政治•経済 冷え込む日中関係 韓国が抱くジレンマとは?
冷え込む日中関係 韓国が抱くジレンマとは?
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2026/01/23

東アジアの政治地図が激変している。2025年後半、日本の高市早苗首相による台湾情勢への言及を端緒とした日中関係の急冷は、2026年に入っても修復の兆しが見えない。中国による対日輸出規制や外交的非難が強まるなか、その狭間で最も複雑なジレンマに直面しているのが韓国である。韓国の李在明政権にとって、日中対立は単なる隣国の不和ではない。韓国経済にとって中国は最大の貿易相手国であり、サプライチェーンの維持において不可欠な存在だ。一方で、北朝鮮問題への対応や経済安保の観点からは、日米韓の枠組み強化が至上命題となっている。

中国は現在、日本との関係が悪化する一方で韓国を厚遇し、日米韓の連携に「楔(くさび)」を打ち込もうとしている。先日の首脳会談でも、中国側は歴史問題を引き合いに韓国へ「正しい戦略的選択」を迫った。韓国にとって、中国からの経済的恩恵は捨てがたいが、それに深入りすれば日米との安保協力に亀裂が生じかねない。これが第一のジレンマである。

李大統領は、日中間の「仲裁」に意欲を見せてきた。日中韓首脳会談の再始動を呼びかけ、地域安定のバランサーとしての役割を模索している。しかし、現実は厳しい。日本が安保政策を強化し、中国がそれに対して強硬な対抗措置を講じるなか、仲裁に動くことは、どちらか一方の肩を持つという誤解を招くリスクを孕んでいる。

また、対中感情が悪化している韓国内の世論も無視できない。若年層を中心に「脱中国」を支持する声が強まる一方で、経済界は中国市場の喪失を恐れている。外交的な中立を保とうとすればするほど、日中双方から不信感を買い、結果として孤立する。この「沈黙すれば無視され、動けば叩かれる」状況こそ、現在の韓国が抱える構造的な苦悩である。

韓国に残された道は、理念ではなく徹底した「実用外交」の追求だ。1月中旬の日韓首脳会談において、李大統領が歴史問題以上に現実問題を先行する姿勢を示したことは、このジレンマの反映に他ならない。日中関係の氷河期が長期化するなか、韓国は自国のレバレッジ(交渉力)をどこに見出すのか。米中の覇権争いに加え、日中の直接対決という新たな変数が加わった東アジアにおいて、韓国の選択は地域の安定を左右する重要な鍵を握っている。

(ジョワキン)

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