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混乱の中で斉藤元彦元兵庫県知事の出直し選挙が告示  元県民局長による告発文は嘘八百なのか、それとも真実なのか
混乱の中で斉藤元彦元兵庫県知事の出直し選挙が告示 元県民局長による告発文は嘘八百なのか、それとも真実なのか

 本サイトに緊急寄稿! すべてを知る重鎮現役秘書による兵庫県知事選のすべて (その1) (※写真は、斎藤元彦HPより)  兵庫県知事選挙が違った意味で熱い。何が違うのか。各候補者の政策論争から焦点が反れてしまっている。そもそもこの選挙が行われるのはパワハラなどの内部告発を巡り県議会で不信任決議を受けた斎藤元彦兵庫県知事が9月末で辞職して出直し選挙を行うことを決めたからだ。  問題の発端は今年の3月12日に当時の西播磨県民局長が知事に対する7つの疑惑を明記した文書を県議会議員、マスコミ、警察に配布したことによる。記載された疑惑の内容は、 知事に関して 職員を怒鳴りつけるなどのパワハラ 企業から贈答品を受け取っていたこと 産業労働部長らを連れて商工会などに出向き知事選での投票を依頼した 副知事に対して プロ野球優勝パレードに必要な寄付金集めで、補助金を増額しキックバックさせた 公益財団法人の理事長に対し、副理事長2人の解任を通告し強いストレスをかけた 知事の政治資金パーティー券の購入に関して商工会議所に対して圧力をかけた 知事選で事前運動した 以上の7項目である。このような文書が配布されるに至ったのは兵庫県庁内で派閥による主導権争いが存在していたことによる。斎藤元彦知事に不平不満を募らせたグループが存在していた。斎藤知事は牛タン倶楽部と呼ばれている仙台勤務時代からの仲間を重要ポストに据えるなど優遇したり、議会に関しても議員定数の削減や報酬削減などを打ち出すなどしたことから抵抗勢力を生んでいたことは確かだ。そのような不満分子が影日向に暗躍していた状況にあった。   告発内容それぞれの真偽は   配布された書面に対し斎藤元彦知事は3月27日の記者会見で、「事実無根の内容がたくさん含まれている。嘘八百を含めて、文書を作って流す行為は公務員として失格」と強い言葉で批判した。元県民局長の公用パソコンは没収されパソコンに残されたデータが解析された。県は5月に内部調査で「文書は核心的な部分が事実ではなく、真実と考える合理的な根拠は何ら示されなかった」と結論を出して男性職員を停職3カ月の懲戒処分にした。 告発者が誰なのかを突き止める調査に利害関係者が含まれていたことから兵庫県議会は百条委員会を51年ぶりに設置して改めて究明することとなった。百条委員会は7月末に辞職した片山安孝前副知事をはじめ県職員らを証人尋問。告発した元県民局長にも出席を求めていたが7月に自殺しているのが見つかった。 1.について8月末には百条委員会で斎藤知事が出席しパワハラを認めることは無かったものの、20メートル手前で降ろされて歩かされたことを「強い言葉で厳しく叱責した」ことは認めている。しょうもない出来事にも関わらず強い言葉で厳しく叱責することは正しくパワハラそのものなのではないか。同時期には百条委員会に初めて知事によるパワハラ被害を訴える者が勇気を出して名乗り出ている。知事は「不快な思いをさせたのであれば謝りたい」と発言しているが、知事が主張するパワハラではなく正当な叱責であるのならば誤る必要などない。王様や貴族でもたかだか20メートル歩かされただけで強い言葉で厳しく叱責することはないであろう。当時の斎藤知事がいかに傲慢であったか察することはできよう。 2.について亡くなった県民局長が遺族に託した音声が百条委員会に提出されている。その音声データでは確かに知事がワインをおねだりする声が収録されてはいるが糾弾されるほどのものではないと思われる。その他に贈答品としてコーヒーメーカーを受け取るように産業労働部長に指示したとされるが、こちらは実際に受け取っていた。だが、告発文書が明るみにでると産業労働部長がこっそりと返却していた。この問題は刑事告発されて産業労働部長が警察の事情聴取を受けている。贈答品に関して県産品のPR名目で多数の物品が知事に送られているし、視察時に手土産も多数受け取っている。それらを贈賄だと決めつけることは聊か暴論にも思える。私利私欲を出さず公人であることを強く意識していれば多少の物品を受け取ることは何の問題もないことであろう。斎藤知事がとった中途半端な態度や発言が斎藤知事の隠れアンチに揚げ足をとられる結果を招いたと言える。 3.の知事選での投票の依頼は当事者によって発言が否定されていることから未来永劫真相は不明のままである。