連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.82『アンツル~その1』
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2026/01/28
昔の演芸評論家といえば真っ先に思いつくのが、アンツルである。思い出すのではなく、思いつく、というのは俺が物心ついた頃にはもう亡くなっていたからである。いや、その前にアンツルって誰なんだよ?と知らない方もいるだろう。令和の今、アンツルの話題をしている人は殆どいない。『アンミカ』の方が有名である。
アンツルって誰?フルネームは何?という時代になった。作家の安藤鶴夫である。俺の認識では、正岡容とビッグ2である。マサイルとは略されてないから、きっと、アンツルの方が人気があったと俺は勝手に思っている。
そんな存在なのだが、つい先日、実際にアンツルのことを知っている方と話す機会があった。なんという幸運!俺のアンツル愛を話せる!ところが、その方は
「アンツルねぇ」
と予想外の反応をした。えっ?俺はてっきり、
「いやぁ~君は若いのに分かってるねぇ」
などと開始一秒で盛り上がると思っていたのだが、どうも雲行きが怪しい。
(つづく)
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