政治•経済
トランプ氏がベネズエラに続いてイランへの攻撃についても選択肢に入れているという報道がなされている。イランは昨年12月下旬から経済的に困窮した国民がイラン国内の各地でデモ活動を繰り返し行い治安部隊と衝突している。デモの参加者の死者は2025年年末で70名以上に上るといいトランプ氏はこれ以上のデモの犠牲者が出るようなら軍事行動も辞さないと表明してきた。トランプ氏は昨年6月にイラン国内にある核施設を攻撃している。12月にネタニヤフ氏と会談した際にはイランが核兵器を開発した際には再度攻撃するとトランプ氏は警告している。今年に入って益々デモは活発となりロイター通信によると1月11日時点で死者は490名以上、拘束者は1万人を超える状態にあるという。これを受けて米政府は「非常に強力な対応を検討している」と警告。イランが米国への攻撃を行えば「かつてないレベルで攻撃を加える」とトランプ氏は報復を宣言している。 ベネズエラが米国の奇襲にあっけなく落ちたことからイラン政府は次は我が身と身構えているのは想像に難くない。ベネズエラの防衛体制は中国のレーダーを使い、ロシアの武装で固めていた。ところが、今回の米国の攻撃によって中国のレーダーなんぞ何の障壁にもならず崩壊し抵抗する暇もなく米軍機がカラカスの上空を飛び回った。F-22やF-35などのステルス機を数百キロの距離から探知できるという売り文句で中国は世界中に監視レーダーを売り込んできたが何の役にも立たないだということが証明されてしまった。中国製レーダーが陳腐であることをベネズエラの一件で明らかになった今、同じーダーを導入しているイランのホメイニ氏はおちおち寝てもいられないだろう。一説によるとホメイニ師は亡命の準備を始めたとか、すでに海外に逃亡しているとか。 さらにトランプ氏はベネズエラと関係の深いキューバにも警告を発している。キューバはベネズエラから石油の供給を受けていたが、米国がベネズエラの原油利権を握った以上、キューバには石油は渡さないと宣言、「手遅れになる前に取引を」と呼びかけたが取引の内容は明らかにしていない。 米国を凌ぐ覇権国を目指して強硬に歩みを進めてきた中国にとってベネズエラの防備の陥落は手厳しい痛手となった。軍事品の輸出は中国やロシアの主要な戦略でもあるがその信用は大きく揺らぐ事態となっている。(坂本雅彦)
2026.01.19
2026.01.17
23日に開会する通常国会の冒頭で高市首相が衆議院の解散を検討しているという報道がされている。高市内閣の発足から2か月半が経過したが内閣支持率は依然として高い。石破政権末期の支持率は43%であったが年明けの高市内閣は76%を維持、石破内閣の支持しない率は47%であったが高市内閣では17%と低い水準となっている。(データ、グリーンシップ選挙調査センター) 昨年の参院選後に国民民主党と高市総理の連立調整が遅れた間隙を縫って連立与党入りを果たした日本維新の会にとっては解散総選挙は避けたいところだろう。日本維新の会が連立入りするにあたって唐突に要求したのが国会議員の定数削減である。高市内閣下での昨年の臨時国会では積極的な補正予算とガソリン暫定税率の廃止など矢継ぎ早に公約の実現を果たした。取り残されたのは日本維新の会である。議員定数削減については法案提出にも至っていないどころか法案自体すら固まっていない。そもそも議員定数を削減することは民主主義に反する政策である。議員が少なくなればなるほど国民の声は小さくなる。議員報酬について検討するならまだしも議員数を無暗に削減することは民主主義の軽視にあたる。 そうした中、1月9日に高市総理は国民民主党の玉木雄一郎代表と会談を行ったという報道がされた。当の玉木氏は否定しているが2党間で何らかの協議がされている可能性は高い。要求ばかりが多く主張が強い日本維新の会との一対一の連立では高市総理も心もとないのであろう。自国維の3党での連立、もしくは自国の2党での連立を模索しているのではないか。 