これを主張したところで水掛け論にしかならない。 4.この問題は刑事告発されているので警察の捜査の進展を待つべきではあるが、疑惑の状況だけ触れておく。プロ野球優勝パレードの開催が決定し4億円ほどの資金が必要となった。県は県下企業に寄付を依頼するとともにクラウドファンディングなどを使って寄付金を集めたが3億円ほどが不足した。パレード開催の前日となって片山副知事が県下の金融機関に改めて寄付金の増額を依頼する。前日の依頼であるから金融機関側にパレードでの宣伝広告などのPRメリットは間に合わず見込めない。それにも関わらず各金融機関からの寄付金は軒並み増額され一気に膨らむ。中心となって動いたのは但陽信用金庫である。片山副知事が前日に唯一訪問した金融機関だ。但陽信用金庫の寄付は50万円から300万円に増額された。片山知事からの依頼を受けた但陽信用金庫は尼崎信用金庫、姫路信用金庫など県下の金融機関に軒並み連絡をして、県に代わってパレードへの寄付金の大幅な増額を依頼する。表向きは何のメリットもない増額であるが何故かほとんどの金融機関が一気に寄付金を増額することとなった。亡くなった県民局長が書いているのは、寄付金の不足分を信用金庫への県補助金を増額し、それを寄付としてキックバックさせることでパレードの費用の不足を補ったということである。つまり、寄付金と補助金がセットであったという疑惑だ。ここに登場する補助金とは県の金融機関向けの中小企業経営改善・成長力強化支援事業による補助金のことである。2023年11月14日の財政課長査定の段階では補助金総額は1億円だったが、16日の産業労働部の事業計画では総額3億7500万円に増額され、21日に斎藤知事の判断で4億円が補正予算に組まれることになった。この補助金が増額されなければ金融機関の寄付の増額もなかったのではないかという疑惑について一部の金融機関の幹部が証言してしまっている。金融機関の内部のメールやLINEを証拠として一部メディアに公開し、金融機関内で寄付金と補助金がセットであることを説明するやりとりや、増額する金額や他の金融機関の動きなどがその証拠から読み取れる。公式には各金融機関は寄付と補助金の関係を否定している。しかし、金融機関が何のメリットもない寄付の大幅増額を足並みそろえて短時間で決定することは奇跡であってもPCが故障しても起こりえないのではないか。寄付金増額の背景には補助金の増額があったという金融機関幹部の証言は動機付けとして妥当と言えよう。この一件も市民団体によって刑事告発されており告発文にある密約の有無は捜査の結果を待つ他ない。 5.6.に関しては当事者の確認が取れていない。真偽は定かではない。 7.の前回の知事選挙での事前運動に関しては疑義が晴れていない。以前から斎藤知事は選挙運動員買収の容疑で既に刑事告発されていた。地元政治家29人に労務費報酬を支払いながら選挙運動にも参加させていた疑いである。29人の政治家のうち14人が斎藤知事の応援演説を行ったことが問題視されている。労務費を払う対象はウグイス嬢やパスター貼りの作業員に限られる。選挙運動に関わる人員に報酬を支払うことは禁じられている。問題視されている14名の中には自民党の盛山正仁衆議院議員も含まれていた。事前運動に関しては斎藤知事が大阪府財政課長として視察に兵庫県に行った際に短時間の演説を行い、その時に出席した者がアンケートに当事者として回答している。とはいえ、その時の音声が示されたわけではないことから違法性は問えないと察する。   県職員の42%が斎藤知事に否定的   以上が所謂7つの疑惑である。パワハラ、贈答品、キックバック、事前運動以外の事項は虚偽とは断定できないものの確証は得ることはできない。つまり、半信半疑もしくは事実無根のことだ。贈答品の授受、補助金のキックバックに関しては警察がいずれ判断することになる。告発者である元県民局長が必ずしも正義とは言い切れない。一方、知事はこれらを単なる言いがかりだと切り捨てることはできない。県職員(約9700名)に行われたアンケート調査の結果では42%が知事によるパワハラを見聞きしたと回答している。百条委員会でも知事からパワハラを受けたという被害者が証言している。アンケートの回答は伝聞が多いために事実とは異なる可能性が高いものの、少なくとも約4000名もの職員が知事に対して否定的な回答を行っている事実は見逃せない。一般企業の社長がこのような状態に陥ると忽ち倒産に至るか内部崩壊を招き事業の継続が困難な状況に陥るだろう。 以上のことから元県民局長が配布した告発文は頭ごなしに怪文書ないしはデマだと決めつけることはできない。パワハラに関しては12月に百条委員会が正式な見解を出すだろうし、事前運動に関しても然りである。

