社会•事件 予想通りの久光製薬非上場化で、26年製薬業界は激変か
予想通りの久光製薬非上場化で、26年製薬業界は激変か
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2026/01/08

 さっそく来たかと思わせるのが、1月6日の久光製薬によるMBO(経営陣による自社株買い)による非上場化の発表だ。創業家の中冨一栄社長の資産管理会社が3900億円と見込まれるTOB(株式公開買い付け)を行うと見られている。

 なぜ「さっそく」なのかと言えば昨年の25年は、22年4月から行われてきた東京証券取引所改革で、上場基準の厳格化や資本効率・株価を重視した経営が上場企業に求められ、よって上場維持のコストが嵩む一方、アクティビスト(モノ言う株主)からの提案が頻発し、過度な株主還元が求められ、「上場」は「割りに合わない」として、支配株主によるTOBでの買収やMBOによる上場廃止が過去最高に頻発し、昨年1年間だけで約125社が株式市場から〝退場〟の道を選んでいたからだ。そしてそれは26年も継続し、いやむしろ東証プライム市場からスタンダード市場にまで裾野を広げてさらに拡大するとみっれていたからだ。そうして26年も早々に、久光製薬がその手を上げたからだ。

 

先陣を切った大正製薬に、まだまだ予備軍が

 

 だが単にそうした流行のみならず、製薬会社から近く退場の声が上がるだろうことは予想されていた。

「製薬会社でのこの流れでは、大正製薬が23年末にMBOを打ち出し、24年4月に実際に上場廃止しました。ですが同社のMBOでは7100億円もかけた買収総額も、市場の株価を勘案すれば不当に安いとの批判が起こると同時に、創業家の上原家の相続税対策の狙いも窺え、『誰のための上場廃止か』という疑問の声が上がりました。製薬会社は先祖が発明した薬を創業の元とする同族企業が多く、東証改革で会社に求められる声は、創業家による同族経営にとってはうるさいだけ。また製薬会社は武田薬品工業の約4兆5000億円、大塚HDの2兆3000億円、アステラス製薬の1兆9000億円が売上トップ御三家が不動で、5位未満の会社は千億円レベルで鎬を削っている状況。つまり上位以外の会社はいつ業界再編の波に飲まれてもおかしくない状況にある」(製薬業界紙記者)

 だから大正製薬と同様の非上場化を選ぶ企業がいつ出てもおかしくなかったわけで、そこに今回は「やはり」とばかるに久光製薬が手を上げたというわけだ。

 そして製薬会社には同じ事情の会社がまだ他にもある。26年の製薬会社は、大きな動きが相次ぐかもしれない。

 

(猫間滋)

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