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警察官僚へのアメリカの憤懣を、軽視してはいけない
警察官僚へのアメリカの憤懣を、軽視してはいけない

 共同通信社が、米国と英国が10月に制裁を科し、アメリカ合衆国司法省(連邦検察)が刑事訴追をしたカンボジア国籍の中国人チェン・ジー(陳志)会長(38)が率いる華人系企業『プリンス・ホールディング・グループ』が、国内で活動していると報道した。  とりわけ安藤隆春元警察長官(理事)や高村正彦元衆議院議員(名誉会長)らが名を連ねる『日本カンボジア協会』と、プリンスグループの関係に焦点があてられた内容だった。プリンスグループは、オンライン詐欺や資金洗浄、人身売買や臓器売買まで、多岐にわたる犯罪に関わっているとされる中国系マフィアであり、永田町の議員会館で、しばしば講習会を開く『日本カンボジア協会』と深い関係があったことは、意外に思われたはずである。 https://news.jp/i/1364162597930893443?c=39546741839462401#    共同通信社が、中国系マフィアの日本国内における活動を報道するまでには伏線があった。今年5月に、カンボジアで特殊詐欺拠点に拘束されていた日本人が、カンボジア当局によって保護された事件を覚えておられるだろうか。同事件に対する日本の警察の動きが鈍かったのである。帰国した日本人たちを特殊詐欺に関わっていたというので、逮捕しただけで幕引きにしようとした。 国内における中国系マフィアの活動に対する捜査には及び腰だったのだ。   アメリカ政府が、中国系犯罪組織への摘発に躍起なのは、米国内の麻薬禍が理由だ。アメリカでは、年間8万人以上が薬物の過剰摂取で死亡。特にオピオイド系鎮痛剤の一つであるフェンニンタルだけで年間7万人のアメリカ人が死んでおり、年間4万人の交通事故死や銃による死亡事故よりも多い。 特にフェンニンタルによる死亡者には、医者に処方して貰いやすい白人系の若者が多いと言われる。   トランプ政権は、現代のアヘン戦争と位置づけており、大統領就任直後から麻薬の通過国のメキシコやカナダを関税で脅し、とりわけ原料供給国の中国に対しては、厳しい措置を取ろうとしたが、習近平からレアアースで反撃され、いったんは引っ込めている。  6月25日には、日本経済新聞が「米国へのフェンタニル密輸、日本経由か―中国組織が名古屋に拠点」という記事を掲載している。 ジョージ・グラス駐日米国大使が、6月26日、7月7日、8月22日と、たて続けに日本経由のフェンタニルの原料の米国への密輸取り締まりに対し、日本側の協力を呼びかける投稿をXに行ったのには、この問題に対する関心の高さと、日本の捜査当局の動きの鈍さに対する不満があったからと言われる。 トランプ大統領とグラス駐日米大使   筆者は、月刊タイムスオンラインに、『日本発祥の特殊詐欺と警察の裏金問題』を8月28日に投稿した。警察組織が特殊詐欺グループを、裏ガネ作りに利用してきたという内容の記事である。 https://timessha.jp/society-incident/tokusyusagi250828/ それ故、今回のプリンスグループと、日本カンボジア協会に関する報道には、アメリカ政府の日本の警察に対する怒りが背景にある、と言えるのではないか。 (高田欽一)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