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2024.11.14

これがアメリカの実体だ! トランプ政権が暴くアメリカ経済
これがアメリカの実体だ! トランプ政権が暴くアメリカ経済

本サイトニューヨーク特派員から寄せられた驚くべきアメリカの実態   驚くべきレポートが本サイトのニューヨーク支局特派員より寄せられた。トランプ勝利によって民主党の実情が明かされる。  誰もが知らなかった民主党バイデン政権の闇である。    恐らくご存知のことと思いますがトランプは過去の民主党のやってきた数々のスキャンダル を暴き公表して行く予定であるそうです! カマラハリスも数百万ドルの裏資金とか検事時代の汚職もそうですがバイデン親子の ウクライナを利用しての数億ドルの隠し資金の隠蔽、そして多くの政治家から億万長者か 絡んでいたジェフリーエスビタイン事件ーー彼は億万長者ですが2019年にニューヨークの 拘置所で自殺したと言われていますがクリントンからビルゲイツ、アンドリュー王子 からハリウッドのスターを含めてバージン諸島の秘密の島に多くの未成年者を集めて 性奴隷にしていた女の子を当てがってもらい堪能していたそうです! トランプはこれらを全て暴き公表するようです! これもアメリカの隠れた闇の世界の出来事です! これがアメリカの実態なのだ。

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2024.11.13

元内閣府特命大臣 竹本直一の『政界一刀両断』 大阪万博は絶対に成功する!その2
元内閣府特命大臣 竹本直一の『政界一刀両断』 大阪万博は絶対に成功する!その2

大阪万博誘致に血道を上げた  7年前、当時の松井(一郎)大阪知事が言い出して大阪万博の誘致が始まった。その時のことを思い出しますよ。二階(俊博)さんが〝(大阪万博誘致の)議連を作ったらいいじゃないか〟と提唱、河村(建夫)幹事長(当時)が旗振り役になった。その議連にはなんと共産党の議員も入ったんだからね。すごいでしょう?文字通り超党派による議連だったんだ。  ところがね、誰とは言わんが大阪出身の国会議員が反対しおってね、大阪出身ですよ。こういうこともあるんですよ、威圧だって反対する人は出てくるもんだ。それは今だって同じなんですな。もちろん、そういう声を頭から無視しようなどとは思ってもいないし、耳を貸さないなどとも思いません。ただね、開催するからにはそれは絶対に成功させなければならないのです。私は経済対策の専門家として、この大阪万博は必ず成功すると信じています。ありとあらゆる観点から見ても成功します。開催して失敗するという要素はありません。それはつまり成功するということです。  万博開催にこぎ着けるために私は血道を上げて駆けずり回りました。  なにしろ、BIE(国際博覧会協会 本部パリ)に誘致の運動のために行くのだって自腹でいったんですからね、自腹ですよ。  いいですか、オリンピックは主催者は東京都ですよ、東京都。ところがね、万博は開催場所の行政体じゃない。国ですよ、国。ここんとこ判っていない人も多いかもしれません。国挙げて行うエキシビジョンの誘致運動の旅費を私はね、自腹だったんです。え、何故かって?先ほど言ったように万博誘致に猛烈に反対する大阪出身の国会議員がいたんでね、まあ、そういう人の批判をかわすためにも国費を使わず自腹にしたんですよ。あれじゃああんまりだと言うんで河村さんが半分だけ負担してくれましたがね。それでも私はパリまで行って誘致を働きかけた。最有力候補だったフランスが誘致合戦から降りたのも私がずいぶん根回しをしたものでした。最後は、アゼルバイジャンを落とし、ロシアとの決戦となった。一騎打ちですよ。2016年のことだ。その時訪ロした安倍(晋三)さんは、帰国するなり、私を呼んでこう言うのです。 安倍元総理が言った、『プーチンは本気ですよ!』  『竹本先生、プーチンは(万博誘致に)本気ですよ』とね。  私は燃えましたですよ、プーチンが本気ならば、私だって本気も本気、真っ向から勝負だ!、と我が身を鼓舞させました。ロシアは最後のプレゼン(テーション)でボリショイバレエの団長のような美声の持ち主を起用したりしてそれはそれは気合いが入っていたようです。日本は私がプレゼンしましたよ。結果はなんと30票もの差を付けてこの一騎打ちに勝ったのです。  私は今でも請われれば、大阪万博の担当大臣に就くつもりもあるんです。大臣は現役の政治家でなくとも就けるんですからね。  それはさておき、大阪万博は間違いなく成功します。万博というのはいわば、産業の披露宴ですからね。  万博を開催することによって日本再生を図る。これこそ万博開催の祭壇の大義なんですよ。そのために私は政治家として最後のご奉公をさせてもらったんです。  あと一年半││。万博開催まで死ねません。毎日のウオーキングはやめません。  