国民民主党内でも将来的な連立与党入りを望む声が少なくない。連立を阻んでいるのは国民民主党の主要な支持母体である日本労働組合連合会(連合)である。国民民主党には連合の組織内議員が複数存在する。連合の芳野友子会長は「国民民主党は野党の立場で政権としっかり対峙することが必要で連立入りは看過できない」と年頭に述べている。このことからも国民民主党が連立入りするハードルは高い。 となれば、高市総理が支持率が非常に高い段階で解散総選挙に打って出て衆議院での自民党の議席回復を図っておきたい気持ちになるのはよくわかる。衆議院での自民党の議席が戻ったところで参議院の捻じれは解消されるないのだから野党との連携は不可欠である。国民民主党は所得税控除の引き上げの実現を条件に通常国会での予算案に賛成することを自民党に既に約束している。状況を俯瞰すると国民民主党は無理して連立入りする必要はなく、今まで通り政策ごとの連携を図るのが無難であろう。(坂本雅彦)
2026.01.16
2026.01.16
2026.01.14
2026.01.14
世界最大の石油埋蔵量を持つベネズエラのマドゥロ大統領を拉致したトランプ政権は、麻薬対策を口実に主権国家の元首の誘拐を正当化したが、中南米諸国が麻薬で汚染され、麻薬カルテルが蔓延ってしまったのには、かつてのアメリカ政府の政策も深く関与している。 近代史で、麻薬が国家間の問題として登場するのは、アヘン戦争(1840年~1842年)が最初であったことは、歴史授業で習ったと思う。19世紀にイギリスが、中国(清朝)から輸入する紅茶の代金としてインドで栽培されたアヘンを中国に売りつけた。その結果、中国ではアヘン中毒者が増え、アヘン輸入の代金として銀が英国に流出して清朝の財政を圧迫した。 清朝は、アヘン商人からの賄賂を受け取らない清廉な官僚だった林則徐を、アヘン密輸の最大拠点だった広東に派遣。林は、1400㌧のアヘンを没収して海中に投棄し、外国商人に「今後、一切アヘンを清国国内に持ち込みません」という旨の誓約書の提出を要求した。 この処置に不満なイギリスが清朝に戦争を仕掛けたのがアヘン戦争である。 清朝時代のアヘン窟 アヘン戦争における清国の敗戦は、長崎のオランダや清の商船を通じて幕末の日本に伝えられた。当時の日本では、「アヘンを売りつける為に戦争を仕掛ける洋夷が、いまにこの国にもやってくる」と、吉田松陰や佐久間象山などの幕末の知識人の危機意識を呼び覚まし、11年後に黒船来航で現実になることで、明治維新への国政改革のエネルギーとなっている。 中国は新中国成立まで100年に渡ってアヘン禍に悩まされてきた。アヘンは中国にとって、亡国の麻薬であった、と言えよう。 ところが、ベトナム戦争では、中国政府も麻薬を利用した。厭戦気分の米軍兵士にベトナム人の売春婦などを通じてマリファナ(大麻)やヘロインを流したのだ。アメリカ軍も、兵士の殺人への抵抗をなくすために大量の覚醒剤を配布し、ベトナム戦争は、アメリカに麻薬が蔓延するきっかとなった。 アメリカ政府も麻薬を利用した。1979年にニカラグアで親米のソモサ一族が追放され、サンディニスタ革命政権が誕生すると、レーガン政権は、反共ゲリラ・コントラを養成。当初、コントラの養成費は、経済制裁中のイランに武器を密売した代金で賄ったが、『イラン・コントラ事件』が議会で追及されると、中南米諸国の麻薬を売った代金が充てられた。このときアメリカ政府に協力したのが、文鮮明の統一教会だった。現在もこの教団は南米で麻薬栽培を行っているとされ、統一教会と関係があるパラグアイの元国会議員が、2019年に麻薬密輸やマネーローンダリング容疑でFBIに逮捕されている。 ちなみにレーガン大統領が『自由の戦士』と呼んだコントラの反共ゲリラは、残虐行為でも知られる。彼らは、革命政権の官僚や軍人、共産主義者やその支持者を殺害するだけでなく、一般住民もテロの対象にし、それも出来るだけ残酷に殺すように指示されていたと言われる。 