2026/01/06
米当局は2025年11月11日にジェラルド・フォード空母打撃群が南米地域へ移動したと発表した。同艦はニミッツ級と船体規模は同程度だが、2017年に就役し、乗組員5000人以上を擁する先端技術が山積みされた世界最大の最新鋭艦だ。同艦の派遣によりベネズエラとの緊張が一段と高まることになる。
米 国防総省は、同部隊の使命を「麻薬密売の阻止、国際犯罪組織の弱体化と解体に貢献する」との声明を発表した。
米軍の空母保有数は11隻と少数精鋭であるため、通常、配備予定はかなり前から設定されている。トランプ政権による昨年10月以降の突然の軍配備増強発表は異例と言え、それほど事態は緊迫しているといえる。
ジェラルド・フォード空母打撃群を動員して威嚇だけとは考えにくい。同空母打撃群だけではなく、周辺諸国の基地にも航空戦力と海兵隊を中心に戦力を増強し続けており、そのため米国の閣僚や軍の幹部がプエルトリコなど周辺諸国を頻繁に訪問して基地使用の承認を得ている。
またベネズエラの領空を米軍の電波情報収集機が領空侵犯ギリギリで飛び続けており、挑発を続けている。米国政府としては、マドゥロ大統領の辞任程度では済ますつもりはないと分析する向きもある。
政府与党を解散させ、トランプ米大統領が指名した人物を大統領に据え、大統領以下政府要人を全て入れ替えるまでいかないと武力行使にストップをかけることはないだろう。
ベネズエラのマドゥロ大統領は、米国の部隊増強は自身を権力の座から引きずり下ろすためだと繰り返し反発しているが、大統領個人の腹の内は政権を投げ出したい。が、一族を引き連れ、国外に逃げるとなると政府与党幹部は承知しない。
何しろ政府与党幹部の中には、キューバ軍1万5000人を率い顧問団として政権に入っているキューバ政府の要員がおり、彼らは本国の命もあり降伏は許さない。マドゥロ大統領の首を反米主義者にすげ替えてでもベネズエラには徹底抗戦をさせようとする公算は大だ。
米軍はこれまでに、カリブ海および中南米の太平洋沿岸で麻薬密輸の疑いのある船舶に対し少なくとも19回の攻撃を実施し、76人を死亡させている。(梛野順三)
TIMES
政治•経済