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2024.11.07

自公政権の凋落の陰で国民民主党が大躍進したわけ
自公政権の凋落の陰で国民民主党が大躍進したわけ

選挙の主役となるシルバー世代からの批判を恐れず生産世代を意識した政策 先に行われた衆議院選挙において大方の予想通り自公政権の議席が過半数を割り込む与 党にとっては厳しい結果に終わった。自民党安倍派の政治資金パーティーの収益のキック バックを収支報告書に記載していなかった不記載問題への岸田政権の対応は生ぬるく国民 の反感は思った以上に大きかったということだろう。自民党総裁選挙が終わり石破新総理 が選ばれて首脳部を刷新し新政権が誕生したばかりの時期にはご祝儀的に支持率が一定期 間支持率が上振れる。その期間を狙い撃ちした解散総選挙であったが、自民党が思ってい たほど国民の歓迎機運は続かない。総選挙が公示されると石破政権の支持率は徐々に下落 。選挙戦半ばには多くのメディアで与党の過半数割れの可能性が報じられるようになる。 新政権は瞬く間に新鮮味を失い旧態依然としたように映る中、自民党の選挙戦略も良くな った。「ルールを守る」というキャッチフレーズを展開したのだ。このキャッチフレーズ を聞いたり目にした多くの国民は「あたりまえだろ」とか「小学生か」と突っ込んでいた ことだろう。冗談のようなキャッチフレーズの下で自民党の支持率は急降下。テレビなど のメディアでは不記載を犯した下村博文氏や羽生田光一氏、三林裕巳氏など大物議員たち が苦戦を強いられる様が面白おかしく報道される。和歌山では5年で50億円もの政策活動 費を使ったと言われる二階俊博氏の後継の三男と不記載問題で除名された世耕弘成氏との 壮絶な選挙戦が注目された。メディアはまるで悪対悪の頓珍漢な戦いをコントの如く演出 し選挙戦を煽る。終盤に差し掛かると自民党から非公認とされた議員に公示後にも関わら ず2000万円が党本部から支給されたことが公になる。非公認なのに党勢拡大を目的とする 政治活動費を振り込む意味がわからない。党とは関係なく戦うことを強いられた候補に党 勢拡大活動の費用を渡してどうするものか。共産党赤旗にスクープされたこの問題も自民 党大敗の大きな要因になったことは間違いない。 事業者ではなく政治家に問題を見出す  こうした自民党の転落劇の裏で急速に支持を拡大した政党がある。玉木雄一郎氏が率い る国民民主党である。国民民主党と言えば旧民主党の残党と小池百合子氏が創設し総選挙 で惨敗した希望の党で辛うじて生き残った議員らで結成し、さらに数年後には所属議員の 半数以上が立憲民主党に移ってしまうという事態に見舞われたオワコン政党の印象しかな い。世間では連合(日本労働組合総連合会)の組織内議員が既得権益として生き残った集 まりと思われていた。概ねその通りで国民民主党の議員の多くが労組の組織内議員と言っ ていい。自動車総連、UAゼンセン、電機連合、電力総連などは国民民主党に組織内議員を 有する。つまり、国民民主党は労働者向けの政策を前面に押し出してきた政党と言える。 春闘を年中やっているようなイメージの賃上げ要求政党であった。ただ近年の春闘を思い 起こすと多くの業界で3年以上の満額回答を獲得している。コロナ禍であっても満額の回 答を得ている。多くの大企業で賃上げ率は5%程度に膨らんでいる。歴史的高水準の賃上 げを獲得している一方で国民の生活水準には変化が見られない。変化がないどころか実質 賃金は何故か低下し続けている。給料は上がっているのに手取りは減り続けている。この 現象を踏まえてやっとというか今更というか漸く問題の本質に気が付いたのが国民民主党 であった。大企業から中小企業まで事業者は人材確保の観点から歯を食いしばって賃上げ に取り組んできた。一方、政治家や財務省は労働者の上がった賃金を消費税増税や健康保 険料や年金の負担増で刈り取ってしまっている。エネルギー料金の高騰、輸入物価の高騰 がそこへ追い打ちをかける。日銀の追加利上げというデフレ政策まで登場する始末。