2025/12/10
タイ国籍の12歳の少女が性的サービスを強いられる悪質な事件が発覚した。東京都文京区の個室マッサージ店で少女を働かせたとして、警視庁が経営者の男を労働基準法違反容疑で逮捕し、母親についても児童福祉法違反容疑で逮捕状を取った。少女は6月に短期滞在の在留資格で母親と来日後、店に置き去りにされ、33日間で男性客60人に性的サービスを強いられていたという。深刻な人身取引であり、捜査当局には、店側の厳しい刑事処分は当然だが、利用した客側に対しても児童ポルノ禁止法違反(児童買春罪)の適用も視野に、厳格な対処が求められる。
■自ら助け求める
タイ人少女が9月、店から逃げ出して出入国在留管理局に助けを求めたことで、事件が判明した。日本で言えばまだ中学生になったばかりの少女を支配下に置き、性的搾取に利用した店側の悪質性は極めて高い。母親からも裏切られたような形で異国に置き去りにされた少女が負った心の傷は相当なものだろう。。警察当局は徹底的な捜査によって事件の全容解明するのはもちろん、少女の心的ケアにも努めることが不可欠だ。
2000年に採択された国連の議定書によると、性的搾取や強制労働を目的に、不当な手段で人を引き渡す行為などが人身取引にあたる。被害者が18歳未満の場合は、手段を問わずに人身取引にあたるという。
■人身売買罪の適用難しく
ただ、日本でも2005年に人の売買を直接処罰する人身売買罪は制定されたものの、立証のハードルが高いこともあり、今回のタイ人少女のように他の罪を適用せざるをえないケースがほとんどだ。本来は売買を手引きする組織も含めて、人身売買に関与した関係者を厳しく罰するには、人身売買罪の積極的な適用が欠かせない。
警察当局や検察当局は、改めて人身売買罪の立証方法を見直すなど、積極的な摘発につなげられるような運用に努めるべきだ。幼い少女への買春という愚行に走った客側への処罰も検討が必要だろう。
異国の地から突然、犯罪組織に引き渡され、性的サービスを強いられたタイ人少女が勇気を出して助けを求めたからこそ発覚した今回の事件。捜査機関は、少女の「勇気」を決して無駄にしてはならない。(桜田亮)
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