政治•経済 勤務間インターバル 過労の歯止めに罰則付き義務化求める声も
勤務間インターバル 過労の歯止めに罰則付き義務化求める声も
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2026/01/01

 終業から次の始業までに一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル」制度を巡り、企業に導入を罰則付きで義務化するよう求める声が高まっている。2019年4月に働き方改革関連法が施行され、制度の導入が努力義務となったが、導入率は1割にも満たない。過労死や過労自殺が依然として後を絶たない中、歯止めの起爆剤とするため、政府は罰則付き義務化を本気で検討すべき時期にきていると言えそうだ。

 

■導入は7・7%と低迷

 勤務間インターバル制度は、労働者保護を目的に、十分な睡眠や生活時間の確保を促す狙いがある。労働時間等設定改善法は、「健康及ぶ福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定」と努力義務を定めており、厚生労働省も運用マニュアルを作成し、導入を促している。

 だが、インターバルの具体的な時間や対象者などについては法令で示されていないこともあり、企業の動きは鈍いままだ。厚労省の2024年の調査によると、制度を導入している企業は全体の7・7%で、29人以下の小規模企業に限ると5・8%と低迷した。

 

■抜本的な導入促進

 一方で過労死遺族らの長年にわたる要望などを踏まえ、厚労省は制度の義務化に向けた検討は進めている。

 労働基準法の改正などを議論してきた厚労省の有識者研究会が2024年1月にまとめた報告書は、制度について、「抜本的な導入促進と法規制の強化について検討することが必要」と言及した。

 同研究会の議論では、一部の委員から義務化を強く求める声も上がったが、義務化の度合いや罰則を付けるかで意見が対立。義務化までの結論に至らず、報告書では「より多くの企業が導入しやすい形で制度を開始するなど、段階的に実効性を高めていく形が望ましい」との記載にとどまった。

 研究会の報告書を受け、厚労大臣の諮問機関である労働政策審議会)では、労基法改正に向けた議論も進んでいる。政府は労働者の命と健康を守るため、勤務間インターバル制度の罰則付き義務化を本格的に検討すべきだろう。

(桜田亮)

 

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