賃上 げが物価上昇に追いつかない所謂スタグフレーションの状態に陥っている。国民民主党は その活動方針を「給料を上げる」から「手取りを増やす」に大きく転換した。「事業者に 頼る」政策から「政治による税制改革と経済政策」へと施策を移行することで連合の一機 関的既得権益政党から脱皮する切欠を得た。連合にしか響かなかった政策が広く国民に支 持されるようになったのは国民民主党の立ち位置が大きく変わったからに他ならない。  例えば、所得税法についてはこうだ。現在の所得に対する基礎控除を103万円から178万 円まで引き上げるというもの。学生アルバイトやパートだけに恩恵のある政策ではない。 控除額が75万円分拡大し、全ての働く人の課税対象所得が減ることで大きな減税効果が及 ぶ。年収200万円の人は8.6万円の減税。年収300万円の人は11.3万円の減税、年収500万円 の人は13.2万円の減税、年収600万円の人は15.2万円の減税、年収800万円以上の人は22.8 万円の減税となる。これらの全税額はおおよそ消費税を5%に引き下げた時と同程度とな る。基礎控除を178万円まで引き上げる根拠はこの30年間の最低賃金の推移にある。現在 の基礎控除103万円は1995年から約30年間変わっていない。一方、最低賃金は1.73倍上が っている。30年間を経過した賃金上昇率に合わせて基礎控除額を上昇させると178万円に なる。東京の最低賃金は10月から1163円に引き上げられた。石破総理は2030年までの全 国の最低賃金を1500円にする意向を表明している。もし、基礎控除が103万円のままだと パートやアルバイトをしている人材は極限まで枯渇する。103万円を超えると扶養控除や 健康保険の扶養家族から外れることになる。学生アルバイトや共働きのパートは基礎控除 額の範囲内で働いている者が圧倒的に多い。このまま最低賃金ばかりが上昇すると労働力 不足は更に深刻となり経済成長を阻害する。国民民主党の打ち出す基礎控除を178万円ま で引き上げるという政策は控除による減税効果だけでなくパート、アルバイト等の労働力 の供給を後押しするという効果も備えている。また、控除の引き上げによる所得の圧縮に より健康保険料や年金も減額される効果が見込める。また、年金受給者にとってもメリッ トはある。年金の増額率は賃金や物価によって決まる。2024年は2.7%が増額された。所 謂「103万円壁」が178万円まで引き上げられることで多くの者が気兼ねなく現在よりもた くさん勤務することができるようになる。つまり、全体的に収入は一定程度上昇すること が予想できる。それに引かれて年金受給額もスライドすることになる。 三方よしのハイブリッド政策  国民民主党が唐突に打ち出した「103万円の壁」の打破、基礎控除の引き上げは、実質 的に所得税減税となり労働者にとっての利益となり、労働力の増加に繋がることから事業 者の後押しにもなる。そして、生産世代の収入の上昇と経済発展による物価上昇は年金受 給額の上昇にもつながる。労働者よし、事業者より、シルバー世代よし、の3方よしを叶 えるハイブリッド政策なのだ。  ところで、このような耳障りの良い政策を実行するための財源はどうするのかという疑 問を多くも者が持つだろう。現状において財源は心配に及ばない。政府税収は3年連続過 去最高を記録している。政府には18兆円近くも基金が積みあがっている。それ以外にも為 替差益が20兆円以上発生している。政府短期証券を発行することで外貨準備を崩さずに含 み益を一般会計に繰り入れることが可能だ。要するに政府には十分すぎる財源がある。消 費税減税もガソリン税減税も再エネ賦課金廃止もその原資は確保できているし実行可能な 状況にある。財源に困れば「日銀保有国債の一部永久国債化」等の代替策を検討すればよ い。  国民民主党には労組を母体としない議員が少数ではあるがいる。その筆頭である玉木雄 一郎が率いるからこそ、ハイブリッドな政策を打ち出し、それを正論化するにまで昇華で きたのだろう。必ずや政策を実現し高まった国民の期待に応えて欲しい。(世良 直)