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2025.12.08

安倍晋三銃撃事件を家庭連合潰しに問題をすり替え
安倍晋三銃撃事件を家庭連合潰しに問題をすり替え

安倍元総理が銃弾に斃れて早3年以上が経過した。犯行を行った山上徹也被告の母や妹が公判で証言をした。山上家と旧統一教会は17年前に献金の一部である5千万円を謝罪費として支払うことで合意し和解している。母親は旧統一教会から月30~40万円が毎月支払われ続け全額を受け取ったことを認めている。同時に母親は山上徹也被告に月13万円を振り込んでいた時期があったことを証言した。このことから平成30年から令和元年あたりに旧統一教会からの支払は完了していると考えられる。 妹の証言は、「母親は5年間で1億円を献金していた」、「長男が包丁を振り回して、大学進学を絶たれたのは母親の献金のせいだと暴れた」、「次男の徹也被告も経済的事情から大学進学の希望を絶たれた」、「被告が家を出た後も母親は被告に献金する金を無心してきた」、「平成27年に長男が自殺した」、「被告は長男の自殺は自分せいだと号泣した」、「長男の自殺を機に被告は母や妹と距離を置くようになった」、などである。また、妹は弁護士との尋問で「被害者が安倍晋三元総理であることは家庭連合の機関誌の表紙になっていたので不思議には思わなかった」、「宗教二世の相談窓口が見つからず被告は絶望して犯行に至った」と証言した。 家庭連合(旧統一教会)にはトラブル事例も多く問題があることはその通りであろう。ただ、山上家とのトラブルに関しては既に和解して謝罪金を受け取っていることから家庭連合の責任は果たしていると考えるべきである。だが、事件発生後、マスコミは一斉に家庭連合のバッシングを始めた。マスコミだけではない。国もその潮流に乗り家庭連合に解散命令を出す裁判を提起した。一審では国の主張が認められており現在は控訴審中である。 家庭連合を殊更に擁護するつもりはないが、安倍晋三元総理が殺害された事件を被告の動機を契機に宗教団体の問題にすり替えることは看過しがたい。この事件はあくまで山上徹也被告による殺害事件であって家庭連合の組織的な問題ではない。妹の証言によって山上被告に一縷の同情を抱いたとしても、被告は月13万円もの金銭的援助を母親から受け取っている。見ようによってはアダルトチルドレンのような印象を抱く。犯行の動機をマスコミに先行してリークし、非難の矛先を意図的に家庭連合に向けたようにも邪推できる。山上被告の犯行を私怨かテロかと二者択一で考えるべきではない。家庭連合潰し一辺倒の施策や報道では事件の本質を見失いかねない。 公判の中で山上被告の動機も明らかになりつつある。山上被告は「ほぼ日刊カルト新聞」を読み鈴木エイト氏に連絡している。鈴木エイト氏の記事には安倍晋三元総理が家庭連合(旧統一教会)の意を受けて動く人物であるかのような妄想が書かれていた。鈴木エイト氏の虚言を山上被告が真に受けてしまったことが犯行に繋がった。裁判では安倍元総理と家庭連合(旧統一教会)を直接的に結びつける証拠は提示されていない。山上被告は鈴木エイト氏の妄想記事によって殺害行為を犯し、マスコミは反家庭連合(旧統一教会)の弁護士やジャーナリストのフィクションや妄想を「報道」として垂れ流してきた。山上被告が鈴木エイト氏の安倍元総理に対する意図的な妄想をでっち上げ、それを信じて犯行に及んだとすれば、鈴木エイト氏の「未必の故意」だと思えなくもない。 (坂本雅彦)

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2025.12.07

高市早苗首相の台湾有事発言で中国問題が深刻化(2)
高市早苗首相の台湾有事発言で中国問題が深刻化(2)

 前回台湾有事の発言が、台湾が独立国家という認識を日本はとっておらず、内政干渉の危険性があることを書いた。そしてその目的が憲法改正と防衛費の増大にあるのではないか、と結論。ではこの軍事費を増大させる話は、誰が最も望んでいる話であろうか。 もともとアメリカの軍産複合体が語り、強調してきた主張だ。もちろん中国も核兵器を保有しているが、歴史的に世界の国々の紛争に介入をし、爆弾を落としたり、敵対国の要人さえもドローンを使って暗殺したりしてきた国はアメリカである。アルカイダ指導者であるビン・ラディン、アイマン・ザワヒリだけではない。イラン防衛隊のソレイマニ司令官もすべて暗殺だ。さらにイラクに侵攻し、フセインを処刑するまで至ったのもアメリカである。 こうした経緯に対して中国では2024年1月ブルームバーグ通信によると、米情報当局者は中国人民軍、特に2016年に創設されたロケット軍の内部腐敗が深刻で、中国軍隊の戦闘遂行能力全般に対する信頼が落ちた状態だと評価しているという。米国の情報によって中国内部の腐敗を知った習近平が慌てて処分した話は有名だ。 アメリカは中国軍の実践能力が低いことを知っているが、有事を煽っている。これは軍産複合体がアメリカを拠点に武器を売っていく常套手段だ。老朽化した武器を売り、新たな武器を製造する資金源にする。これは軍事ビジネスで利益を得るため、これまで行ってきたことである。そうすると買った国の性能はアメリカ以下のものなので、コントロールしやすい。極めて日本の国益にもならない話である。さらに核武装論が復活さえしている。次回、この核武装論の詳細を明らかにしていきたい。(早見慶子)  

