社会•事件 労働時間「増やしたい」は1割のみ 労働時間規制の緩和は必要なのか
労働時間「増やしたい」は1割のみ 労働時間規制の緩和は必要なのか
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2026/03/17

 高市総理大臣は、首相就任時から「労働時間規制の緩和」に意欲を見せているが、規制緩和が本当に必要なのか改めて真剣に考えるべきだろう。厚生労働省が労働者らを対象に実施した労働時間に関する意識調査結果によると、労働時間を現状より「増やしたい」と回答したのは約1割にとどまり、過労死ラインに匹敵する月平均80時間超の残業を望む人はたった約0・5%だった。過労死や過労自殺も後を絶たない中、規制緩和は果たして適当なのだろうか。

 

■月80時間超の残業希望はたった0・5%

今回の厚労省の調査は、残業時間の上限規制(原則、月45時間、年360時間)が導入された2019年の働き方関連法の総点検という形で、高市首相の就任前から開始。昨年10~12月に労働者3000人と企業327社を対象に実施された

 

 労働者の調査では、労働時間について、「このままで良い」と回答した人が約59・5%と最も多く、「減らしたい」が約30%、「増やしたい」が約10・5%だった。さらに、 「増やしたい」の中でも、過労死ラインとされる月80時間超を超えてまで働きたいと考える人はわずか約0・5%にとどまった。

 企業の調査によると、労働時間を「現状のままがいい」としたのは61・5%で、「減らしたい」は22・3%、「増やしたい」は16・2%と労働者と同様の傾向がみられ、現状より労働時間を増やしたい人は少なかった。

企業側にとっては、長時間労働が横行すればブラック企業と評価されかねない上、過労によって働き手が離れていけば人手不足に拍車がかかる。こうした懸念が、「現状維持」を望む企業が6割超に上っていることの背景にあるとみられる。

 

■柔軟な働き方

 高市首相は裁量労働制の拡大など柔軟な働き方の拡充を明言しているが、「労働時間規制」を緩和させる必要性の根拠は一体どこにあるのだろうか。

むしろ、今回の厚労省の調査結果は、厳格な労働時間規制が引き続き必要だということを示しているようにも映る。政府一体となり、改めて労働者を守るための政策を推し進めるべきだ。

(桜田亮)

 

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