政治•経済

2024.11.02

国際開発協会の増資と中国の独自路線の行方
国際開発協会の増資と中国の独自路線の行方

~IDAとは一線を画す中国の発展途上国に対する融資の全体像~  国際開発協会(以下、IDAという)関連法の改正法成立している。IDAとは世界銀行の関連団体である。主に低所得国向けに超長期で低利融資、もしくはグラントを提供している機関だ。同様の役割を持つ機関に国際復興開発銀行(IBRD)というものがあるが、そちらは中所得国を対象として長期融資を提供している。戦後の日本政府も新幹線網や高速道路網の整備の為にIBRDの融資を受けたことがある。それらの社会インフラ整備が進むことによって日本経済は高度経済成長を遂げたのだ。目覚ましい経済発展を遂げた日本は巨額の借入国から今では世界有数の資金供与国となっている。IDAは第二世銀と言われ、IBRDでは与信が付かないような貧困国をはじめとした発展途上国の社会資本への長期融資を行っている。  IDAに関する改正案は、IDAの増資計画に対して日本政府が約4206億円の追加出資を行うことを規定する法案だ。IDAは1960年に設立されて以来、3年ごとに増資を繰り返しており、今回は第20次の増資となる。前回の増資から2年しか経過していないが、新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックにより、ワクチンや医療提供体制を含む対応の支援の為のIDAの資金不足が見込まれた為に1年前倒して増資を行うことになったようだ。   日本は世界2位の出資国として枠組みを主導 今回の増資の計画とその枠組みの組成は日本が主導して行っている。昨年12月に日本が主催した最終会合でコロナ対策の支援規模を930億ドルとし、資金提供国から235億ドルを調達することで合意した。日本政府の負担額はこれまでの日本政府の出資比率を維持することを前提としており、3767億円を提供するとともに、最貧国の重債務に対する救援費用として438億円を追加で提供し、合計4206億円を予定している。 IDAの融資対象国は74ヶ国に上っている。通常の融資条件は40年返済、当初10年は元金を据え置き、金利は0.45%程度であるケースが多い。これに加えて融資残高の年0.75%の手数料が必要となる。 IDAの第20次の増資における日本の出資比率はこれまでと同水準を維持する方針だ。第19次の増資時の主要国の負担比率はというと、筆頭は英国で12%、続いて日本が10%、そして、アメリカが9.31%、ドイツが5.62%、フランスが5.06%、中国が3.72%、カナダが3.45%、スウェーデンが3.02%、オランダが2.93%などとなっている。名目GDPを参考にした出資比率からするとアメリカが少ないような気がする。逆にイギリスはGDP比で言うと圧倒的に大きな負担をしている。日本は2番目の負担比率であり妥当と言える。問題は中国だ。日本の約3倍のGDPを誇る中国がなんと日本の負担の1/2.5です。際立って少ない負担である。本来ならばアメリカ、中国、日本が主導して出資するのが適当であろうが、そのバランスは保たれていない。ではなぜ中国の出資は少ないのか。中国はIDAとは別に、独自の低所得国向けの融資を行っているからだ。  2020年において全世界的に深刻化するコロナ禍の中で、IMFと世界銀行は融資している73ヶ国を対象として返済支払猶予をG20に対して要請している。低所得国が十分なコロナ対策をとる為の人道上の理由と共に世界経済の回復を促進するための施策だ。この73ヶ国はIDAの融資先国とほぼ同一である。それに対してG20の一員である中国も他国と足並みを揃えて支払猶予を受け入れている。中国は拒否することもできたが、中国によって債務危機に陥ったと各国に指摘されることを避けたのだろう。このことは、IDAが中国無しでは債務危機に対応できないということを明らかにすることとなった。   中国の低所得国向け融資─G7の2倍  中国が独自に行っている低所得国への融資の残高は1030億ドルに達している。一方、世界銀行(IBRD、IDAを含む)の低所得国への融資残高は1157億ドルである。