2026/01/31
新年早々北朝鮮の独裁者、金正恩総書記は椅子から転げ落ちたに違いない。北朝鮮同様、中露を後ろ盾とするベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が、米特殊部隊によって電撃的に拘束・移送されたからだ。
大統領拘束のニュースが伝わった1月3日夜、党中央委員会護衛処と国務委員会警衛局、護衛司令部、護衛局のいわゆる4大護衛機関に正恩氏から最重要命令である『1号命令』が下達され、非常事態が宣言された。
米特殊部隊による『斬首作戦』によって体制転覆すら可能であることを見せ付けられた正恩氏は、自身の安全に不安を抱き、即座に防御態勢の強化を指示したというわけである。
北朝鮮の公式メディアで報じられた正恩氏の動向も1月6日を最後に極端に減少した。以降の公開活動は11日付の平壌・和盛地区第4段階建設現場視察の1度のみとなっている。
正恩氏を不安にかき立てる要因はまだある。中国・習近平国家主席の韓国に対する動きだ。
北朝鮮は1月4日、日本海に弾道ミサイルを撃ち込んだ。5日に行われた習主席と韓国の李在明大統領との中韓首脳会談への牽制と見でよい。昨年12月29日にも北朝鮮は巡航ミサイルを黄海に撃ち込んでいるが、この翌日は中韓が「首脳会談を1月5日に北京で行う」と発表した日だ。
また昨年11月1日にも黄海にロケット砲十数発を撃ち込んでいるのだが、この日は韓国で中韓首脳会談が開かれ、戦略的協力パートナー関係の発展に向け、通貨スワップ協定などが締結された日である。要するに中韓接近を極度に嫌っているのは明白なのだ。
では、正恩氏は中韓首脳会談の何に反発するのか?
昨年10月29日、米韓首脳会談でトランプ米大統領は、李大統領に韓国の原子力潜水艦建造の承認を与えている。台湾侵攻の邪魔になりかねないこの事態に中国は反発して、中韓首脳会談をキャンセルするかと思いきや、習主席はニコニコと会談に応じた。これでは中国が韓国の原潜保有を認めたのも同然だ。
米国のアジアでの同盟国に核保有国はない。中国支配から防衛するNATO(北大西洋条約機構)的な枠組みもない。
韓国だけでなく、東南アジアの米国同盟国がパニックを起こし、中露に保護を求めることもあり得る。そうなれば日本は孤立の道を進むしかない。(梛野順三)
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