2026/01/15
世界で注目が急速に高まっている産業がある。防衛・軍需産業だ。ヨーロッパでも莫大な投資マネーが軍需品メーカーに注がれる中、脚光を浴びるのがドイツ企業のラインメタルで株価は36倍に急騰した。
同社は、戦車や砲弾、戦闘機のボディから防空システムまで幅広く手掛けているが、最大の目玉商品はドイツ軍の主力戦車であるレオパルトⅡだ。直径120㍉の戦車砲を備え、高い威力を誇るこの戦車は、ヨーロッパ各国に輸出されるベストセラーモデル。また、レオパルトⅡと互換性を持たせることで有事の際に砲弾の供給が滞らないようにするため、日米なども120㍉砲を採用しているほど汎用性が高い。
日本はいまだに世界の軍需の潮流から取り残されているが、2025年10月に自民党と日本維新の会は「連立政権合意書」で、防衛生産・技術基盤を強化する観点から「防衛装備移転三原則の運用指針」の5類型を26年通常国会中に撤廃することで合意した。
「5類型」とは、戦車やミサイルなど殺傷能力の高い装備品の輸出を共同開発国に限定し、それ以外の装備品は「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の5分野に限っていることを指す。
現実問題として、中国からの脅威にさらされているインドネシアは海自の中古潜水艦を買い入れた。ニュージーランドは日豪の共同開発が決まった最新鋭「もがみ」型護衛艦の取得に関心を示している。フィリピンとは中古の「あぶくま」型護衛艦の輸出に向けた協議が進められている。
しかしこれらは他国との「共同開発」と位置付けなければ輸出することができない。5類型が撤廃されれば、輸出できる装備品の種類が大幅に増え、殺傷能力の高い武器も輸出が可能になる。
これまで5類型の制約見直しに反対していた公明党が自民党との連立から離脱した。政府はこの機を逃さず5類型撤廃に踏み切り、武器輸出全面解禁へと政策転換を図る方向に舵を切った。
さて韓国は「K防産」と称して防衛産業を主要輸出産業の一つに育成している軍需産業大国だ。最大の得意先はポーランドだ。
ポーランドはロシアによるウクライナ侵攻を受けて防衛力強化を急速に進めており、その一環として韓国からKⅡ戦車(1000両)、K9自走砲(ライセンス生産を含め600門)、FA-50軽戦闘機(48機)を輸入した。
ところが25年11月26日、ポーランドが進めてきた新型潜水艦導入計画「オルカ・プロジェクト」で、韓国のハンファオーシャンが、終選考でスウェーデンの防衛大手サーブの開発した次世代潜水艦「A26」に敗れた。
スウェーデンの勝因は「作戦環境との適合性」だ。ポーランド海軍の主な活動海域であるバルト海は、平均水深が約55㍍と浅い。こうした環境では2000~2500㌧級のサーブA26の方が適している。
韓国の敗北は、性能や価格より同盟関係や産業・技術協力、政治的信頼を含めた包括的な提案が不可欠な時代に入ったことを意味する。日本も他山の石としなければならない。(梛野順三)
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