政治•経済 文化庁が国立の博物館に二重価格の導入検討を指示
文化庁が国立の博物館に二重価格の導入検討を指示
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2026/01/04

文化庁が外国人観光客を対象にして博物館の入館料の二重価格の導入を検討していることが明らかになった。対象となるのは全国11か所にある国立博物館。国立博物館のほとんどが入館料収入と国からの交付金によって運営されている。11館のうち8館は運営費の半分以上を国からの交付金に依存しているのが現状だ。

二重価格の導入が検討されるのは、東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館、国立科学博物館、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立映画アーカイブ、国立西洋美術館、国立新美術館の計11館。

二重価格の導入には賛否があるが、館が運営するにあたり外国語での展示パネルや音声ガイドを準備提供する費用も余計に必要となるのは明らか。そもそも多くの館の運営費の半分以上が国からの税金を投入しているというのに納税していない外国人観光客がその恩恵に与るのは不合理である。

インドのタージマハルでは国民は約100円であるが外国人は約2100円、アンコールワットでは国民は無料だが外国人は約5900円、メトロポリタン美術館ではニューヨーク在住者は任意の金額だが外国人は約4800円、ルーブル美術館も今年から二重価格を導入する。

国立の施設以外で大阪城の入館料について横山英幸市長は「現時点ですぐ取り入れるわけではないが、選択肢としては検討しなければならない」と述べており二重価格の導入が広がっていく可能性も否定できない。法的には知事や市長ら施設の設置者が導入を決定する権限を持っている。

沖縄県に開業したレジャー施設のシャングリラではすでに二重価格が導入されている。シャングリラは運営に税金が投入されている施設ではないが、外国人対応のための接客コストが必要となるのは国立の施設と変わらない。日本人と訪日客との購買力の格差は大きく二重価格の導入によって応分の負担を強いる流れは当然の仕儀だといえる。大きな内外価格差がある以上、一律の料金設定を続けることは国民である日本人にとって不利益であるかもしれない。税金の公平性を保ちながら観光施設の運営資源を確保するためには二重価格の導入は妥当な施策であると言えよう。

(坂本雅彦)

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