2025/12/02
根拠のない治療効果をうたい、消費者を欺く行為は断じて許されない。厚生労働省は11月7日、 「糖尿病が治る」などと医療機器で認証を受けた効能・使用目的以外の疾病にも効果があるかのような虚偽又は誇大な広告を行っていたとして、販売会社「インプレッション」(兵庫県尼崎市)に対し、医薬品医療機器法(薬機法)違反で再発防止を求める措置命令を出した。薬機法第72条の5第1項の規定に基づく行政処分で、初の措置命令となった。同省が悪質業者に厳格な姿勢を示した形だ。
◆認証受けていない効能をうたう
発表などによると、インプレッション社は2023年9月以降、自社製品の家庭用電位治療器「イアス3000」の販売に際して、「糖尿病が治る」「血液をきれいにする」などと、認証を受けていない効能をうたう掲示板を掲げるなどし、虚偽・誇大広告をしたという。
医療用医薬品や医療機器の広告を巡っては、大手製薬企業の高血圧治療薬の臨床試験データ不正操作問題などを背景に規制が進んできたが、業務停止命令までには至らないものの、今回のインプレッションのように、「グレー」なケースが後を絶たない。このため、業務停止命令ほど厳しい行政処分ではない措置命令の規定が、2021年8月から新設されていた。
インプレッション社は自社サイトで、「一部の広告・販促活動において、薬機法で認められた効能・効果の範囲を越える表現があった。措置命令を厳粛に受け止め、再発防止と信頼回復に向けた取り組みをさらに進めて参る」などと謝罪しており、厚労省による措置命令に粛々と従っている姿勢が伺え、行政処分に踏み切った効果は小さくなかったようだ。
◆厚労省が行政処分に及び腰の可能性も
今回の薬機法に基づく措置命令が出されたのは、導入から4年以上経過して初めてで、同法に基づく業務停止命令や業務改善命令といった行政処分自体が出ることもかなり珍しい。
あるベテラン医師は「厚労省が企業に対して及び腰になっている可能性もある。製薬企業や医薬品製造販売会社に対しては、もっと厳しい姿勢で臨むべきだ」と指摘している。
医薬品や医療機器は、人の命や健康に関わる重大な問題をはらんでいる。悪質業者の早期の排除が必要なのは言うまでもなく、厚労省のさらなる厳しい対応が不可欠だろう。(桜田亮)
TIMES
政治•経済 社会•事件


