社会•事件 ネット不正送金 被害は104億円 過去最悪
ネット不正送金 被害は104億円 過去最悪
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2026/03/24

 2025年のインターネットバンキングによる不正送金被害が、約104億円(前年比約17億円増加)に上り、過去最悪だったことが、警察庁のまとめで分かった。手口の約9割は、実在する企業を装ったメールで偽サイトに誘導し、パスワードなどの秘密情報を盗む「フィッシング」で、過去最多の約245万件(同約74万件増加)だった。

 

■ボイスフィッシング 

融機関を装って企業などに電話し、担当者を言葉巧みに偽サイトに誘導して口座情報を盗み取る「ボイスフィッシング」の被害も目立った。法人の被害額は、約44億8000万円に上り、不正送金の被害全体の約4割を占めた。1社だけで被害が4億円を超えたケースもあっといい、警察庁は注意を呼びかけている。さらにフィッシング被害は、通常の銀行口座のみならず、証券口座にも広がっており、事態は深刻化している。

中小企業などを標的とする「ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)の被害も以前からと同様に多く、高止まりが続いている。ランサムウエアでは、企業などのデータを暗号化し、復元と引き換えに身代金を要求するケースが多く、2025年の被害は前年比4件増の226件だった。ランサムウエアの脅威は広がっており、サイバー攻撃を想定した事業継続計画(BCP)の策定など、企業側には万が一の事態に備えた対策強化が求められている。

 

■幅広い世代がターゲット

企業とは別に、個人の不正送金被害を年代別にみると、20歳代が22・9%と最多だったが、50歳代が18・1%、60歳代が16・5%と続き、幅広い世代がターゲットになっていることが伺える。ネットバンキングの利用時に不審なメールが送られてきた際は、安易に応じるのではなく、個人でもしっかりした警戒心を持って対応することが重要だ。

ネットバンキングの普及により、いつでもどこからでも送金が可能になり、利便性が高まった。ただ、不正送金被害の深刻化を見過ごしてはならず、官民一体となった対策強化が引き続き課題となる。(桜田亮)

 

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