2025/11/27
米朝会談、日朝会談実現の可能性をめぐって様々な推測が流れている。高市早苗首相は、11月3日に東京都内で開かれた日本人拉致被害者の帰国を求める「国民大集会」で、「すでに北朝鮮側には首脳会談をしたい旨、伝えている」と明らかにし、北朝鮮の金正恩総書記との会談の実現に意欲を示した。
首相は拉致問題を「内閣の最重要課題」と位置づけており、10月28日に訪日したトランプ氏とともに拉致被害者家族と面会している。
歴代政権は「条件をつけずに(金総書記と)向き合わなければならない」(安倍晋三元首相)、「私直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」(岸田文雄元首相)として、政府関係者らが複数ルートで北朝鮮側と接触したが、いまだ会談は実現していない。
日朝会談に関してはこれまで、拉致問題優先に取り組まれてきたが、日本以外の西側諸国は一貫して、北朝鮮の「非核化」あるいは核ミサイル開発計画の「完全、検証可能かつ不可逆的な廃棄」を主張し、幾多の制裁を科してきた。
が、逆に北朝鮮の核ミサイル開発は止むことなく進められ、年々強化されてきている。それだけでない。北朝鮮には強力なバックグランドも構築された。
ロシアは昨年3月、国連安保理の北朝鮮制裁委員会専門家パネルのマンデート延長に対し拒否権を行使して、北朝鮮に対する国連の制裁体制の維持そのものを拒否した。中国も9月4日に北京で行われた中朝首脳会談後のプレスリリースに、それまでの同種文書には言及のあった「朝鮮半島の非核化」の文字を消去した。東アジアにおける「中朝露核クラブ」はすでに成立してしたとみてよい。
親北政権である韓国の対応も北寄りに変化した。「米朝首脳会談が行われた場合には、核兵器の廃棄ではなく“凍結”で合意することに同意する」とのスタンスを示し、韓国は「非核化」を長期目標にシフトさせた。
北朝鮮は、すでに西側が非核化した場合の交換条件に持ち出す国連制裁の解除や経済支援などには関心がない。自国経済は明らかに中朝貿易の再開やロシアからのエネルギー供給で一時の苦境を脱したからだ。が実際は金正恩の圧政下、市民生活は決して楽ではない。
このような厳しい状況下に置かれている北朝鮮に親北政権の李在明大統領は助け舟を出した。北朝鮮との統一に備えた政策を実行する韓国の統一省が10月14日、南北間の対話・交流などの部署を復活させる組織改編案を発表したのだ。
李大統領の対北融和路線を反映したものだが、正恩氏からは「大統領はよい子」との声が聞こえてきそうだ。
こうしたなか、こんな韓国では生きられないと世界最高IQ記録保持者キム・ヨンフン氏(36)が米国に亡命を申請した。11月6日の朝鮮日報日本語版が報じた。
同氏は「聖書の真理を抑圧し、祖先が守ろうと闘ってきた自由を裏切る親北朝鮮左派政権(ママ)が支配する韓国にこれ以上とどまることはできない」「今日の韓国政府は愛国者を処罰し、共産主義者たちを称賛している」と李在明政権を批判した。
キム・ヨンフン氏は別の投稿でも「もはや韓国は存在しない。ただ北朝鮮が存在するのみだ。韓国政府が親北朝鮮政府になったからだ」「私は政治的・宗教的迫害を理由にトランプ政権に亡命を申請した最初の韓国人だ」と英語で主張した。
中国とよりを戻した北朝鮮に親北・韓国が秋波を送れば、拉致問題はまたさらに解決から遠のく。(梛野順三)
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