政治•経済 社会•事件 瀬戸内海に迫る中国資本の脅威
瀬戸内海に迫る中国資本の脅威
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2026/01/24

山口県周防大島町に属する、周囲わずか4km足らずの小さな離島「笠佐島」。瀬戸内の穏やかな海に抱かれたこの島が今、静かな、しかし確かな危機に直面している。わずか数世帯、人口10人にも満たないこの「限界離島」の土地が、中国資本によって次々と買収されているという事実

である。

事の始まりは数年前に遡る。島を訪れる見慣れぬ外国人の姿が目撃されるようになり、その後、島の南側の山林約3700平方メートルが、上海在住の中国人を含む複数の個人によって取得された。かつては豊かな緑に覆われていた斜面は無惨に切り開かれ、現在は重機が置かれ、用途不明の開発が進められている。島民にとって、この事態は単なる不動産売買の枠を超えた恐怖に他ならない。島の反対側で行われている開発の詳細は地元住民に一切知らされず、境界線の確認すらままならない。島民の一人は、いずれ日本人がいなくなり、中国人の島になってしまうのではないかと、その胸中を吐露している。

笠佐島の危機は、一地方の過疎問題にとどまるものではない。地理的な条件を見れば、その重要性は一目瞭然である。この島は、米軍岩国基地から約20キロ、海上自衛隊呉基地からも約50キロという、日本の防衛における重要拠点に極めて近い位置にある。それにもかかわらず、2022年に施行された「重要土地利用規制法」の対象には、現時点で笠佐島は含まれていない。法規制の網の目を縫うように進む外資の参入は、日本の安全保障体制がいかに脆弱であるかを浮き彫りにしている。

なぜ、これほど容易に土地が買われるのか。背景には、日本の地方が抱える深刻な所有者不明の土地と人口減少の問題がある。管理が難しくなった山林や農地は、高齢化した所有者にとって負債でしかない。そこへ、好条件を提示する外資が現れれば、売却の流れを止めるのは容易ではない。自治体や国が手をこまねいている間に、日本の国土は確実に切り売りされているのである。

現在、笠佐島では島民らが「笠佐島を守る会」を設立し、クラウドファンディングを通じて土地の買い戻しを試みるなど、必死の抵抗を続けている。しかし、一個人の善意や努力に国防の根幹を委ねる現状は、あまりにも危ういと言わざるを得ない。笠佐島で起きていることは、決して遠い世界の出来事ではない。日本の主権と安全を揺るがすこの事態は、全国の過疎地や離島が直面する未来の縮図である。法整備の遅れを放置し続けることは、国土の「静かなる喪失」を黙認することと同義だ。今、この小さな島から上がる悲鳴に、私たちは真剣に耳を傾けなければならない。

(ジョワキン)

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