社会•事件 ゴミのポイ捨てに2000円の罰則(渋谷区)
ゴミのポイ捨てに2000円の罰則(渋谷区)
社会•事件

2025/12/21

 2001年にニューヨークで起きた9.11同時多発テロ以降、公園や道路、駅など公共の場に設置されていたゴミ箱の多くが姿を消した。少なからず残っていたのは飲料用の自販機に付属したゴミ箱くらい。テロが起きたニューヨークよりも東京の方が、ゴミ箱が少ないという状況となっている。インバウンドが急激に増加しゴミのポイ捨て問題が深刻化するのは自明の理である。

東京都渋谷区議会は「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」を成立させた。本条例でコンビニエンスストアやテークアウト可の飲食店、自販機の設置者などにゴミ箱の設置や適正管理を義務づける。怠った場合は5万円以下の過料を科し、ポイ捨てした人へも新たに過料2万円以下の罰則(実際の運用は2000円の罰金を徴収)を定められている。2026年4月1日から施行される。取締りや周知にはこれまで路上喫煙やたばこのポイ捨てを指導してきた分煙対策指導員を増員してゴミのポイ捨てへの指導や過料徴収を行う。

本条例の施行に併せて渋谷区が行政として設置するゴミ箱を増やすことは予定されていない。あくまでも事業者に設置を促すことになる。多くのゴミはコンビニやカフェでの購入物であるがほとんどのコンビニのゴミ箱が店内にあることから本条例が飛躍的な改善に繋がるかどうかは疑問である。

2025年4月に大分県の由布院で同様の条例が施行されたが、事業者への義務付けと罰則規定は同じだが、行政も新たな喫煙所やゴミ箱を設置して環境美化に予算を投じている。併せて「おたがい箱」というものも設置し、自分の店で出たゴミだけでなく来街者が出したゴミの回収できる方策を取り入れた。おたがい箱の設置にかかる費用は行政によって予算されており全面的に支援している。

政府はインバウンドを増やすことにばかりに力を入れるのではなく、受け入れる為の設備投資にも目を向けなければならない。インバウンド対策を民間に強いるばかりでは、観光立国は成立しない。官民のバランスが大切であろう。(坂本雅彦)

TIMES

社会•事件