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2025.12.06

東京2025デフリンピックで日本選手団が大躍進
東京2025デフリンピックで日本選手団が大躍進

大会を前に法整備に尽力した議員とは 11月15日から26日まで東京で聴覚障碍者のための世界規模の総合スポーツ競技大会であるデフリンピックが開催されていた。日本チームは当初の目標であるメダル31個の獲得を大きく上回る51個のメダルを獲得する偉業を遂げた。観客動員数も当初の目標であった10万人を遥かに超えて28万人を動員した。日本チームの大躍進は選手たちの限界を超えた努力とコーチやスタッフたちの献身的な支えの賜物だといえよう。また、観客の声援も後押しになったに違いない。 さて、デフリンピック開催を前に国会では「手話に関する施策の推進に関する法律」(手話推進法)が成立した。議員立法として主体的に取り組んできたのは今井絵理子参議院議員である。今井議員のご子息が聴覚障害者であることから当事者としての経験も踏まえての取り組みである。手話推進法の基本的施策は *機器やサービスの開発や規格の標準化や使用者の入手支援 *防災、防犯および緊急通報の為の仕組みや情報収集の為の機器設置の推進 *障害者の自立生活や社会生活における意思疎通支援者の養成や確保 *障害者への情報提供、相談の対応 *国民の関心や理解を推進する活動や広報 *調査研究の推進 の6項目と必要な予算措置を講じることが盛り込まれている。 今井議員からは「手話で育てたい、学びたいっていうお子さんに対して、どう対応していくか、ずっと課題だった」と話す。今井議員は2020年にも「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」を議員立法で成立させている。この法整備によって聴覚障害者が手話通訳や文字通訳を通じて電話を利用できるようになりバリアフリー化が進んだ。 二期目の議員が議員立法を2本も成立させられることは非常に稀である。やはり、強い想いと使命を抱いて当選した議員は一種の凄みがある。ましてや今井絵里子議員は自身のご子息が当事者である。今まさに自分が直面する諸課題に取り組んできた。道中、SNS投稿が問題視されるなどバッシングにもあってきた。人気グループ出身のタレント議員だと揶揄されることも多い。そのような中で政治家として結果を出せていることは賞賛に値する。予算がどうだの、対象の人数がどうだのと言わず、法律とは弱い者の味方であって欲しいものである。  (坂本雅彦)