そのうち、G7の融資残高は571億ドル、中でも日本の融資残高が239億ドルなので、中国が1国でいかに巨額の融資を低所得国へ行っているかがわかる。中国の融資規模はG7と比べて約2倍、日本と比べて4.5倍に上っている。  中国はなぜ独自路線をとるのか。それは、単独での融資は中国に都合の良い発展途上国を恣意的に選別して融資できるからだ。  中国からの融資が大きい国はパキスタンとアンゴラである。パキスタンは215億ドル、アンゴラは157億ドルだ。中国から100億ドルを超える融資を受けているのはこの2カ国だけである。パキスタンとアンゴラが重視されるのは、両国が一帯一路および資源確保において欠かせない拠点になっているからだ。パキスタンはインド洋から陸路による中国への輸送を可能とする経済回廊の要である。アンゴラはナイジェリアに次ぐ産油国で、中国にとってはサウジアラビア、ロシア、イラクに次ぐ原油輸入先となっている。  中国の融資スタンスは独自の経済的な権益の確保にあるので世界銀行に比べて与信が緩い傾向にある。中国の融資先には返済負担率が非常に高い国が多くみられる。ジプチの負担率は37%、コンゴは29%、ラオスは27%、キルギスは21%、モルディブは20%となっている。世界銀行の融資先ではカーボンベルデが20%を超えているが、その他には負担率が20%を超えている国はない。  中国に依存している国は、一帯一路(キルギス、ジブチ)、南シナ海における領有権確保(ラオス、カンボジア)、資源確保(コンゴ共和国)、インド洋、太平洋への進出(モルディブ、トンガ)といった外交戦略において重視されている国々である。これら中国依存国のリスクが「高い」、乃至は「窮迫」と評価されるのは、債務の持続可能性よりも外交上の利益を優先する中国と新たな債権国として存在感を高めている中国を積極的に利用しようとする低所得国の思惑が一致したからである。  中国はG7各国を含め世界的に疑心暗鬼を招いてきた。返済負担率を無視した低所得国への融資を自国の利害の為に行って来たからだ。中国は融資によって世界各国に影響力を強めてアメリカに対抗する勢力圏の構築を目論んでいるとされている。だが、中国が強権的に融資先国を従えるような振る舞いは意外にも見られない。中国に依存する国も利害関係が一致することからこそ依存しているのである。それぞれの国が主体的に国家運営を行っているのは間違いない。  中国は自国の飛躍的経済発展による資金力を背景に一帯一路をおし進めてきたわけだが、今後もその路線で行くのかというとそう容易いことではないようだ。他国への融資によって急激な資金力の低下を招いていることと中国国内でのインフラ投資が一巡し、且つ米国をはじめとした先進国との貿易摩擦が拡大していることから国内の景気は失速しがちな状況となっている。  中国は決して発展途上国の盟主ではないのかもしれない。中国は自らを「開発途上国」とする一方で、欧米諸国を源流とする価値観や制度を代替しうる「大国」としてきた。つまり、国際社会における立ち位置を都合よく使い分けてきた。中国は、「中国モデル」を欧米諸国に追従しない経済発展の道としながらも、それが具体的にどのようなものであるのかについては必ずしも明らかにして来なかった。中国は確かに長期にわたり安定的な成長を続けて来たが、政治、経済、社会などの初期条件が異なる国に、その経験をどのように移植すれば成功するかということは何も示していない。そればかりか、中国は深刻化するアメリカとの対立、潜在成長率の低下、そして、最近の債務危機においても開発途上国を満足させる対応が出来ていない。中国の求心力が低下するのは当然とことと言える。  他方、米国のバイデン大統領は同盟国との同盟強化を急いでいる。中国は経済回復のペースが速く、G20のなかで唯一プラス成長が期待出来る国だ。中国は発展途上国への積極的な融資を再開する体制が整いつつある。ただし、新型コロナウイルスの蔓延による途上国の経済状況の悪化がそれを阻んでいる。  日本はこれまでの路線を堅持し、世界銀行及びIDAにも積極的に関与を強め、中国の権威的かつ高圧的な外交姿勢に対して頂門の一針となるよう期さなければならないのではないか。

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