連載•小説 墨俣の攻略・築城を可能にした「プレハブ住宅」的アイデア
墨俣の攻略・築城を可能にした「プレハブ住宅」的アイデア
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2026/02/26

 美濃を攻め落とすに当たって、尾張・美濃の国境であり長良川・木曽川・揖斐(いび)川と3つの川の交点であり長良川の西側である墨俣という場所は、戦の手練れであれば誰でも、ここに攻めの拠点を作れば美濃攻略が大きく前進すると考えるようなキーポイントだった。

 

しかし、当然ながらここは斉藤龍興の領土内。他国の軍が足を踏み入れた途端に斎藤軍が排除に駆けつける。柴田勝家、佐久間信盛がそれぞれ軍を率いて拠点づくりを試みたが、すぐさま龍興軍が襲い掛かられてあえなく失敗してしまう。

 

ここで、当時はまだ信長陣営の末席にいた藤吉郎が手を挙げる。

 

他の歴年の家臣たちの嫉妬と軽蔑の入り混じった視線をものともせず、なぜ引き受ける気になったのか。

 

藤吉郎と小一郎は、まず木曽川近隣の水運勢力・川並衆のトップ、蜂須賀小六(後の正勝)に接近する。数十人の配下を束ねる小六に、墨俣での築城工事を請け負ってもらおうというわけだ。

 

敵の領土に侵入するだけでなく、そこに城を建てるという極めて危険なミッション。2人が小六を説得するために提案した方策は、一言で言うと「プレハブ住宅」だった。(つづく)

 

(西川修一)

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