山上徹也被告の公判開始後も続く”陰謀”説について
山上徹也被告の公判開始後も続く”陰謀”説について

 山上徹也被告の初公判が10月28日に始まってから、一月以上が経過し、12月2日で既に12回目を数える。その間の証人尋問や被告人質問で事件の全容がほぼ解明されつつあるのに、いまだにSNS上に山上被告以外の狙撃手がいたはずだとか、山上被告を使嗾した組織がいる、といった風雪が流され、一定の支持を集めている。再生回数目的のユーチューバーが適当なことを言っているのではなく、元新聞記者やジャーナリストを名乗っている人物が、もっともらしく解説するので惑わされる人がいるのも無理もない。  その代表的なのものに、安倍晋三元首相が狙撃された2022年7月8日の前日7月7日、小野田紀美・現経済安全保障担当大臣の演説会場に応援の為に岡山市を訪れていた安倍元首相を狙って、山上被告も、岡山市に来ていたが、1時間53分の山上被告の行動が不明の謎の時間がある。山上被告がアジア系外国人と接触していたという政治関係者もいる、といった話だ。  つまり、公判で岡山市での山上被告の行動を、防犯カメラの映像を使って分刻みで説明してきた検事が、1時間53分に渡って説明しなかった時間があるのが不審であるというのだ。  この場合、考えられるのは二つしかない。山上被告がその間の行動を供述しなかったのか、検事の方が思惑で説明しなかったのかのどちらかだ。  山上被告が供述しなかったのなら確かに不審ではあるが、例えば風俗にでも行っていたのなら、体裁が悪いと考えたのかも知れない。元首相の暗殺を認めているのに体裁するのも変だが、山上被告には女性ファンも多いから、彼女たちの手前も言い難かったのか。テロリストやヒットマンが、決行前に風俗で遊ぶのは、諸外国はいざ知らず、日本の伝統と言って良い。  だいたい大日本帝国の初代総理大臣の伊藤博文からして、御殿場の英国公使館焼き討ち前、維新の志士として今日でも尊敬されている高杉晋作らと品川宿場の妓楼として知られる土蔵相模で遊んでいたのだ。  しかし、検事の思惑で説明をしなかった可能性もある。その場合、世間の反応を検事が気にしたことが考えられる。例えば、未遂に終わった岡山での暗殺決行前、山上被告が桃太郎伝説のモデルとなった吉備津彦命や、姉の倭迹迹日百襲姫命(第7代孝霊天皇皇女)を祀っている岡山神社で暗殺成功を祈ったが、警備が厳しくて決行できなかった。気落ちして帰る途中、翌8日に安倍元首相が近所の大和西大寺で演説するのを知り、日本の神が願いを聞き届けたと思って決行した、などと供述していたら、検事も公表するのを躊躇うのではないか。  上記のような、勝手な憶測や陰謀説が残ることのないように、捜査当局は全ての証拠や事実を公開するべきだし、メディアも不審な点があれば、得心がいくまで取材して、正確な報道を心がける必要があるのだ。   (高田欽一)   【安倍暗殺 山上被告裁判】『謎の1時間53分とは?』『アジア系外国人とは?』元産経記者 三枝氏の解説。  

下請法が中小受託取引適正化法へ名称変更 厳罰化へ法改正 
下請法が中小受託取引適正化法へ名称変更 厳罰化へ法改正 

 中小企業を守る「下請け代金支払遅延等防止法」(通称・下請法)が20年ぶりに抜本的に改正され、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払い遅延等の防止に関する法律」(通称・中小受託取引適正化法)に生まれ変わる。本来は下請け業者を守る法律として、長年にわたり効力を発揮してきた法律だが、常につきまとっていた「下請け」という負のイメージを法改正によって払拭するとともに、厳罰化によって悪質な発注者側の規制を強化されることが期待される。  名称変更以外で改正の柱となるのが、発注者側が受託業者との価格協議の過程で、一方的に代金を決める行為を禁じる規定を新設したことだ。立場の強い発注者側が協議に応じず、受託する中小企業が泣き寝入りすることを防ぐ狙いがあり、発注者と受託者の間で適正な価格設定が進むことが図られる。  名称変更には、法律を所管する公正取引委員会と中小企業庁の強い意向が働いているようだ。刑法の性犯罪について、強姦罪が強制性交罪、不同意性交罪と、告訴要件や処罰要件の変遷に伴って罪名変更されたケースがあるが、法改正に合わせて法律の名称を大幅変更するのは極めて異例である。 これまで下請法で取り締まられるケースで多かったのが、立場の弱い受注者や労働者らに著しく低価格を押しつける「買いたたき」。買いたたきによって商品やサービスの価格を据え置くことは、適正な競争を阻害することにもなり、許されない。公取委は立場の弱い受託企業を守るために奔走している。公取委が2024年度に、下請法違反で再発防止などを求める勧告を出したのは21件。前年の13件から8件増加し、平成以降では最多となった。 下請法の改正は、公取委による取締強化の追い風になるのは間違いないだろう。ただ、大事なのは、法改正によって当事者である発注者側と受注者側への啓発である。発注者が法律に違反するような買いたたきなどに走ることは当然許されないが、立場の弱い中小企業もしっかりと声を上げる勇気を持つことが大切になるだろう。 (桜田亮)

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