住民を怯えさせ、左翼政権になると、生活や治安が悪くなることを、地方の住民にも認識させる為にCIAが考案した作戦で、文字通りのテロリズム(恐怖支配)だった。病院で働く看護婦や慈善活動をする尼僧もテロの標的にされた。 こんなやり方で人心が把握できるのか疑問だが、一時的に成功し、1990年に「サンディニスタ民族解放戦線」は選挙に敗れ、失権している。 その後、殺人や残虐行為を学習したコントラの反共ゲリラは、その役割を終えても普通の生活には戻れず、麻薬カルテルに流れた者が少なくないという。中南米の麻薬カルテルは、残虐行為を厭わないことで知られる。 トランプは、ベネズエラの石油収益をアメリカ国民とベネズエラ国民の為に使うと公言したが、それが出来ればベネズエラ情勢も安定するかも知れない。 中南米における反米感情は、親米政権ではアメリカ企業に利益が吸い上げられ、現地人は政府関係者や外国企業で働く者しか豊かになれないからだった。 だが、それが出来るのなら、アメリカでまず実施すべきなのだ。世界の富を集めても、富裕層しか豊かさを実感できないことが、アメリカ人の不満であり、トランプを大統領に押し上げた原動力になっているのである。 (青山みつお) CIA資金でコントラへの支援中にニカラグア軍に捕らわれた米元海兵隊員
2026.01.12
少子化は日本に限ったことではない。先進国の多くが少子化に悩まされている。アメリカも例外ではない。2023年のアメリカの合計特殊出生率は1.6%となり44年ぶりの低水準となっている。ちなみに日本の2023年の合計特殊出生率は1.2%となっておりアメリカどころの騒ぎではないのだが。日本の出生率の低さは国民の所得が低すぎるからであるが、政府は度重なる増税とデフレ政策を改めることなく続けて、気が付けば30年も経過してしまっていたのだからその責任は政府だけではなく国民の側にもある。 では、アメリカがなぜ少子化に陥っているのかというと、育児環境と経済的な問題にあるといえよう。まず、アメリカでは育児休暇が12週間しか取れない。その育児休暇を取得したとしても無休であることが普通でノーワークノーペイの思想が浸透している。アメリカは公的な子育て支援を提供せずに出生率が高いことを評価されてきたというがそれは違う。アメリカの出生率はイギリスやドイツと同レベルであり、日本やイタリアや韓国と比較して高いというだけのこと。出生率が2.0を下回っているのだからアメリカも正真正銘の少子化国なのである。アメリカの商家の原因は公的な育児支援がないからだけではない。教育費が高すぎることもネックとなっている。アメリカは対GDP比で7%以上という世界有数の教育費を計上している。平均値は5.7%であるが日本は5%となっており世界の平均値以下である。特に領事教育に関してアメリカはこの膨大な公的な教育費とは別に約23%の家計負担を強いられてる。ただ、日本はそれどころではない。日本の幼児教育の国民負担は56.6%となっており半分以上が自己負担である。日本は所得が低いうえに教育負担も大きいとなると出生率が上がることは貴台できない。さらにアメリカの少子化の原因とされているのが10歳か12歳くらい(州によって事情が異なる)になるまで子供独り歩きを禁じる規定がある。子供だけでの留守番もNGだ。親が送り迎えをするしかないのだが、仕事の都合で無理なときはカーライダーやアフタースクールなどに依頼するするしかない。アメリカでは子育てに多くの時間と労力を必要とすることから少子化が進んでいると考えられる。とはいえ、アメリカは比較的裕福な国で所得も多いことから日本ほど少子化が進んでいないのだろう。日本の少子化問題は経済的な問題であり、政府が緊縮財政措置を長年にわたって続けてきたことの結果である。高市内閣の誕生がその転換期なればと期待する。(坂本雅彦)
2026.01.12
2026.01.10






