政治•経済 社会•事件 山上徹也被告の公判開始後も続く”陰謀”説について
山上徹也被告の公判開始後も続く”陰謀”説について
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2025/12/04

 山上徹也被告の初公判が10月28日に始まってから、一月以上が経過し、12月2日で既に12回目を数える。その間の証人尋問や被告人質問で事件の全容がほぼ解明されつつあるのに、いまだにSNS上に山上被告以外の狙撃手がいたはずだとか、山上被告を使嗾した組織がいる、といった風雪が流され、一定の支持を集めている。再生回数目的のユーチューバーが適当なことを言っているのではなく、元新聞記者やジャーナリストを名乗っている人物が、もっともらしく解説するので惑わされる人がいるのも無理もない。

 その代表的なのものに、安倍晋三元首相が狙撃された2022年7月8日の前日7月7日、小野田紀美・現経済安全保障担当大臣の演説会場に応援の為に岡山市を訪れていた安倍元首相を狙って、山上被告も、岡山市に来ていたが、1時間53分の山上被告の行動が不明の謎の時間がある。山上被告がアジア系外国人と接触していたという政治関係者もいる、といった話だ。

 つまり、公判で岡山市での山上被告の行動を、防犯カメラの映像を使って分刻みで説明してきた検事が、1時間53分に渡って説明しなかった時間があるのが不審であるというのだ。

 この場合、考えられるのは二つしかない。山上被告がその間の行動を供述しなかったのか、検事の方が思惑で説明しなかったのかのどちらかだ。

 山上被告が供述しなかったのなら確かに不審ではあるが、例えば風俗にでも行っていたのなら、体裁が悪いと考えたのかも知れない。元首相の暗殺を認めているのに体裁するのも変だが、山上被告には女性ファンも多いから、彼女たちの手前も言い難かったのか。テロリストやヒットマンが、決行前に風俗で遊ぶのは、諸外国はいざ知らず、日本の伝統と言って良い。

 だいたい大日本帝国の初代総理大臣の伊藤博文からして、御殿場の英国公使館焼き討ち前、維新の志士として今日でも尊敬されている高杉晋作らと品川宿場の妓楼として知られる土蔵相模で遊んでいたのだ。

 しかし、検事の思惑で説明をしなかった可能性もある。その場合、世間の反応を検事が気にしたことが考えられる。例えば、未遂に終わった岡山での暗殺決行前、山上被告が桃太郎伝説のモデルとなった吉備津彦命や、姉の倭迹迹日百襲姫命(第7代孝霊天皇皇女)を祀っている岡山神社で暗殺成功を祈ったが、警備が厳しくて決行できなかった。気落ちして帰る途中、翌8日に安倍元首相が近所の大和西大寺で演説するのを知り、日本の神が願いを聞き届けたと思って決行した、などと供述していたら、検事も公表するのを躊躇うのではないか。

 上記のような、勝手な憶測や陰謀説が残ることのないように、捜査当局は全ての証拠や事実を公開するべきだし、メディアも不審な点があれば、得心がいくまで取材して、正確な報道を心がける必要があるのだ。

 

(高田欽一)

 

【安倍暗殺 山上被告裁判】『謎の1時間53分とは?』『アジア系外国人とは?』元産経記者 三枝氏の解説

 

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