年度の消費税は約20兆2千億円、そのうち還付金は約7兆1千億円で約35%にも上る。ちなみにトヨタは売り上げの80%が輸出であり、輸出還付金が大きすぎて本来納めなければならない国内売り上げに係る消費税を納めずに還付金と相殺している。相殺してもなお足りずに還付されているのが6102億円なのだ。このことにからも消費税は預かり金ではない。消費税は商品価格の一部であり直接税である。預かってもいない税を還付することはあり得ないことだが、消費税は預かり金ではないから実質的に輸出補助金として交付しているのと何ら変わりない。消費税にはゼロ税率と仕入税額控除があるために輸出を行う大企業に巨額の還付金が生じるのである。おかげでナショナルメーカーを抱える地区の税務署が赤字になることは珍しくない。(坂本雅彦)
2025.11.25
2025.11.22
西日本新聞の報道によると福岡私立学校での給食のドタキャンが5年で2万食に上り問題になっているという。福岡市では小学校が校内で、中学が市内3か所の給食センターで調理にあたっている。発注は各学校が専用システムを通じ必要な食数を市学校給食公社に知らせる。必要ない場合は、小学校は3営業日前、中学校は5営業日前までにキャンセルの手続きが必要となる。食材は提供日の数日前から下処理を始めるのでその後のキャンセルは破棄処分するしかなくなる。冷凍品などはフードバンクに寄付することもあるが下処理を必要とする食材は破棄する以外にない。直前キャンセルをした学校は58校。うち21校は複数回の発注ミスをしている。 福岡市では今年8月から給食費無償化をスタートさせている。無償化されるまでは月額で徴収した給食費から提供のない日数分を返金してきた。直近5年で誤発注で生じた返金額は約430万円となっている。 市教育委員会によると誤発注の原因は教員間の連携不足だという。今も昔も教員の仕事は負担が大き過ぎることが問題視されてきた。最近では教員を補助する人員の配置も進んでいる。この際、給食の発注は教員の仕事ではなく教員以外の仕事に移行させるべきではないだろうか。もしくは、DX化を進め、年間の学校行事を入力すれば学校給食公社がその情報を共有できるようにすればよいのではないか。インフルエンザなどで学級閉鎖になった時などイレギュラーなケースだけ人力に頼れば十分である。人が声かけあってする仕事よりシステム化する方が安全で確実である。システム化してもそれほど複雑な仕組みではないことから大きな予算は必要としないだろう。(坂本雅彦)
2025.11.21
2025.11.20
2025.11.19
11月6日投稿の『失われた30年の真犯人 異常な低金利政策が続く理由を考える』では、日本経済は「流動性の罠」の状態に陥っているのではないか? と言われており、バブル崩壊後の90年代前半以降、世界の経済史上かつて行われたことがない2%以下の長期の低金利政策が、30年以上続いており、「流動性の罠」に陥っているので、金融緩和を行っても、経済成長に結びつかないのではないか、と論じた。 では、金利を上げるとどうなるか考えてみよう。利上げに限らず、どんな経済政策の変更も、メリットとデメリットがあり、得をする者、損をする者がいる。 金利上昇によって損をするのは、変動金利で金融機関から金を借りている個人や企業であり、預金者や債権所有者は、金利上昇は望ましい。利上げはインフレを抑制する一方、景気を冷え込ませるとされる。通常は高金利政策では通貨価値が上昇(円高)し、輸出には不利だが、輸入には有利になるとされる。 利上げには、変動金利で住宅ローンを借りた個人や、設備投資や従業員の給与支払いの為に金融機関から借金した企業への救済策が必要だろう。投機目的の借金、外国人・外国企業の借金は、救済対象から除外するしかない。そうしないと、税金で投機や外国人(外国企業)を救うのか? という批判が噴出すると思われる。 問題は、その財源だが、消費税の輸出還付金を充てればいいというのが筆者の提案だ。実質的に輸出企業への補助金となっている輸出還付金は、財務省が総額の公表を拒否しているが、少なくとも10兆円を超えており、巨額の消費税が還付されてきた。 【消費税の輸出還付金は12兆円だぞ?なぜそれを国民に公表しない?隠していると思われても不思議じゃないぞ!】 https://www.youtube.com/watch?v=zsvQkueQP6k&t=605s 輸出還付金制度は、輸出企業にとって有利なのだ。 その証拠に、トヨタ会長や経団連会長は、国内の消費を落ち込ませる消費税の増税に賛成していたのである。 日本経済新聞『トヨタ社長「将来にツケ回さないよう消費増税を」』 https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2801L_Y3A820C1000000/ 東京新聞『「消費税増税から逃げてはいけない」経団連会長 ジャニーズ広告打ち切り問題は「タレントも被害者」』 https://www.tokyo-np.co.jp/article/278371 商売人に過ぎない彼らが、この国の将来や、社会保障費の財源を心配してくれるのには、国民として感謝に堪えない。ならば、“先ず隗より始めよ”であり、輸出還付金を返上してもいいのではないか。 トヨタ自動車の直近の決算(2026年3月期第2四半期累計)における営業利益は2兆56億円。2026年3月期の通期営業利益見通し3兆4000億円とされる。23年4月期から24年3月期のトヨタへの還付金は6102億円と試算(湖東京至税理士)される。 政府は、アメリカのように消費税のない国の輸入品から10%の消費税を税関で徴収することを止め、輸出補助金である輸出還付金の廃止を条件に、現在15%のトランプ関税を、5%、少なくとも10%以下に低減するようにアメリカ政府と交渉をすべきだ。 利上げに財務官僚が慎重なのは、国の借金の利払いが増えるからという。だが、日本国民の2025年第2四半期末時点の家計の現金・預金残高は、1126兆円あり、国の利払いが増えるのを相殺できる。 ところが、利上げに反対する抵抗勢力は国内だけではない。むしろ海外の反対勢力への対処が難しいと思われる。 (青山みつお)
2025.11.18





